今回は第25話「初陣」と並んで、非常に良かったと評価しています。かなり辛辣な批評となった過去編2話との違いはなんであったかというと…やはり原作小説にバランスよく血肉をつけた上手い構成であったように思えます。今回の話の基礎部分は概ね原作小説にあった描写であり、そこに深みを持たせたような構成は非常にうまい。ノイエ版は少しムラッ気が強いので、大きく批判されるような「改変」もあれば、こういう風にむしろより深みを持たせた上手い描写もあるのでなかなか安定しないのが美点でもあり、欠点でもある。ただここまで詳細に描写されるということは第1部・第2部がそうであったようにどこかでめちゃくちゃ展開の早い「捨て回」が生じることはもう避けられません。私の予想では恐らく第30話前後あるいは第3部後半あたりで物凄いスピード展開になるのではないか(恐らくフェザーンパートか幼帝誘拐の下り)と危惧しています。いや、もちろん杞憂であって欲しいんですけどね。今回の主人公は
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ざーさんが演じるキャリアウーマン感満載のヒルダ…ではありません。

何とオーべルシュタインさん家のダルマシアン犬が主人公(?)

彼(多分)が帝都オーディンの色々な所を歩き回って、様々な人々の営みを観察し、そして最終的には飼い主の下へと落ち着く。

そんな狂言回しの役割を担っていたのでした。もちろん人語を発しない「彼」が人々にいかなる感情を抱いているかは神のみぞ知ること。

今回ようやくオーべルシュタインさんが登場。まあここからが大忙しだから、休息の時と思うことにしましょう。やはり諏訪部さんがいるのといないのとでは帝国パートは重みが違います。おっとその前に

提督たちの群像

を紹介しましょう。このパート、多分時間的には前回の27話の内容にするべき範疇だと思うのですが、便宜上とご承知ください。

1.ナイトハルト・ミュラー

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最初の特報予告ではメルカッツがやたらとプッシュ推ししていたのが印象的だったミュラー。ファーレンハイトもそうですが、石黒版に比べると全体的にローエングラム王朝提督たちは優男からマッチョタイプに印象チェンジした感じがある。中の人は『ヴィンランド・サガ』のトルフィン。要塞対要塞での負けん気強い発言の数々は違和感ないでしょうが、その後に理知的に接することはできるか?てっきり特報予告でのプッシュ推しから今回は出番多めかと予想していましたが、今回は控えめでした。

 

2.ウルリッヒ・ケスラー

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石黒版と大きく印象変わらず、やはりもみあげの白髪が一番印象に残る感じ。全体的にかなり「官僚軍人」という色彩が強く(まあ、実際経歴的に前線軍人ではないよね)また憲兵隊の軍服も一般軍人の軍服に比べるとかなり差異があるのが特徴。なお、ミュラー以外では珍しく今回喋り、中の人は羽多野渉さんでした。これは非常に似合っていましたが、なんと劇場パンフレットでCVが記載されておらず、公式HPで訂正が流される事態に。疑問なんですが、もしかして制作スタッフとパンフレット制作の意思疎通できている?

 

3.カール・ロベルト・シュタインメッツ

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こちらも石黒版と毛髪や髭の色だけ変えたようないかにも「謹厳実直な軍人」というイメージで登場したシュタインメッツ。ただ、彼の場合、この新提督たちの間でもやはり個性の無さが気になるところです。ミュラーやアイゼナッハのような特筆されるべき強さや個性もなく、かといって例えばケスラーのように「ここだけは他の提督たちに負けない」という所もない。おまけにその軍歴はヤンにボロ負けした2回くらいしかない。「恋人グレーチェン」のエピソードでもルッツやケスラーに比べるとイマイチ地味。結局、シュタインメッツのエピソードで特筆されるようなものというと初代ブリュンヒルト艦長時代に越権行為を行ったラインハルトを叱責したというものなんですが、これやろうとすると外伝に手を出さないといけない。何かノイエ版らしい「仕掛け」が彼に欲しいところではあります。

 

