目が覚めて

あ。今日手術なのか。としか思わなかった

相変わらず怖いともなんとも思わずに淡々と顔を洗って歯を磨く

朝食は抜き

6時までに生理食塩水を飲み干し なんなら持参の水を飲む

 

看護師さんが6時にきて生理食塩水のチェックとこれからの飲食不可を確認

9時からの手術なので8時45分ごろに迎えにきますね とのこと

医師の回診 もう一度術側・術式の確認

 

時間までただ心が無になったまま過ごす

 

時間が迫ってきたら怖くなるんだろうか と思ったものの

それもなく送り出しの看護師さんがお迎えにきてくれて

下着の確認とかして出発

とことこ歩いて向かう

 

手術室まで看護師さんがいろいろ話しかけてくれた

手術は初めてか、とか

緊張してますか?とか

この人たちにとってはこれが日常なんだなあと思った

手術をする人と日常的に会う仕事

世の中にはいろんな仕事がある

 

手術室は大盛況でどんどん人が出てきて

前室に人は溢れ 先着順で消えていく

こんなに手術って行われているんだなあと思う

まさか自分が手術される人になるなんて

 

ほどなく執刀医が挨拶に来た

よろしくお願いしますと挨拶をして 執刀医にいいことがあった日だと知り

なぜか私の手術チームだけ 拍手でおめでとうございます!とか全員で言ってたら

ほかのチームから変な目で見られていた

そりゃそうか。

 

送り出しの病棟の看護師さんと別れ オペ室看護師さんに引継ぎ 揃ったところで手術室へ

名前と生年月日をもう一度確認してふわふわとしたベッドに横になる

あたたかくて安心する

みんなテキパキと段取りをして 看護師さんがその間もリラックスさせるように話しかけてくれる

「眠っている間に全部終わってますからね」

はい と笑顔で言ったつもりが 涙がぽろぽろ出てくる

大丈夫 と涙を拭われ 点滴が入り 酸素マスクがつけられて

「はい 眠りますよ」と言われたかどうかで目がくるりと回った気がしたら

 

「終わりましたよ~」の声で起こされた

 

体感2秒だった