○伊達家は「福島県」出身
伊達政宗といえば「仙台の人」ですが、出身を考えるとむしろ「福島の人」というのが相応しいのかなぁと思うときがあります。いやまぁもちろん「宮城」とか「福島」というのは近代の領域なんですけどね。
さて伊達家といえば、政宗が有名ですが、その飛躍を支えたのは半世紀前の伊達家を二つに割った大乱に遡ります。伊達家14代植宗(政宗の曽祖父)が天文元年(1532)頃に築いたのが桑折西山城でした。それ以前に9代目当主政宗が室町時代に鎌倉公方と対決して籠城した館であるともいわれています。子孫の方が有名になっていますが、17代目政宗の名はまさにこの人にちなんで名づけられました。植宗は室町幕府から陸奥国守護の地位を認められ、伊達氏の全盛期を築きました。周辺の大名と婚姻を結ぶ、家法「塵芥集」を編纂するなど、奥羽随一の戦国大名となりました。しかし、天文11年に嫡男の晴宗と対立します。発端は越後の守護・上杉家に跡取りがおらず、伊達家から養子を送る案が出され、これを入れるかどうかで越後は勿論、肝心の伊達家内部で当主と嫡男が対立。先の縁戚関係から奥羽諸大名を巻き込む一大戦乱「天文の乱」に発展します。7年にわたり、両者が西山城の争奪戦を繰り広げましたが、戦乱は晴宗が家督を継いで伊達家15代当主となり、植宗が隠居するという条件で和睦が成立、この時西山城は廃城となり、伊達家は米沢に本拠に移すことになりました。(ちなみに発端となった越後上杉家への養子は没となり、結局上杉家は断絶となります。そしてこれこそが「上杉謙信」の誕生となりました)
結果的にこの大乱で伊達家は大きく力が削がれますが、家臣を中心に内部の団結力は強まり、後の独眼竜の大躍進の礎となりました。その意味ではこの城は伊達家にとって大きな要因と言っても良いでしょう。前述の通り、天文の乱後に廃城となったとされていますが、実際には秘かに城のしての機能をは維持されたようです。ここは交通の要衝であったために、有事の際には軍事拠点として利用しようと改修が続けらたそうです。現在の遺構の多くは戦国末期のものとされています。そして乱の終結から330年後、伊達家は再びこの地に陣地を設けて再び内乱に身を投じたのです。言わずもがな「戊辰戦争」の時の事でした。
○山上に拡がる広大なる城跡に圧倒される
それでは先日紹介した「陸奥金山城」の続きです。
福島に到着したのは昼前のこと。ここからもう一つの福島の鉄道線・福島交通飯坂線に乗車します。
終点の飯坂温泉駅にて下車。ここで温泉に入り、旅の疲れを癒します。
再び福島駅に戻り、今度はJR東北本線にて仙台方面の列車に乗車
桑折駅にて下車
駅舎内には地元のギャラリー会場となっています。
駅前の地図
桑折西山城は実は駅から近く、歩いて20分ほどで登山口に着きます。そしてその近くには東北本線と東北新幹線、そして東北自動車道とまさにここが交通の大動脈を扼する戦略的要衝であったことが分かります。城址へ行く前に一度桑折町役場へ行きましょう。ここに詳細なパンフレットが置かれています。
桃畑の中を突き進むと、城へ向かう大手道の表示があります。ただし一度森林内に入るのですが、ここが一種の地獄地帯。あちこちから蚊の大群が襲い掛かってくるのです。同志Tと共に駆け足ダッシュで森林を抜けるとそこは・・・
大手門跡
行く手を阻む土塁が残っていました。
そして見てください。
城跡の外観を遮る木々もなければ、雑草も生い茂らないそして広大な城の威容を!
これほど広い空間を木々が取り払われて、見学しやすい城は東北でも希有な存在と言えるでしょう。
中館跡
西館跡
中館・西館は、桑折西山城がいったん廃城となった後になんらかの理由で造り直されたぶぶんです。空堀や土塁造成などは行われていmたしが、建物は確認されておらず、いわば未完成の状態で放棄されたと考えられています。西館の桝形状虎口は石を積み上げられていましたが、城を放棄された時に崩されています。
本丸と二の丸を仕切る空堀
西舘の外側
ここから先は再び森林の樹木で覆われています。
西館にもうけられた石垣跡
小さな石がそのまま積み上げられた古い形式です。
道が整備されて、段々状に設けられた曲輪が鮮明に残っているので全域探索するのは骨が折れるという嬉しい城です。
歩き甲斐のある城です。
二の丸跡
登山口から歩いて25分、遂に本丸中心部に到着しました。
本丸中心部には、何度も建て替えられた大きな建物がありました。伊達氏が儀式や接待をおこなう「会所」と呼ばれる建物があったと見られています。
本丸から大手道を下りていくと台場跡があります。
ここは戦国時代とは別に、幕末に設けられた遺構となります。子孫の仙台藩はここに砲台を設け、奥州街道めがけてその砲口を向けていました。
○アクセス
JR東北本線桑折駅から徒歩20分で登城口、本丸まで徒歩25分
桑折町役場にてパンフレット有。
「桑折西山城に狼煙が一本・・・」




