4.ヘルムート・レンネンカンプ

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ミスター・レンネンことレンネンカンプ提督。石黒版の髭はヨシフおじさん風でしたが、今回は「カイゼル髭」のタイプ。いずれにせよ、とにかく髭にばかり注目がいってしまって、肝心の顔で印象はどうかと聞かれると…うーん、保留かな。ちなみにヤンにボロ負けしている印象がありますが、実を言うと単に「小細工にしてやられた」だけであって、実際にはそんなボロ負けにはなっていないんですよね。むしろ同じ2回負けたシュタインメッツなどは二度とも艦隊が壊滅的打撃を被っているし、むしろ損耗率からするとそれほどではない。いやだからどうというわけではないですがね。

 

5.エルンスト・アイゼナッハ

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ん?なんか思いっきり違和感がありまくりだぞ

「沈黙提督」の異名で出番はそれほどないにもかかわらず、大きく読者の印象に深く刻み付けることに成功したアイゼナッハ。しかし・・・その髪型や特に目つきがぬぼーとしているのは違和感しかない。基本的にこの手の「無口キャラ」というのは厳つく近寄りがたいイメージがあるのですが、どうもこのキャラからはそれが感じられない。あの幼年学校従卒のコーヒーエピソードとかこんな見た目穏やかな人でどうやって成立するのか、ちょっと疑問ですね。

 

〇ヨブちゃん完敗(?)

冒頭はこの回、唯一のイゼルローンパート。第25話での遭遇戦で捕虜となった帝国軍将兵が同盟本国に移送されるシーンからスタート。監視している同盟軍の一般兵が彼らを嘲るためにラインハルトを「金髪の孺子(こぞう)」呼ばわりしたところ、この言葉に激昂した帝国兵士たちが「今の言葉取り消せ!」と詰め寄り、一触即発の危機に。何とかカスパー・リンツが止めに入り、帝国軍捕虜の上級将校が兵士たちが宥めに入ったことでようやく沈静化に向かいます。しかし彼らもまた「ローエングラム公への侮辱は許されぬ。言葉を慎むよう」要求するなど、既に帝国軍内ではラインハルトに対する確固たる崇拝が浸透していることを示すシーンでした。

 リンツからの報告を要塞司令部で聞くヤン艦隊首脳部。個人的にはシェーンコップの

「人気取りでも負けちゃったら、トリューニヒト議長には何一つ勝てる要素がないじゃないですか」

という実に皮肉に満ちたオリジナル台詞がなかなかウィットに富んでいて好き。尋問を担当するバグダッシュからも苦笑交じりに「新体制の帝国のすばらしさ」を聞かされているというセリフにむしろヤンやキャゼルヌは険しい表情。独裁的権力を手にしたラインハルトの手によって改革が凄まじいスピードで進行していく帝国、一方の同盟はというと軍事的な弱体化とトリューニヒトによる同盟内部の政治的に行き詰りつつある現状を把握しているだけにかなりの憂慮すべき事態だという認識があるのでしょう。

このパート上手いのは「ヤンがどうやって帝国の内情を詳しく知悉しているのか?」に説得力を持たせたことでしょうか。原作ではこの辺は特に言及されておりませんでしたので、そこに着眼点を置いて説得力ある演出にしたのは非常に良い。基本的に同盟内で帝国からの情報を知るには「フェザーン経由」からの情報となりますが、そこにはルビンスキー&同盟政府の二重のバイアスがかかって取捨選択されている。フェザーンは当然ながらすべての情報をリークするわけがなく、また同盟政府にしても純軍事的な情報はともかく、政治的に「帝国はラインハルトによる改革で急速に発展してきている。帝国の民衆も彼を支持している」なんて情報を馬鹿正直に流すわけがない。その点、帝国との最前線で前回の遭遇戦で得られた捕虜から得られた「生の情報」というのはヤンにとって何よりも貴重なもの、という認識でこれを描いたのはなかなか凄いことです。

こういうのは大いにやってもらいたいものです

なお、ここで描かれたように帝国人の間では深まっていくラインハルトに対する個人崇拝は後々かなり深刻化していき、他ならぬラインハルト及びヒルダの頭を悩ませることになります。

 

