精神科病床転換/根本的な解決にはならない(河北新報6/29)
http://www.kahoku.co.jp/editorial/20140629_01.html
精神科病院の病棟・病床をグループホームや老人ホームなど居住の場に転換する構想が、厚生労働省の有識者会議で検討され、論議を呼んでいる。構想は長期入院患者が地域で生活できるようにするための具体策を探る中で提起された。
将来余剰になる病床の活用策としながらも、「地域移行」を進める新たな選択肢としても議論しており、患者団体などからは「病院による患者の囲い込みが続く」と反発が相次ぐ。
厚労省は2004年の「精神保健医療福祉の改革ビジョン」で、退院可能な長期入院患者7万2千人を10年後に解消すると宣言した。直近の調査では、入院患者32万人のうち半数が65歳以上、1年以上の入院は20万人、10年以上は6万5千人にも上る。
隔離収容施設として始まった精神科病院の特異な位置付け、医療関係者も含めた患者への無理解と偏見、保健福祉との連携不足など、解消を阻む課題の改善が進んでいないためだ。
退院を望みながらも10年、20年と病院に押し込まれ、そのまま病院で一生を終える人が大勢いる現実をどうするか。ここまで放置してきた責任も含め、社会全体で向き合う姿勢を再確認する必要がある。
(サイトから引用)
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社会的入院、人権侵害と言われてきた精神科患者への対応。中には聴覚障害のために、精神病の程度が実際よりも重く見られてきた人がいたことも知られています。
地域に帰るための支援態勢をどのように整えるか、が問われているのだと思います。