聴覚障害者の希望を職場で伝えることの重要性 ― 働く聴覚障害者・健聴者のコミュニケーションに関する調査から ―
上席主任研究員 水野 映子
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi/report/rp1407d.pdf
要旨
1)企業等で働く聴覚障害者、および聴覚障害者とともに働く健聴者に対して実施したアンケート調査の結果から、聴覚障害者のコミュニケーション方法に対する希望等が健聴者にどのように伝えられているか、また希望等の伝達に対して両者がどのような意識を持っているかに焦点を当てた。
2)聴覚障害者は、職場の健聴者に対して「筆談してほしい」(74.8%)をはじめさまざまな希望を持っているが、その希望を健聴者に必ずしも伝えていない。また、聴覚障害者 の93.5%は希望を「伝えることは大切である」としながら、半数以上は「伝え方が難しい」「伝えても理解してもらえない」「伝えることには遠慮がある」と思っている。ただし、希望を健聴者に伝えた聴覚障害者の78.4%は、コミュニケーションがしやすくなったと回答している。
3)一方、健聴者のうち84.7%は一緒に働く聴覚障害者のコミュニケーション方法に関して 「希望があれば遠慮なく言ってほしい」と思っている。しかし、「どのような希望があるのか言われないとわからない」(64.7%)、「こちらからは希望を聞きにくい」(45.8%)、 「希望を聞く機会がない」(44.7%)と思っている健聴者もいる。
4)職場でのコミュニケーションをより良くするためには、聴覚障害者・健聴者それぞれが希望を伝えること・聞くことに対して遠慮しすぎないことや伝える・聞く機会を設けること、聴覚障害者が効果的に希望を伝える工夫をすることなどが必要と考えられる。
(サイトから引用)
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オガワの敬愛する第一生命経済研究所の 水野 映子さん調査。
コミュニケーションに対して尻込みしがちなのも、一部の難聴者の特性だと思っています。おそらくコミの失敗体験の蓄積から、苦手意識が植え付けられたのだと思うのですが。