ついに ついにこの日が来たわ

 

朝の乳腺白い巨塔

また学生が来たけど また傷も胸もろくに見ないでいた

おまいら そのまま医者になると自分が恐ろしいんだぞ

 

形成外科受診の呼び出しが来た

鼻歌混じりに外来へ行く

そして胸を見せて すぐに横になるように言われた

なにかがべりべり剥がされる音がしてるのになんの感覚もない

たぶん防水テープが剥がされた音だな

「うん 傷もいいね じゃあドレーン抜くね そのまま」

皮膚が引っ張られるような痛みの後

身体の中からずるずるずるっとなにかが出るような感覚

思ったよりも長いものが入っていたような感覚

痛みはまったくないのが不思議

抜けた・・・と放心状態でいたら

「もう少しそのまま」

なにをしてるのかわからないけどなにかの作業が行われたよう 起き上がると胸がめちゃくちゃ重い

「お水 入れました?」

「ちょっとだけ入れた また次に様子見で入れるかも」

 

胸重い・・・

それにエキスパンダーの違和感が水が入っただけでうんとましになったような気がする

胸ってこんなに重いんだっけ

ついこの前まで胸があったのにもう忘れてる

 

ドレーンの抜いたところは絆創膏が貼ってあるので お風呂で剥がして良し

お風呂でシャワーできれいに流し 石けんを泡立てて丁寧に洗う

次の診察までの数日 優肌絆等を貼ってもよし

傷口はまだちょっとぐちゅぐちゅしてるところもあるので次の診察までそのままで

「なにか聞きたいことある?」と言われたけど ドレーンが抜けたことで心軽やかで今はなにもなかった

次の診察までにブラジャーを持ってくるように言われた

買いにいけるだろうか。。。

 

お礼を言って 予約票を待つ間 外で待っていたら

私のバストバンドを見て 涙を浮かべたキレイな女性がひとり駆け寄ってきて

手をきゅっとされ「頑張ってね ね 大丈夫だから ね」と言ってくれた

乳がんサバイバーの方なのかな

「ありがとうございます」と笑顔で言ってみる

私 ドレーン抜けたところでめちゃくちゃ気分いいんです とは言わなかった

 

帰りにコンビニに行って オロナミンCを一本買って

談話室みたいなところでひとり祝杯した

明日 退院かぁ

 

今日は全身シャワー解禁されたので 帰り道にお風呂の予約をする

シャンプーも自分でできるので早めの時間で予約した

 

部屋まで帰るときになじみの看護師さんに出会った

「おっと? なんか身軽になって帰ってきてるんじゃない?」

「ドレーン抜けました!」

「おめでとう!!退院ね!!」

もう スキップしそうなぐらい もしかしたらしてたかも

洗面室の前でもうひとりの看護師さんに「おー 抜けた???」

「抜けました~ お世話になりました」

一緒にいた看護師さんたちも 喜んでくれた

 

部屋に帰って 帰る支度をしておく

振り返ったらあっという間だったような

でも その間に胸全摘してるなんて なんだか現実じゃないみたい

そうこうしている間に入ってこられたお部屋の仲間が2人のうちのおひとりが

手術を終えて帰ってこられた

今夜を過ぎればうんとよくなるから どうぞ頑張って

 

お風呂に入ってさっぱりしてスキンケアしていたら乳腺回診

「おおお ドレーン抜けましたね」

「おかげさまで。エキスパンダーの痛みもお水が入ったことでなんだかマシになった気がします」

それは初耳。。。とみんなで驚いた顔をしている

「術後病理の予約は早いほうがいいですか?」と言われ できるだけ早く とお願いした

 

ちっこ先生は退院後のケアを再度確認して

お薬を塗って帰っていった

 

明日 退院なのね