先週、夏休みでの関東への遠征へ行って参りました。初日は秋に予定しているテーマに向けての取材でしたのでここではまだご紹介できませんが、まさかリアル『の○○の城』を体験してしまうとは思いもよりませんでした。ここでは2日目の一幕をご紹介します。
○関東地方に残存する市街地の城
関東地方は平城の場合はそのまま市街地へと開発されている場合が多く、城郭では建物はおろか城の縄張りそのものが残存しているケースはなかなかありません。これは東日本では石垣の城が少なく、土塁が主流だった為に破壊が容易だったのではないかと想像していますが、土浦城はその数少ない城の一つです。
土浦は現在では開かれた市街地となっていますが、かつては霞ケ浦を通して太平洋とつながる水運の要衝でした。

赤○部分が土浦
土浦城は戦国時代から小田氏、佐竹氏と勢力下の城としてありつづけ、関ヶ原戦後は徳川譜代の入封地としてありました。その間に城の整備は進められ、特に松平信興の貞享2年(1685)に「山本勘助新図」すなわち甲州流軍学によって改修され、現在の形になりました。最後に入封したのが土屋氏。その先祖は武田家滅亡の際に多くの武田家臣が離反する中で最後まで当主・四郎勝頼に付き従った土屋昌恒で、その忠誠を称賛した徳川家康がその遺児を取り立て、譜代大名となりました。
その後明治の廃藩置県後に多くの建物が取り壊され、また水害の地であったためか幾たびか破損・修復がなされ、現在では「亀城公園」として主郭部が残存しています。
○訪問記

水戸から常磐線で何かして50分余り、11:53に土浦駅到着。改札口を出てすぐの場所に観光案内所があります。ここで情報を収集して、向かいます。歩くこと15分
駅前や主要幹線は近代化されていますが、少し路地裏に入ると結構古いかつての町並の面影があります。こちらは観光案内事務局のある土浦まちかど蔵・大徳
かつての城へつながる道でこの辺りで入城する人間のチェックが行われていました。
裁判所の建物わきを通っていくと
(旧前川口門)
1862年幕末に建てられ、ここで城と町屋を区切る門でした。
一時移築されていましたが、1981年に現在の場所に戻りました。
ここからは「亀城公園」です。
二の丸跡。
わずかに土が盛り上がっている部分が土塁の名残です。
このまま進むと水堀が見えてきました。
土浦城は前述のとおり、甲州流軍学による屏風折と呼ばれる曲がりくねった形状をしていましたが、戦後の公園整備に伴い直線状の土塁や堀の形状に改編されてしましました。ちなみに土塁基部に見える石垣も当然、後世の改変によるもの。水害が多く、その当時は「やむを得ない」だったのでしょうが、ちょっと残念・・・。

案内板より
かつての江戸時代の頃
現在の亀城公園
土浦城の最大の見所
「太鼓門」本丸にある現存の櫓門です。2階には太鼓を置き、時を知らせる役割を担っていたことからその名称で呼ばれていました。
二階部分には四面に窓がある点は非常に珍しい希少な櫓門です。
櫓門をくぐると本丸部分
本丸土塀、石落とし・鉄砲狭間・大筒鉄砲が設置され、防御施設であると共に城を象徴する部分です。
四方を高い土塁で囲まれ、まずは東櫓に入ります。東櫓は明治時代に焼失しましたが、焼失以前に撮影された古写真をもとに平成10年(1998)に木造で復元されました。東櫓は江戸時代の建築技術を継承しながら現代工法も取り入れて、土浦城市立博物館の付属展示施設として公開されています。
ちなみに料金は博物館と共通で105円!

2階部分からの展望


東櫓傍の霞門
西櫓
こちらは昭和まで現存していましたが、昭和25年(1950)に台風で損壊して、解体されました。平成3年(1991)に復元されました。
残念ながら内部は公開されていません。
城の外は公園として動物園も併設されていました。

本丸部分を出ると曲がりくねった形状の土塁。恐らくは旧状を留めている部分ではないでしょうか?
最期に土浦市立博物館で見学します。但し、残念ながら城に関する資料類は簡単なパンフレットのみ。せっかく続・日本100名城に選出されたのだから、ここらへん改善してほしいものです。
内部では土浦の歴史が展示。特に多かったのは「水」に関する部分。特に台風による水害等に悩まされた歴史が特別コーナーを組んで紹介されていました。
1時間ほど散策と博物館での見学を終えて、岐路につきます。
土浦城は関東でも数少ない櫓・門などの建造物がまとまって城としての形が残った城です。市街地の中央に位置していながら、(改変されているとはいえ)駅から15分の近距離でしからも平城ですので訪れやすい城と言えます。
○アクセス
JR常磐土浦駅から徒歩15分
東櫓・市立博物館
開館時間 9:00~16:30
入館料 105円(市立博物館共通)
休館日 月曜・祝日翌日(翌日が土日の場合は開館)
年末年始(12/28~1/4)
資料 市立博物館にパンフレット有。
「土浦城に狼煙が一本・・・」