大企業の技術開発を障がい者向けに活かす 木下 健悟さん(6/5)

 

株式会社リコーが、聴覚障がい者向けコミュニケーションサービスを開発・提供している。その名も『Pekoe(ペコ)』と可愛らしく、People+声(koe)で「みんなの声」という造語だそう。
遠隔会議の音声をリアルタイムに文字化できるとともに、画面共有している資料と並べて表示することができ、かつ仮に文字の誤認識があったとしてもその場で修正できて、最終的には会議録の形にもなるという便利なツールだ。

 

ツール開発の起点は、会議用の『インタラクティブホワイトボード(電子黒板)』。音声認識の機能を追加する開発が進められていた。そんな中で、手話通訳の手配をしていた社員が聴覚障がい者向けに活用できないかと提案したことが、『Pekoe(ペコ)』が誕生するきっかけになった。
そこから開発チームが社内の聴覚障がい者へのヒアリングを始める中で出会ったのが、社内の別部署にいた木下さんだった。木下さんはストレプトマイシンの副作用により聴覚を失い、現在は聴覚障がい3級である。声がかかるや、勤務時間の一部(20%)を使ってやりたい仕事にチャレンジできる社内副業制度を利用し、「一緒に活動したくて手を挙げた」。
さらに翌年2020年には、『Pekoe(ペコ)』開発チームは新規事業として社内のアクセラレータープログラムに応募し、見事採択される。会社としての支援体制が整ったところで、木下さんも「正式に100%異動した」。

その後、木下さんをはじめ「社内の“聞こえない人”が意見を加えていった」結果、多くの機能がアップデートされていった。社内トライアルには30名が登録し、2021年には社外トライアルで約40社に利用してもらい、その後2022年8月に『Pekoe(ペコ)』は正式にテスト販売された。

今年4月1日に「世田谷区手話言語条例」が施行されたことを契機に、同区をホストエリアとするラグビーチーム『リコーブラックラムズ東京』による試合で、『Pekoe(ペコ)』を使ったスタジアムMCの声のテキスト配信が始まった。

(サイトより引用)

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リコーの組織力もすごいですし、そこで力を発揮できた木下さんという人がいたのもすばらしい!です。

音声認識の精度向上で、いまは聴覚障害者向けのターンが来ていること、感じます。他の企業、グループでも期待しています!