
愛知県の場合は東海道線沿いの場合は開発が進んでおり、城跡としての遺構の残り具合は良くなかったのですが、逆に奥三河と呼ばれる愛知県東部の岐阜・長野県境沿いには非常に多くの山城が良好に残っています。今回その中でもっとも印象的でしたのは、愛知県豊田市市場町にある市場城でした。ここも「隠れ名城」といってもいい城で、是非ともお勧めしたい名城です。

もっとも隠れ名城の常でここはアクセスが非常に難しい。名古屋市内から列車を乗り継いで1時間程名鉄豊田市駅からバスで1時間10分前後、そこから更に30分ほど歩くことになります。しかもバスの本数も非常に少ないので事前に注意が必要です。
名鉄豊田市駅から
とよたおいでんバスに乗車して出発。ここから1時間10分ほどの旅となります。
「小原大草」バス停下車、生憎周囲にはファミリーマートのコンビニのみで民家と旅館がいくつか散在しているのですが、
ありがたいことにすぐそばに案内板があるのですぐわかります。
市場城はきちんと整備されており、遊歩道としても整備されているので非常に親切です。
「泥ぶち観音」道路沿いにある観音像
喫茶店の横の道からしばらく進んでいきます。人は勿論車もいない静寂な道です。
15分ほど歩いて市場城の駐車場に到着。
きちんと遊歩道が整備されているので登りやすい。
丁度城全体を一周できるように遊歩道が整備されており、全体としては30~40分ほどで散策できます。
随所に大型石材や竪堀も残存しており、雑草もきれいに刈り取られているので観察する者にとっては助かります。
巨石の隙間にまるで隠れるように仏像が安置していました。
竪堀跡
歴代城主の供養塔
空堀跡
櫓石垣と本丸石垣の遺構
ここ二の丸跡の石垣はかなり古い形状で天然の石垣が無理やりはめ込んだように露出した形状、
全体的に歪でまるで歪んだかのように形をして苔むした石垣が時代を感じさせます。
まさに山林に眠る古城といった趣でしょうか。
草木に埋もれた石垣
二の丸跡
本丸虎口の石垣
本丸中心部分
記録に拠れば本丸内は内部は2つの土塁で三区画に分けられています。
雨模様で霧が少しずつ漂っています。
帯曲輪跡
虎口跡
畝状竪堀群
丁度霧が上の方から漂ってきており、それが神秘的な雰囲気を醸し出しています。
枡形門
ここも古い石垣が残っており、本当に見所が多数あって1~2時間以上は見ていても損はない。
土塁
さんざ畑と呼称される3郭
城主家老の尾形三左衛門の屋敷地であったことからその名称が付いたと思われます。
「秘境」と言っても良い場所に有り、それでいて城としての遺構が良好に残っており、土塁・石垣・枡形虎口や畝状竪堀群と廃城に必要なものがすべてそろっています。本当に訪れてみて損はない城跡です。
市場城は標高380メートルの山頂から中腹に位置する山城で、室町時代から鱸(鈴木)氏一族が領有していました。文亀2年(1502)に鱸藤五郎親信が市場城を築き上げ、4代までの88年間、市場城は鱸氏一族の教条でした。鱸氏は徳川家康の下で臣従して功績をあげ、4代目・重愛は、城に新たに石垣を積み、現在に残る城郭として大改修工事を行いました。しかし家康の関東移封には従わなかったために改易となり、文禄元年(1592)に廃城となったと伝えられています。
〇アクセス
名鉄豊田市駅からとよたおいでんバス小原・豊田線でバス1時間10分(600円)「小原大草」から徒歩20分で登城口、そこから徒歩15分で主郭
「市場城に狼煙が一本・・・」