〇島左近ゆかりの山城

石田三成の家臣である島左近は「三成に過ぎたるもの」と居城・佐和山城と並び有名な武将です。もっともその正体には謎が多く、どこで生まれいつ三成に仕えたのかははっきりとは分かっていません。出自については概ね大和(奈良県)・近江(滋賀県)・対馬(長崎県)・尾張(愛知県)であり、その中で有力視されているのが大和の筒井順慶家臣「嶋左近清興」とするのが一般的で、少なくとも天正18年(1590)頃には三成の外交を補佐する有力な家臣であったことが分かっています。

 その島左近ゆかりの城と伝わるのが奈良県西部平群町にある椿井城で、嶋氏は当時ここ平群谷を支配していたとされる説や其れ以前よりの地侍である椿井氏によって築城されたという説など諸説入り乱れています。;近年の城郭研究から近くの信貴山城を居城とした松永久秀の勢力下で築かれた城ではないかという見解も登場しており、その歴史ははっきりとは分かっていません。

ある意味では島左近そっくり

 

それでは奈良県西部のこの城を巡っていくことにしましょう。

K鉄生駒駅から生駒線に乗り換えてまずは平群町まで向かいます。

竜田川はもちろん無人駅であり、案内所の類はありませんがそれでも歴史の里らしくきちんと案内板があるのはありがたい。
線路に沿って進むと「椿井城」という→の案内板があるので安心して進めます。
竜田川挟んで向こうに見えるのが椿井城の山です。
 
さらに歩いていくと道幅もせまくいかにも古道らしい光景になっていきました。
笠石仏如来像
やがて到着したのが春日神社でここがちょうど登山口にあたります。
さてここからは山登り開始。
途中には小さいですが古墳の跡も残っていました。
延々続く山道を登っていくのですが、5月だというのに暑い。今からこの調子だと真夏はどうなる?
途中で見るからに危険な斜面道に出くわしました。こういう落ち葉だらけで斜めになった道は非常に危ない。慎重に進みます。
やがて20分ほどすると堀切に行きつきました。
小さいながらもしっかりした空堀が出迎えてくれ、
南郭到着しました。
さらに向こうにはより遮断された防御力の高い堀切があり、
このようにロープを伝って登っていかねばなりません。
 
   
ここ南郭からは平群町から生駒山系がよく見通せます。
土塁跡
 
さてこの先に実は北曲輪があり、本来椿井城の主郭はそこなのですが荒廃ひどく現在は自治体により立ち入り禁止
たしかに見る限り草ぼうぼうで判別もしづらい状態で危険な状態でしたので今回はここまで。
ふもとの春日神社
 
〇アクセス
近鉄生駒線竜田川駅から徒歩15分で椿井春日神社そこから歩いて20分で南郭
 
「椿井城に狼煙が一本・・・」