〇革命という名の「お祭り」モード

さて今回の主人公「お犬様」がオーディン各地を歩き廻って、その視点から人々の営みが描かれます。まずはヒルダから。ノイエ版ではすっかり秘書業務をてきぱきこなす彼女が公用車でラインハルトの公邸に出迎えるサイクルのようです。それにしてもこの公邸、まあ流石に質素ではあってもそれなりのスペースと大きさがあるのですが、中にいるのはラインハルト一人だけ感が強い。いや、流石に清掃係や料理人がいるとは思いますが、基本的に軍服の着用も自分一人で着こなす様で非常にその孤独さが強調されているように思えます。

 玄関でヒルダが待っていると、警備兵らが犬に構っている様子。ところで疑問なんだが、キスリングはどうした?流石に「ガイエスブルク要塞の惨劇」があった後にいくらなんでもこんな緩い警備でいいのだろうか…と。それこそ野良犬がふらりとあんなところまで入っているくらい緩いしね。警備兵がやろうとする餌にも目もくれず、勝手にとぼとぼと場を去る犬。

 この後、副官人事としてシュトライトとリュッケが任命される経緯が描かれます。シュトライト登用のいきさつはおおむね原作に忠実に推移。要するに門閥貴族の比類なき名門であったオットーさん側近として仕えた人間ですら、ラインハルトに仕えた政治的なアピール的要素とその実直な人柄を見込まれた適材適所である。一方のリュッケはいわば「若手育成枠」ですね。ここでようやくケンプ艦隊所属からの転属であることが言及されます(本来なら12話のアムリッツァ前哨戦で登場してほしかったです…)。ここでリュッケの口から同い年であるラインハルトが行っている数々のドラスティックな改革の内容が原作通りに述べられていくのでした。そしてそんな誰もが信じられないくらい大きな改革を成し遂げた英雄の副官が務まるだろうか…と一歳年下の女性であるヒルダに悩みを打ち明けるリュッケ。うーん、どうみてもこれヒルダの方がお姉さんだな…

 次に出てくるのはオーディン市街地の一角

南ドイツの街並みがそのままアニメ化された感がある。オクトーバーフェスト並みの喧騒ある祭りを見ると私のボルテージが凄まじく上がってしまうのよ(笑)

その屋外レストランで食事をしているのは何故かメックリンガー&ビッテンフェルトコンビ。まさかこの2人が和気藹々と食事しているシーンを見られるとは思わなかった。そしてそのわきには何とあの渋い副官・オイゲンの姿まで!私服姿でも上官と一緒に飯を食うとはもしかしてこの2人の関係もかなり深いものなんじゃないの。このオイゲンは猪を抑え込む熊みたいなものですね。ここで何のお祭り騒ぎかとレストランの女将に尋ねると近所の男性が「政治犯」として収監されていたのが釈放された祝であったとのこと。ラインハルトの改革で大きかったのは、内務省による監視社会の檻からの解放感を民衆に実感させたことが大きいということですね。件の「政治犯」とされた男性も蓋を開けてみれば、「単なる貴族に対する不平」が罪状の模様。既に民主政治が5世紀以上も死滅した帝国社会においてはよほどの知識人でもなければ、そもそも「民主主義とは何ぞや?」というレベルのものでしかない。それでも人々を縛り付けたのは官憲による監視。件の男性にしてもまさか公衆の面前で言うはずもなく、当然ながら密告が奨励されていたのは原作でも度々言及されていましたし、ノイエ版でも監視カメラ付きのルドルフ大帝像が示す通り。その彼らを押さえつけていた存在が取れたことで人々に活気が戻ってきた。実際、いきなり本を書くことにいそしんでいる若い御婦人にしてもそれは自分がしたいことができるという解放感が大きかったと思われます。ここで重要なのはここで彼らにあるのはあくまでも「お祭りモード」であることですね。これはまさにフランス革命やあるいはベルリンの壁崩壊時にもそうであったように多くの庶民が「これからは何もかも良くなる」期待感が人々に活気を取り戻させていました。

 現実にはラインハルトがリップシュタット戦役終結後から改革を開始してから半年足らず。まだその改革の具体的な成果はまだ先の事であり、人々にあったのは「期待値」のようなものだったでしょう。実際に経済政策とはなかなかに長期的スパンが要求されるものであり、実態的成果が表れるのはまだ先の事。先の現実に合った「革命」の多くはその後の数々の問題、特に経済的問題が重くのしかかり、たちまち民衆の失望に変わってしまいました。「革命」が起きるのは時の政府が行き詰まるからであり、もちろんそんな政府が財政的に健全であるはずがない。しかし、そのオワコンの体制をひっくり返したからといって財政難を解決できるわけではなく、それが足かせとなる。しかし、その点でラインハルトには有利な点があった。それは

