夜中 すすり泣く声で目が覚めた
あまりよく眠れないのでちょっとの音でも目が覚めてしまう
お隣女子が痛みで眠れないのか、痛いと小さい声で言いながらすすり泣いていた
そばにいって背中をさすってあげたいと思った
でも、ここは病院。
自分のことを治すのを一番に考えること
もし私が行ってほかの人まで目を覚まさせたらいけないし、ほかの人も同じ気持ちかもしれない
お隣女子だってひとりで泣きたい夜もあるだろう
起こしてしまったとガマンするかもしれないし・・・
お隣女子の声がきこえなくなるまで心配で起きていた
朝、お隣女子に会ったらいつもの笑顔だった
ほっとしたけど、心配なのには変わりなかった
お風呂入ったのかーとか先生来たのかーとかいつもの話をして
シャワーに行くとき「全身マルっと洗ってもらってこーい」と送り出した
手が不自由だから看護師さんに洗ってもらうらしい
全身って・・・年頃だからなあと思ったりもした。
私も相変わらずシャンプーしてもらったり身体を拭いてもらったりして清潔は保っている
ある日、ベリーショートの看護師さんに「ねこちちさんぐらい短くしようかな」と言われて
はいはい 慰めありがと とか思っていたけど違った。
他の看護師さんにその話をしたら、あの人いつもほぼ坊主だから本気でしょうねと言われた
なんなら今すごい長いぐらいですよ と。
そうか、もう私の髪は6cmぐらいあるから坊主ってこともないし、ベリーショートだったらありえるのか
鏡を見ながらそうかーもうそんな伸びたかーとしみじみ頭を撫でてみる
きれいになって帰ってきたお隣女子に「お さっぱりしたかー」と声をかけたらにこにこしていた
夜泣いていたことなんて私の夢だったみたいに笑顔を見せているけど、あれは夢じゃない。
いてもたってもいられなくなって、洗い立ての頭をわしわししてやった
早く治ればいいなあと心から思う
そうしているうちにまた一人お部屋に入ってきた
どこかから引っ越しをしてきたみたいな感じだった
お散歩の途中 廊下で出くわしたので声をかけてみた
どこかの病棟からお引越しかと思ったら、救急病棟から上がってきたとのことだった
突然職場で事故にあって、救急へ運ばれて2日ぐらい処置で集中治療室にいて
やっと一般病棟に移れたのだとか。
えええ 大変だったねえと言って、ちょっと話した。
私の髪が気になると思ったから、薬で抜けちゃったけどやっと生えてきたと言ったらちょっとびっくりして、困ったような顔をしていた
ボッサボサだからなあ。
頭の治安があんまり良くないんだもん
変わった人だと思われないように解説は必要。
とりあえずなにか困ったこととかあったらいつでも言って、足りないものとかない?とかおせっかいを焼いてみる
うっとうしいと思われてはいけないとハッとしたけど、その後顔を合わすたびに話しかけてくれたので嫌がられてはなかったよう。
反対お隣さんも仲良くなって、結局お部屋がみんな仲良くなった
なにかあると部屋の真ん中に寄り集まって話こんだり、リハビリ行く人や処置に行く人にいってらっしゃーいしたり。
短期間のお付き合いだから気が楽なのもあるけど、本当にいい人ばかりで恵まれていたと思う。
本当はあまりすべきではなかったのかもしれないけど、みんな自分が入院したきっかけとかを話しだして
励ましたり、慰めたり、労ったりしていた。
寄宿舎みたいですごく楽しかった。
でも、家に帰ったらひとりになることを思ったらさみしくなってきた。
仕方がないのにさみしくなった。