中途失聴・難聴者の利用する客船等の情報アクセシビリティに係る要望 国土交通大臣宛要望書

全難聴発第14-003号
平成26年5月1日
国土交通大臣
 太田昭宏 殿
   一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
                   理事長 高岡正

中途失聴・難聴者の利用する客船等の情報アクセシビリティに係る要望

平素より私ども中途失聴・難聴者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
韓国の旅客船事故が大きく報じられています。我が国でも船舶利用者への情報提供、意思疎通手段の確保が重要ですが、放送や警報がエンジン音等で、聴者でも聞き取りにくい場合があります。特に補聴機器を使用する中途失聴・難聴者には、小さな騒音でも増幅されてしまうため、非常に聞き取りにくくなることが懸念されます。
障害者基本法第3条で、障害者は可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること、とされています。
同法第22条では国及び地方公共団体の責務として、障害者にも災害時や非常事態で必要な情報が迅速かつ的確に伝えられるよう必要な施策を講ずるとしています。
つきましては、中途失聴・難聴者に対する情報アクセスの確保・充実について、以下の通りお願い申し上げます。

   記

 中途失聴・難聴者の利用する客船等の情報アクセシビリティに関わる要望事項

1 客船等には以下のような対策を講じ、徹底して下さい。
 音声アナウンスや警報の内容が視覚的に表示される電光掲示システムの設置
 聴覚障害者のための筆談器等を備え、保有していることを表示
 聴覚障害者への筆談等での対応力向上のため、搭乗員の教育・訓練
 救命ベスト等の使用方法の映像への字幕、手話付与
 客室だけでなく、風呂やトイレ等の個室にも非常事態発生を通知する点滅灯設置
 聴覚障害者に必要なサービスや避難経路がわかるよう、視覚的に案内

2 平成18年の「移動等円滑化のために必要な旅客施設又は車両等の構造及び設備に関する基準を定める省令」(平成十八年十二月十五日国土交通省令第百十一号)や「旅客船バリアフリーガイドライン」(http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/guideline/guideline_ship.html)にも、上記の内容を含めてください。改正のために必要な検討を実施してください。

3 省令やガイドラインの見直しの際には、当会をはじめとする当事者団体の意見を反映させるための措置を講じて下さい。

以上
(情報元:高岡正様)
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