500年に及ぶ特権階級が貯めこんだ資産を没収することに成功した

というのが大きい。民主国家であろうと専制国家(あるいは全体主義国家)であろうと国家の至上命題は「いかに富の再分配を効率よくあるいは公平性をもって行うか」であり、それが上手くいかなくなれば途端に国家が弱体化する。あまり生臭い話になってしまうので恐縮ですが、現代でも「進んだ民主国家」においても「特権階級」は存在します。当然ながら彼らから課税しなければ、貧富の格差が深刻化しているので、本来なら彼らから徴税しないといけないのですが、現代でもタックスヘイヴンと呼ばれる逃げ道が出来てしまっている。結果として為政者としては「政治的に危険な『特権階級』に課税するか、それとも安易な『庶民ども』から薄く広く搾り取るか」の二者択一を迫られ、「そりゃゴミどもからてってき的に搾り取る方が『安全』っしょ」となるのは当然のこと。〇費税なんてまさにその最たるものでしょうね。

その点、ラインハルトは内戦を経て得た独裁的権力と反逆した貴族たちに対しても徹底的な没収を行い、究極的な「富の再分配」を行うことに成功したのです。もちろん「味方」あるいは「中立」の貴族たちには「加減」されたでしょうが、それでも資産に対する課税がなされたことで大きく財政的には大きな+になったと思われます。もっともそれはあくまでも現在のラインハルトにとってはあくまでも手段でしかありません。それはあくまでもキルヒアイスとの「誓い」を実現するための手段でしかありません。そしてこの矛盾が後半で大きく帝国内に暗い影を落とすことになるのでした。

とそこへまたしても現れた犬にビッテンフェルトが料理の肉を分け与えようとしますが、犬は振り向きもせずにあっさり去っていきました。猪と犬はやはり相性が悪いようです(笑)さてそんな喧噪溢れる市街のある家の屋上の暗い空間で日記を書きなぐる男。これは原作で述べられた「…美しい庭園は身分いやしき者どもの土足に…」と書きなぐった貴族を映像化させたもの。民衆の歓声を聞きながら、全てを奪われた敗者となった貴族の侘しい状況を先の「お祭り」モードとの対比となっています。

こういう映像で全てを語る技術は非常に上手い!

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オイゲン・リヒター(左)とカール・ブラッケ(右)登場。原作ではリップシュタット戦役前にラインハルトが開明派の貴族を登用するのですが、しかし当時はまだ政治は保守派の宰相であるリヒテンラーデ公が一手に担っており、流石に無理があると思ったのか、石黒版でもノイエ版でもやはりこの時期にスライドさせるのが正解なのでしょう。ここでも原作通り、「上からの改革」であっても「改革」である以上は互いに利用しあってむしろ進めるべきというリヒターと彼が独裁者としていずれ「改革」を反故にし、民衆弾圧に走るのではないかという危険性を重く見るブラッケとの空気差が描かれます。で、ここでオイゲン・リヒターが「改革者ラインハルト」の「根拠」としたのが質素な公邸と上げたのがまた非常にテクニックある技術です。原作では説明文にある各要素をそれぞれの登場人物の口から言及させ、それによってドラスティックな改革でラインハルトの下で「自由」となっていく帝国の姿が実に詳細に描かれていました。

 

〇消えゆく旧体制

ミュッケンベルガー「…馬鹿者めが」

次に犬が現れたのは墓地。そこにはまさかのミュッケンベルガーが!何と「裏切者」として非業の最期を遂げた装甲擲弾兵総監の墓碑名がありました。うーん、原作での雑談関係でしかなかったミュッケンベルガー&オフレッサーの関係を実にプッシュ推しするな!ノイエ版スタッフ。まさか第3部になってもミュッケンベルガーが登場するとは完全に予想外でした。これはこの後、物語のメイン舞台からは外れることになる帝国本土での社会の変化を旧王朝を知る立場の人間から見た視点として彼に出番が与えられた…と期待をもっていいのかもしれません。いや、もちろんそれはそれで楽しみではありますが、でもそれはちゃんと本編の内容をキチンと描いてからですね。そこは間違えないで欲しいです。

