夕刻の山手線
若干の混み具合に運良く座れた私の前に、老人がうだるようにつり革に
ぶらさがる。
気になったので席を譲った。
「冗談じゃねえ」かつおぶしでもすったようなかすれた声で断言。
立ち損じな感はありながらも、行き場を失った私が座っていた
空いた席を更にその隣に立っていたやや老人に座るよう促した。
やや老人は
丁寧に私にお辞儀をし、腰を大事そうに抱えながらゆっくりと座った。
はじめに断った老人が、つり革にもたれながら
私の譲った席にゆっくり座る老人に向かって
「なさけねえ」といいはなった。
西日が電車にこだまする・・
人間素直が一番。
