エコー検査当日

毎回要精密検査になるのでエコーは慣れている

慣れているけども今回は気持ちが違う

カテゴリー4を抱えている

地方自治体実施のマンモグラフィーの画像が入ったCDを受付で渡し

検査着に着替えて待つ

ほどなく診察室に呼ばれ 椅子に座ると先生が画像をじいっと見ている

私も一緒に見る

あ。と声が出そうになるのをこらえる

 

毎回見る自分のマンモグラフィー

でも 今回のマンモグラフィーは素人の私が見ても異変があった

前までちらほらだった石灰化の粒の量が違う

多いし広範囲に分布している

木の枝みたいに広がる白い粒々

 

これは

今回こそだめかもしれない

カテゴリー4の回答も納得がいった

それも一目見ただけで

 

先生も画像を見たまま黙っている

「増えてます」ぽつりと私が言う

え?と先生は私を見た

「この石灰の粒が増えていますし広がっています」

そうですか、と優しい声で先生は言う

前のマンモグラフィーの画像がうちにはないので、比較はできないけど

そう思いますか と言ったまま 先生は少し黙ってしまった

エコーで見てみましょう なにかわかるかもしれないし

そう言ってベッドに横になることを促され エコーを受ける

マンモグラフィーだとこのあたりだからしっかり診るねと念入りに機械を当ててくれるものの

エコーにはなにも映らなかった

石灰化はエコーでは映りにくいものだから

そういってもう一度診察の椅子に座らされる

 

「大きい病院で診てもらってください。紹介状を書きますから」

 

あ、だめなんだ。

やっぱりだめなんだ。

乳がんなんだな

なんとなくマンモグラフィーの画像を見たときに覚悟ができた気がする

 

着替えをして受付で待っていると予約のできる日が12月28日か1月4日を選ぶように言われた

早いほうがいいのだけどお正月を妙な気持ちですごしたくないというのと年末は予定が入っていたので1月4日にしてもらった

まだお正月休みのうちだし仕事を休む必要も予定も入れていなかったし4日は都合がよかった

 

病院を出て上司に連絡をする

検診に引っかかったことは言ってあったし

大学病院に行くことになったとなると半休を取ったりする必要があるので上司にはそれとなく相談はしてあった

 

「やっぱり大学病院で検査をすることになりました」と電話をすると

そうか まあ大丈夫だと思うけどちゃんと診てもらって。とのことだった

上司も2度のがんを乗り越えているから相談はしやすい

 

結局 年末年始はどんよりとした気分で過ごし

あっという間に大学病院での診察日になった