72分間驚きっぱなしの『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』。昨年のヒット作『silent』との圧倒的な違い(ステラnet 12/20)
『デフ・ヴォイス』は、尚人とろう者の支援者らが活躍する“職業ドラマ”であり、ろう者やコーダ、手話や支援について考えさせられる“社会派ドラマ”であり、ろう者の絡んだ過去と現在の事件をめぐる“ミステリー”であり、尚人と刑事・何森稔(遠藤憲一)らが犯人に迫る“サスペンス”でもあり、尚人の育った家族や恋人・安斉みゆき(松本若菜)と娘をめぐる“ホームドラマ”でもある。
そんな主に5つの要素が楽しめる濃密な脚本に対して、演出は限りなく繊細。落ち着いたトーンでまとまっているため、あわただしいムードは一切ありません。
その脚本・演出以上に驚かされたのが、“見知らぬ俳優”たちの演技。
幼いころからコーダの尚人を見守ってきた冴島素子役の河合依子さん、事件の容疑者・門奈哲郎役の榎本トオルさん、中途失聴者の弁護士・片貝俊明役の小川光彦さん、尚人が法廷での手話通訳を担当する菅原吾朗役の那須英彰さん、尚人の兄・荒井悟志役の田代英忠さんら初めて見る俳優が草彅さんと対峙する重要な役に起用されていたのです。
20名近い(エキストラも含めると30名以上)ろう者、難聴者、コーダの役を当事者が演じている。これだけ主要キャストを務めるテレビドラマは見たことがありません。
ちなみに『silent』(フジテレビ系)には、春尾正輝(風間俊介)の手話教室同僚役で江副悟史さん、桃野奈々(夏帆)の友人役で那須映里さんがろう者の俳優として出演していました。ただ、やはり『デフ・ヴォイス』のような主要キャストではなく、作品の中で手話のレベルを担保するような感があったのです。
彼らの役は、主人公を演じる草彅さんは別格としても、遠藤憲一さん、松本若菜さん、橋本愛さん、和田正人さんら有名俳優の役と同等以上に大切な作品の要であることは間違いないでしょう。それが『デフ・ヴォイス』における最大の驚きなのかもしれません。
ろう者の俳優でなければ表現できない表情や手話などがあるのも事実でしょう。社会派を謳い、リアリティを追求した作品なら、「ろう者役はろう者の俳優が演じる」のがベターであり、それは当事者だけでなく、制作を支える指導・考証の人々にとっても悲願のようなものにも見えます。
手話通訳士技能認定試験の会場外の会話
※『silent』のヒットで“手話ブーム”がある中、厳しい現実
ファミレスの場面
※大した悪意なく放たれる偏見や中傷が当事者を悩ませる
尚人は、子どものころ医師から受けた「父親が余命半年」という宣告をろう者の母親に通訳したことを思い出した。
※コーダとして生まれてきた宿命と役割の重さ
門奈の事件調書。
※実在しかねない聴覚障害者の不利益とえん罪
10歳で聴覚を失った弁護士は、母親を落胆させないために頑張って司法試験に合格したが、その母親から「ああ、これで耳さえ聞こえたらねって」と言われてしまった。
※最も愛すべき存在からも理解されず、傷つけられてしまうこともある
尚人とみゆき。
※聴者同士のほうがむしろ「わかり合おうとしない」ことが多いのかもしれない
これらの考えさせられるシーンが『デフ・ヴォイス』の社会派ドラマたるゆえんでしょう。なかでも特筆すべきは、聴覚障害者を「不運」「悲劇」「かわいそう」と感じさせることなく、フラットな目線で描いていること。
聴者を感動させるために聴覚障害者を消費するようなニュアンスは一切なく、それもまた、ほぼ感動と恋愛に絞った『silent』との大きな違いと言えるところなのかもしれません。
(サイトより引用)
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長い引用になってしまいましたが、もっと紹介したいです!
ぜひ原文をお読みください。
とてもよく整理いただいていて、オガワも感動を新たにしました!
理解を深めさせていただき、ありがとうございます。評価がうれしいです!
これまでできなかったことの一部を担うことができたなら、新しい扉を開くお手伝いができたなら、オガワ身に過ぎるうれしさです!
