(天声人語)85%の価値(朝日新聞3/5)
大勢のろう者が手話でおしゃべりする中に一人でいたことがある。線香花火がはじけるように手や腕が動く。近況を伝えているのか、手話の分からぬこちらは立ち尽くすしかない。世界はぐるりと反転し、「障害者」は自分のほうだった。障害って何だろう▼そんな疑問を思い出したのは、井出安優香(あゆか)さん(当時11)を巡る損害賠償訴訟の判決を読んだからだ。少女が将来得たはずの収入が争点となった。
判決は少女に障害があったことを働きにくさの理由とした。
環境やルールが変われば、「障害」という概念はぐるりと変わる。
(サイト、紙面より引用)
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大阪地裁の不当(と思える)判決に、天声人語でも反応しています。社会モデルからの意見、全く同感です。
人語氏は「判決の一節が色あせる未来へ。手がかりは見えている」とまとめています。
多くの方に読まれる天声人語で、この主張はとても心強く感じます。