2月2日、栃木県の那珂川苑で全難聴関東ブロック研修があり、

講演「難聴と認知症」中川雅文氏(国際医療福祉大学病院)を拝聴拝視してきました。

以下講義のメモ書き。エッセンスお伝えできればと共有します。

 

1)認知症有病率

80-84歳で24.4%、85歳以上で55.5%。

ちなみに平均余命を見ると、30歳以上の方は80歳以上生きる時代。

私たちはがんにかかるよりも、認知症患者として生きる可能性が高い。

予防はできる。

 

2)難聴有病率

80歳以上で84%が難聴。

(第六次調査(2008-2010)参加者における難聴有病率)

 

3)認知機能はなぜ衰える?

頭部外傷、脳血流の不足、循環障害、脳の老廃物、感覚入力の不足

(即、認知症ということではない)

A)頭部外傷

スポーツによる頭部外傷も懸念。某スポーツ協会のトップや元ボクサー等。

頭部外傷により脳血流が不足したり、脳に老廃物がたまりやすくなる。

老廃物が一定以上たまると問題を起こす。

B)脳血流の不足

脳血流の不足する要因は

運動不足(四肢を動かさない)、エコノミークラス症候群、たばこ、脱水、脳を使わない、深呼吸不足(No不足)

 

4)認知症に至る要因

認知症の原因の65%はわかっていない。

要因があっても必ず発症する訳ではない。

難聴も認知症の要因だが、補聴器などで耳からの情報をとれるようにすれば対応できる。

補聴器を使って1年くらいでは結果は出ない。

A )15歳まで

 遺伝素因       7%

 教育が十分でなかった 8%※

B )45-65歳まで

 難聴の放置      9%

 未治療の高血圧    2%

 肥満         1%

C )65歳以上

 喫煙         5%

 うつ病        4%

 運動不足       3%

 社会的孤立      2%

 未治療の糖尿病    1%

 

※教育が十分でなかった 8% について

THE LANCET(2017,7月)論文

幼児期から15歳までの教育レベルが影響するデータ。

低所得、中所得で認知症人口の増加が著しい。

これからは誰しも認知症とともに死んでいく時代。

 

5)難聴でなぜ「うつ」になるのか

高齢者は高い音から聞こえにくくなる傾向。

風流は楽しめずうっとうしい音ばかり聞こえる。

 イエバエの羽音 200Hz

 シマカの羽音  800Hz

 コオロギ    4000Hz

 マツムシ    4500Hz

 

聞こえない・見えないがあると、コミのタイミングが図れなくなる。

結果、コミのエラーが原因で、コミュニティから脱落しやすい。

 

6)脳の健康

脳全体をいかに積極的に使っているかが大事。

もの忘れは誰にでもあること(エビングハウスの忘却曲線)

 20分後に40%忘れる、2時間後に70%忘れ、1週間後に80%忘れる。

すこやかな聞こえがあれば、繰り返し聞いて自然に記憶できる。

言語化することで記憶は定着し、長期記憶として脳に刻まれる。

 

<質疑から>

講演を聴くときは、単語をメモ(テキスト化)するのではなく、ラインマーカーなどで、文脈で覚える(テキスチャー)とよい。全体をつかむことが大切。

 

感情の高まりがあると記憶に残りやすくなる。

感情的な要素が大切。論理に落とし込むとよくわからなくなる。

好きか嫌いかの両極端で覚えるとよい。

 

聴覚障害者は講演会等で、「聴こう」とする。

集中して意味をとろうとするので、肝心な「楽しい」が抜けてしまう。

バランスよく、耳に頼らないことが大切。

 

認知症を予防するにはふくらはぎの血流を増やすのも効果。

250歩/h以上、30分に120歩以上がおすすめ。

 

ろう者は認知症になりにくいという話。

赤ちゃんも手足をばたつかせるのが一番賢い子になるらしい。

手話を使うと、認知症になりにくいと考えられる。

手話を使うと、相手の顔を見る。

コミする上で、うつ病になりにくい要素がある。

 

以上、とんがった内容でおもしろかったです!

記憶するためには「感情的な要素が大切」とのこと、よく覚えておこう!