遺伝性難聴で新たな臨床試験開始。聴力回復への期待と聴覚障害者コミュニティの懸念(WIRED 10/30)

 

 

AkouosとDecibel Therapeutics(ともにボストンに拠点)、Sensorion(フランス)の3社はいずれも変異のないOTOF遺伝子のコピーを内耳へ届けることを目指している。1回の投与で効果が持続するように設計されている。

赤ちゃんの難聴の原因のうち、遺伝的原因は50%~60%を占めており、その8%ほどがOTOF遺伝子変異によるものである。米国、英国、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアでは、約20,000人の患者がいるとされている。この遺伝子の変異をもつ人は、聴覚に必要な主要たんぱく質のひとつであるオトフェリンが欠乏する。

細胞にOTOF遺伝子を導入するには、耳の後ろを小さく切開し、内耳の螺旋状の部分である蝸牛に注入する必要がある。これは人工内耳を入れるのと同じ場所である。

2014年Novartisの臨床試験は、損傷した細胞の周りにある支持細胞を新しい有毛細胞に変える遺伝子を送達することを目標とした。だが、参加者の聴力は有意な向上を示さなかったことがわかり、同社は2019年に研究を中断した。

参加者の多くは高齢で、すでに重度の難聴を患っていたため、有毛細胞に変化する支持細胞が少なかったのだろうとラスティグは言う。

(サイトより引用)

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難聴の赤ちゃんの約5%程度がOTOF遺伝子変異によるものなんでしょうか。

手話へのアクセスを制限することについても触れており、目配りのできている記事だと感じます。