つくば市民大学 多様性に出会える図書館
読書のユニバーサルデザインを目指して
12月8日、つくば市で開催。講師は読書工房代表の成松一郎先生です。
多様性を持つ利用者が、どうしたら図書館を利用可能になるのか、具体的で示唆に富む内容でした!
(案内より)
1970年代から視覚障害当事者の運動として「読書権」運動がはじまり、「図書館利用に障害のある人へのサービス」という言葉が生まれ、さまざまなタイプのバリアフリー図書が制作されるようになってきました。
また、病気や障害、あるいは多文化、社会的マイノリティに関する情報の提供もこれからの図書館に期待される役割の一つです。今回は、「バリアフリー図書の棚づくり」を提唱されている成松一郎さんをお招きし、より多くの人に、その人にとって必要な情報を届ける方法を考え語り合います。
※PC 要約筆記・磁気誘導ループ有

講師の読書工房代表、成松一郎先生です。
■1 導入
1)図書館のイメージは?
2)図書館を利用しているひとは?
→学生、高齢者、主婦、本が好きな人、など
3)利用しづらいのはどんな人?
→視覚障害者、老人、障害のある人、夜や早朝しか時間の取れない人、近くに図書館がない人など
4)どんな図書館があるか
公立は全国に約3600、学校は小中学校だけでも約3万あるうち、かなりの学校に図書館、図書室がある。
特別支援学校は近年知的障害者の入学が増加したこともあり、教室が不足。図書館をつぶすこともある。
患者図書館…20年位関わっているがなかなか増えない。ネットワークもあるが難しい。
医学図書館、家庭文庫、小さな図書館(アメリカでは約1000箇所)など、さまざまな形態。
日本ではマイクロライブラリー。今夏、サミットがあった。大阪府立大学などが関わっている。駅にある文庫も特に差はないと考えている(講師)。
■2 テーマ 多様性に出会える図書館
体験1 DVD「星に願いを」
最初は音声のみ、2度目は音声+解説音声、3度目は音声+解説音声+字幕で見る。
説明。視覚障害者は、通常の音声だけでは映像場面の状況がわかりにくい。
この解説音声は「シティライツ」さんが作った。
最初は映画館で、見える人が視覚障害者の隣に座って耳打ちして説明。これがそのうちFMやMDなどを使う方法になった。
テレビの「徹子の部屋」や「笑点」も。視覚的ギャグを説明したり。
シティライツさんは、音声ガイドのあるDVDをサイトにアップしている。
体験2 触覚だけで図を読んでみる
マスクで目かくしして、触図を触ってみる。
答えは木星と、小惑星イトカワ。
※オガワはイトカワを、猫の顔かなと思った。全然違う。
触覚でわかるもの、福音館の「ぐりとぐら」などがある。3700円。
UV印刷で、盛り上げて作る。この方法は賛否両論あり。
点字の位置が実際の画像と必ずしも一致しない方法。

ベストセラー「ぐりとぐら」通常版と点字版の比較。

「ぐりとぐら」点字版のアップ。よく見ると、点字が絵とはずれていることがわかります。
体験3 しゅわえほん
志茂田景樹さんの絵本をもとに、ろう者が手話で説明。
「まんねんくじら」を、説明なしで見る。次に字幕付きで見る。
(説明)体験の目的は、メディアの多様性。
視覚障害者は画面が見えない。
触図はディズニーランドなどで、地図に使っている。
動画では、本ではできない手話などもできるようになってきた。
■3 バリアフリー資料
1)バリアフリー資料 3つの誤解
・バリアフリー資料は障害者向けのものであり、一般の図書館には必要ない
・バリアフリー資料は視覚障害者向けのものである。
・バリアフリー資料はボランティアが制作するので、購入することができない。
いずれも間違いである。
資料と本人をつなぐところに、図書館の役割もある。
デイジーや電子図書など、利用可能な図書も増えている。識字障害のニキリンコさん、大野更紗さんの「困ってるひと」、漫画「光とともに…」など、理解も広がる。
2)バリアフリー資料の定義
・読者一人一人が感じている「バリアを知る」ための資料であること。
・読者一人一人の特性にあわせ、自分にとっての「読みやすさ」「わかりやすさ」を実現することができる資料であること。