 そしてかつて豪華絢爛を極めた新憂無宮(ノイエ=サンスーシ宮殿)での情緒あふれる別離シーンが。原作に合った宮殿の半数を閉鎖し、職員の大幅削減を実行したという下りからの人間ドラマです。若い男女たちが職を解かれ去り、それを悲しむ彼ら彼女らを励ます年配の職員たち。「まだ若いのだから再就職先がある」という言葉通り、残されたのは高齢の者たちは外の社会では生きるのは難しいからこそ雇用を守る「温情」でもあるのですね。ここら辺は江戸時代による8代将軍吉宗による「大奥での人員整理」の逸話が元ネタですね。でもそこで長年働いていた者同士が別離となることに対する惜別のドラマを作るとは恐るべし。

一方「誰もいなくなった」広大にして静寂となった皇宮では一人となった幼帝エルウィンがどう見ても不穏な様子で寝息を立てていました。ただでさえ、親愛の情を持つ親族がなく、更にここへきて世話をする人間も大幅に減った彼はいよいよ「狂気」の域へと達していくのでしょうか。散かったベッドの上…そして容赦なくラインハルトから「今は殺さぬ」という言葉からも彼の境遇には暗い未来しか見えてきません。そう、彼は祖父帝の罪を背負わされるかのようにラインハルトによる悪意ある環境を整えられたように思えてなりません。

 

〇主人の下にたどり着いた犬

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そして「皇帝」の処遇について意見交換した後、車で帰宅するオーべルシュタインに図々しくも自分から車に乗り込んでいく犬(笑)かくしてヒルダ、ビッテンフェルト、ミュッケンベルガーら錚々たる顔ぶれを見ても見向きもしなかったこの犬が初めて懐いたことでこの不思議な飼い主と飼い犬の関係が始まります。その話を聞きつけた提督たち、ビッテンフェルトが原作通り「犬は犬同士気が合うものだ」との台詞を述べていますが、さあその犬がまさか自分が餌をやってもそっぼ向かれた犬だと知った時の彼の表情が見ものです。

そして執事ラーベナルトが執務室を訪れるとオーべルシュタインは腹心となったフェルナーにフェザーンのルビンスキーの動向に注意を払うように指示を出すのでした。早くもルビンスキーの動向に警戒する先見の明ですね。そして自分は後から食事をするから、という主人の意向を先読みしたかのように犬に対する食事だけはきちんと用意していたラーベナルトさんの有能さよ(笑)そしてこれまでどんなに放浪していても誰も与えようとした餌に見向きもしなかったこの犬が初めてこの犬に与えるモノとは思えないイゼルローン・フォートレス級の豪華料理にありつくのでした。食事を楽しむ犬を尻目に「次」を見据えて、仕事に励むオーべルシュタインの姿は逆にシュールでギャップ萌えがありました。

最後は一人、ブリュンヒルトと並ぶかのように係留されているバルバロッサがあるプールに佇むラインハルト。それにしてもバルバロッサ、本当にこの後どうなったんだろう?今更一般戦艦として運用されるわけにはいかないし、かといって誰かの座乗艦にするわけにはいかない。そうするとオーディンに係留されたままになったと考えるのが自然か。それはそれで乗員にとっては不遇な話です。

 

さて次回予告ですが、予想としては下記の通り

第29話「細い一本の糸」・・・ここでルビンスキーらフェザーン勢力及び地球教の策動。ルパート初登場。

                 同盟パートではヤンとキャゼルヌによるヨブちゃんの危険性

第30話「はばたく禿鷹」・・・ここでシャフトが登場。中の人はなんと屋良有作さん!まさかの石黒版ナレーションの御方が登場

第31話「査問会」

第32話「要塞対要塞」

まさかの「要塞対要塞」は第3章に持ち越しか!

これキュンメル男爵とか登場できるのか?尺的に大丈夫なのか?と危惧する要素でもあります。