視覚障害者への「合理的配慮」 職務質問巡る訴訟で指摘 原告夫婦「健常者から対話を」(東京新聞 6/13)

 

視覚障害者への職務質問を巡り、神奈川県警の対応の違法性を認めて27万5000円の損害賠償を命じた3月の横浜地裁判決。障害者差別解消法が定める合理的配慮のあり方が争点となり、判決は健常者の側が積極的に情報提供をする必要性に言及した。被告の県側が控訴し、訴訟は続いている。

判決は、2019年10月に磯子署員が夫婦宅で職務質問した際、承諾を得ずに居室内まで立ち入ったことを違法と認定。就寝前で下着姿で対応した夫に対し、女性警察官がいると伝えなかったことについては「人格権を侵害した」と踏み込んだ。
訴訟では、夫婦が署員に合理的配慮を求めたかどうかを巡り、双方が対立した。障害者差別解消法は、配慮の義務が生じるのは「社会的障壁の除去を必要としている意思の表明があった場合」と規定しているからだ。
県警側は「夫婦は具体的な意思の表明をしておらず、義務は生じない」と主張。一方、夫婦側は「何人の警察官がいて、どこに立っているのかも分からなかった」として、意思を示すための前提を欠いていたと反論した。
判決は、障害者に配慮すべき事項が明白な場合などには、具体的な要望が無くても義務は生じると指摘。その上で「下着姿を見られることに羞恥心を感じる可能性は容易に想定できた」として、衣服を着るかどうか確認するなど必要な対応を怠ったと結論付けた。室内への立ち入りに当たっても、警察官の人数や性別などを説明するべきだったと断じた。

障害者差別解消法に基づき、政府が策定した基本方針は、障害者本人による意思表明がない場合でも「社会的障壁の除去の必要が明白な場合には、配慮を提案する建設的対話を働きかけるのが望ましい」と明記している。合理的配慮の提供義務は4月から民間事業者にも広がったが、飯野さんは「意思の表明がなければ、何もしなくていいと誤解されがちな現状もある」と説明する。

(サイトより引用)

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「意思の表明がなければ、何もしなくていいと誤解されがち」、これ大事ですね!

意思の表明ができない状況、表明が必要なことに本人が気づいていない状況もあり得ます。

障害のない側の判断だけで進めることは、違法である可能性、社会の中で共通のルール、理解となってほしいです!