術日の夜

何度も看護師さんが来てくれる

痛み止めを点滴に入れてくれるんだけど

すごく楽になる薬とそうでないのがある

すごく効いたほうをずっとにしてほしいけどそうはいかないんだろうか

 

明け方 酸素マスクを外してもらって

お水を飲ませてもらった

そして そこからまた深い眠りに落ちた

 

電気がついてみんなが朝起きる音で目が覚める

痛みで起きるのがつらいのでそのまま横たわる

ティッシュエキスパンダーを入れた乳房再建をしているので

ぎっちぎちに胸帯を巻かれていてしんどい

ここでドレーンが2本出ていることに気づく

 

朝ごはんの時間になって看護師さんが朝ごはんを持ってきた

いや 食べられないわ と思ったけど 食べないと点滴が抜けないし

尿道カテーテルも抜いてもらえないので無理やり食べることにした

 

お水をまず飲みたいと口に入れたら盛大にむせる

気管挿管と麻酔のおかげで液体が飲めない

でも固形物はすいっと入る

だから朝ごはんのパンは飲みこめる

でも水がまったく飲めない

ストローでうんと下向きになって飲んでもだめ

 

私がむせちらかすごとにお隣のおばさんがびっくりするのがわかる

ごめんなさい 私もなんとかしたいんです

 

むせると傷もあちこちも痛いので途中でごはんもやめにした

おまけに喉が痛くて声が出ない

しわがれ声がすごくて これ元に戻るんか?元のフェアリーヴォイスに戻るんか?と思った

 

乳腺外科回診。

傷を見ていく。

痛みがすごいのと喉が痛いのとむせることを必死にしわがれ声で訴える

初めてあった医師なので私の声を知らないのでしわがれていることがわかるだろうか

むせることを非常に警戒しているくせに様子を見ましょうと言われた

結局 なにもせずに帰った

帰りに締めていった胸帯がきつくて痛い

 

形成外科回診。

ちっちゃい女性の先生がきた。

開口一番「あ!いい顔してる!」と明るい声で言ってもらえた。

傷を見て うんうん きれいね とほめてくれる

あれ?そういえばこのちっこい先生 以下ちっこ先生は昨日の夜もきてくれたような

そして「今の傷を使って自家再建もできるからね」とささやき女将していかなかったか

術後の夢うつつで覚えてないような覚えているような

胸帯 きつくてしんどいね と緩めてくれた

 

10時ごろ

男性看護師に交代の挨拶が

それから今日の予定として

・立ち上がる

・病棟一周

・カテーテル抜去

・カテーテル抜去後の尿の採取

という術後1日目としてはハードなスケジュールを言い渡される

 

さあ と促され めっちゃくちゃ痛いのに立ち上がり その場で足踏み

「しっかりと立ててますよ」と座らされる

で 術後のずるっずるな大きめズボンが下りてくるのを留めてもらって

病棟を一周一緒に歩く

「大丈夫 しっかり歩けてますからカテーテル抜きますね 女性の看護師を連れてきます」と配慮してくれた

ちょっと歩いただけで息切れがすごい

 

それからしばらくして女性の看護師さんがカテーテルを抜いてくれたのだけど

その後 麻酔のせいか緩みのせいか おしっこがどばどばと出て下着とパジャマが汚れてしまった

気持ち悪くてなんとかしたくて 枕元に置いてあった下着になんとか着替え 新しいパジャマに交換した

 

やっと自分で歩けるようになったけど、点滴棒を借りてドレーンポシェットを引っかけ

めちゃくちゃ気持ち悪かったので歯磨きをした

歯磨きをして 顔を洗ったら人心地ついた

やっと人っぽい感じになった

めっちゃくちゃ痛いけど 余りあるほどにさっぱりした

 

ただ なにかするだけでめちゃくちゃ疲れる

トイレに行くだけで息切れがすごいうえにしばらく寝ていないと回復しない

なのに また食事の時間が来た

食事はフルカロリーなものが提供される

お魚のパン粉焼に鶏肉のカシューナッツ炒め 酢の物

米がまずい以外は満点 半分食べた時点で体力がつきてしまう

 

その後 熱いタオルで身体を拭いてもらってスッキリして昼寝をした

ものすごい寝た

気付いたら晩御飯だった

でも食べた

 

夜の乳腺外科回診

また痛みと誤嚥を訴えるもなにもせずに帰ってしまった

胸帯を思いっきり締めるので息ができない

 

ちっこ先生の回診

薬を塗ってくれて 胸帯がガッチガチになっているのをみて

「苦しくないように緩めでいいからね」ってふんわりしてくれる

抗生物質が処方されていないのに気づいて処方するねと言って帰っていった

 

教授の夜の回診

乳腺の教授はいつ寝とんねんってぐらい朝早くて夜遅い

でも いつも柔らかい表情で毎朝毎晩来てくれる

お会いするだけでちょっと良くなる気がする

不安なことわからないこと全部きいてくれる

お坊さんみたいな人