マレンゴの戦いが終わり、ここからはしばらく主人公のナポレオン・ボナパルトは戦場からしばらく遠ざかることになり、政治の話となります。昨今の駄作大河ドラマだとこの辺の「政治パート」の部分って思いっきり端折ったりするものですが、そこは本作。きちんとナポレオンの「新しき国づくり」についてもしっかり描かれます。実際、この時期のナポレオンの政治的業績を抜きにして彼の人生を語ることはできません。

ただ困ったことに「〇〇編」とシリーズタイトルを付けることができないのが悩みどころです。

 

さて今回の主役はナポレオンの元帥のなかでもっとも知名度の高いミシェル・ネイが本格的登場します。ナポレオンにも匹敵するカリスマを持ち、そして人外すぎる(半ばは伝説)のエピソードを数々誇る名将。そんな彼が満を持して登場!!

・・・酒樽の中で眠りこけているネイ将軍。何かこう勇将の初登場がこれでいいのだろうか・・・あ最初の初登場は失恋でべろんべろんに酔っぱらっていた第1話だった。でもまあある意味本作らしいといいますか。ちなみに酒樽なのはネイが元は樽職人の出身であるというこれまたきちんとした史実が元になっています。

 

〇恐怖!化け物と遭遇した不幸(BY オーストリア兵)

いきなりのグロテスク画像でリアルペシャンコになった顏がいきなりカラーで登場!!恐怖におののくオーストリア兵たち。いやつうかこんなのグロ過ぎる、カラーで巻頭に来た時の衝撃は半端なかったのではないでしょうか。そしてその現場に出くわしたオーストリア兵たちもまた次々に顔をぺちゃんこにされてしまいます。一体どんなバケモノが?

 

舞台はパリに戻り、ナポレオンが次から次へと将軍たちにインタビューする形式。ここでネイの人柄とエピソードが紹介されていきます。マッセナからの評価は★が3つという微妙なモノ。勇猛で兵士達をどんな状況においても救い出すカリスマ性も併せ持ち、兵士達からの人気も厚い。いやマッセナからの評価はだからこそ危ういというもの。マッセナの部下だった時の頃、スイスで負傷兵を置き去りにした時のこと。

ネイは僅か数人の部下とともに敵中にひき返し、負傷兵全員を連れ帰ったことがありました。自力では動けないほどの負傷兵すら必死に足を動かして、帰還したという信じられない。ネイには不思議なカリスマ性があると。

マッセナ「馬鹿じゃねえんだが馬鹿なことをよくやる奴だ」

もっとも酒が入ると完全な馬鹿(笑)とオチがつきますが、それにしても複雑な評価です。まあ戦場での略奪や女漁りにいそしむマッセナと戦争を神聖な場と考えるネイでは犬猿の仲であるのは史実でもうそうでして。

 

〇ぶっ飛び過ぎ!ネイの逃避行

マレンゴの戦いが終わってもオーストリアはまだ継戦による挽回を諦めておらず、なおもドイツ方面では戦争が続いておりました。最初の場面はまさにその中での出来事のこと。先のオーストリア兵たちは「酒樽」からぬっと出没する大男に次々に顏をペシャンコにされていました。

大男は「あれ?なぜ俺はここに?」ムニャムニャと寝ぼけており、居眠りしながら多数の兵士を惨殺してのけたネイ恐るべし。

実は撤退命令が出てた時にワインの樽を見つけて味見していたらすっかり酒に酔って眠りこけてしまっていたのでした。それでも一人でオーストリア軍の真っただ中にいる事実は変わらず敵兵たちが血眼になって追跡を受けますが、それも平気で突破して、敵将校を一人で抱え込みながら

ネイ「パパからもらったクラリオン♪」

とまあ口ずさみながら出る世界を間違えたのではないか?という疑惑が拭えないネイの活躍ぶり。冬のドイツを肌を露出させながら、崖から飛び降りたり、真冬の河を渡河すしたり、後のロシア遠征での神がかった活躍の片鱗をのぞかせています。それでいて捕虜にしたオーストリア将校の体調を心配する彼に捕虜になった将校も半ば呆れながらその人柄に惹かれてしまったのでした。

帰営したフランス軍司令部では上官であるモローに対しても「酒を飲んで退却しそこねた」と馬鹿正直に報告するネイ。

モロー「・・・・聞かなかったことにしよう」

ネイ「退却中に飲んだくれていました!!」

モロー「分かった。貴様は後で処分する」チッ

と無かったことにしようとするのに本当に馬鹿正直に報告して処分を受け入れようというやりとりは最高に笑えます。本当に人として規格外であり、だからこそ多くの人が惹かれてしまうのでしょう。捕虜となったオーストリア将校も「ネイ将軍への敬意から話したくなるが、仲間が死ぬのでできない」と自殺を図るのですが、それを阻止して放り出してしまうネイ。将校はネイへの最後の義理として「ヒント」を与えて去って行ったのでした。その「ヒント」を読み取り、モローとネイ、彼の友人であるグルーシーはオーストリア軍の意図を洞察して見事に勝利を収めることに成功したのでした。こえrが1800年12月に起きた「ホーリエンデンの戦い」であり、この戦いで決定的敗北を喫したオーストリアは遂に継戦を諦めて、和平路線に傾くことになった戦いなのでした。そして勝利の立役者となったネイですが、道中で解放したあの将校が森の中で凍死体となって再会するのでした。

ネイ「君は立派な兵士だ。俺は心から尊敬する」

 

グルーシーがナポレオンからネイについて尋ねられる場面に戻り、ここまでの内容がグルーシーによるものであることが明かされます。

グルーシー「私ごときでは彼を評価できません。マッセナだろうがモロー将軍だろうができない。ネイを評価できる人間などいないのです。馬鹿かと思えば賢く、厳しいといえば優しい。大胆かと思えば繊細。いずれも計りかねる彼は規格外なのです」

これでナポレオンはネイについて興味を抱くようになり、そして彼が下した★評価は・・・

 

創作話なのですが、ネイの場合は本人がぶっ飛んだキャラなので、どこまで史実でどこまで創作かわからない。そして全てにおいて規格外のネイの活躍はいよいよこれからとなります。