拡大教科書。会場には通常版を拡大した教科書が3パターン用意されていた。
3)異文化への理解
横浜のいちょう団地の小学校、生徒200人のうち150人が外国籍。
「ごんぎつね」を話すのに、日本の文化から教えなければならない。
ある立場の人にわかりやすい図書
4)読者の特徴やニーズを知ることが大事。
・「読める」ことを求める読者
・「読みやすさ」を求める読者
・「言語」を求める読者(※ここはオガワのメモ間違いかも…)
・「わかりやすさ」を求める読者
・マイノリティ(タニマー)としての情報を求める読者
■4 グループワーク「図書館を多様性に出会える場にするには?」
オガワのところだけ聴覚障害者2人、聴者3人。ループ、PC要約筆記、筆談(ホワイトボード)の情報保障の用意があった。
・聴覚障害者だと音が気になり、図書館が利用しにくい。
・利用しにくいイメージを図書館に伝えて。点字などを用意しているところもある。PR不足と思う。
・リラックスして使える図書館に。諸外国では楽しめる場。オランダにはピアノがある。アムステルダムの図書館は、レストランがあり1日楽しめる場だった。リンゴマークのあるところは、わかりやすい本がある印。小さなことから大きなことにつなげたい。
・ハード面だけでなく、いろいろな本というソフトが不十分なのではないかと感じる。財政問題があるが、補うのはやっぱり「人」だ。
・取手図書館にはカウンターに磁気ループがある。24時間テレビの寄付でついた。
…などの話があった。
(講師まとめ)ハード、ソフトの話があったが、ハードは予算に関係する。改修や新設時がチャンス。タイミングを逃さないよう用意したい。
各地で市民を交えてどんな図書館にするか、ワークショップや委員会を作る動きがある。鳥取県立図書館の小林さんのように、広報担当として、全国動く人もいる。
PRの問題、誰がやるのか。
携帯電話で視覚障害者も使えるよいものがある。富士通のらくらくホンなど。製品の使い勝手を視覚障害者と検討している。改良を続けている。
らくらくスマホが出た。1号機は評判がよくないが、改良品はよくなってきた。
最近電子図書館などのバーチャルな情報がいろいろ出て来たが、今日のように同じ場で共有しての体験は、デジタルネットワーク上ではできないこと。
以上
(文責オガワ)
読書のユニバーサルデザインを目指して
12月8日、つくば市で開催。講師は読書工房代表の成松一郎先生です。
多様性を持つ利用者が、どうしたら図書館を利用可能になるのか、具体的で示唆に富む内容でした!
(案内より)
1970年代から視覚障害当事者の運動として「読書権」運動がはじまり、「図書館利用に障害のある人へのサービス」という言葉が生まれ、さまざまなタイプのバリアフリー図書が制作されるようになってきました。
また、病気や障害、あるいは多文化、社会的マイノリティに関する情報の提供もこれからの図書館に期待される役割の一つです。今回は、「バリアフリー図書の棚づくり」を提唱されている成松一郎さんをお招きし、より多くの人に、その人にとって必要な情報を届ける方法を考え語り合います。
※PC 要約筆記・磁気誘導ループ有

講師の読書工房代表、成松一郎先生です。
■1 導入
1)図書館のイメージは?
2)図書館を利用しているひとは?
→学生、高齢者、主婦、本が好きな人、など
3)利用しづらいのはどんな人?
→視覚障害者、老人、障害のある人、夜や早朝しか時間の取れない人、近くに図書館がない人など
4)どんな図書館があるか
公立は全国に約3600、学校は小中学校だけでも約3万あるうち、かなりの学校に図書館、図書室がある。
特別支援学校は近年知的障害者の入学が増加したこともあり、教室が不足。図書館をつぶすこともある。
患者図書館…20年位関わっているがなかなか増えない。ネットワークもあるが難しい。
医学図書館、家庭文庫、小さな図書館(アメリカでは約1000箇所)など、さまざまな形態。
日本ではマイクロライブラリー。今夏、サミットがあった。大阪府立大学などが関わっている。駅にある文庫も特に差はないと考えている(講師)。
■2 テーマ 多様性に出会える図書館
体験1 DVD「星に願いを」
最初は音声のみ、2度目は音声+解説音声、3度目は音声+解説音声+字幕で見る。
説明。視覚障害者は、通常の音声だけでは映像場面の状況がわかりにくい。
この解説音声は「シティライツ」さんが作った。
最初は映画館で、見える人が視覚障害者の隣に座って耳打ちして説明。これがそのうちFMやMDなどを使う方法になった。
テレビの「徹子の部屋」や「笑点」も。視覚的ギャグを説明したり。
シティライツさんは、音声ガイドのあるDVDをサイトにアップしている。
体験2 触覚だけで図を読んでみる
マスクで目かくしして、触図を触ってみる。
答えは木星と、小惑星イトカワ。
※オガワはイトカワを、猫の顔かなと思った。全然違う。
触覚でわかるもの、福音館の「ぐりとぐら」などがある。3700円。
UV印刷で、盛り上げて作る。この方法は賛否両論あり。
点字の位置が実際の画像と必ずしも一致しない方法。

ベストセラー「ぐりとぐら」通常版と点字版の比較。

「ぐりとぐら」点字版のアップ。よく見ると、点字が絵とはずれていることがわかります。
体験3 しゅわえほん
志茂田景樹さんの絵本をもとに、ろう者が手話で説明。
「まんねんくじら」を、説明なしで見る。次に字幕付きで見る。
(説明)体験の目的は、メディアの多様性。
視覚障害者は画面が見えない。
触図はディズニーランドなどで、地図に使っている。
動画では、本ではできない手話などもできるようになってきた。
■3 バリアフリー資料
1)バリアフリー資料 3つの誤解
・バリアフリー資料は障害者向けのものであり、一般の図書館には必要ない
・バリアフリー資料は視覚障害者向けのものである。
・バリアフリー資料はボランティアが制作するので、購入することができない。
いずれも間違いである。
資料と本人をつなぐところに、図書館の役割もある。
デイジーや電子図書など、利用可能な図書も増えている。識字障害のニキリンコさん、大野更紗さんの「困ってるひと」、漫画「光とともに…」など、理解も広がる。
2)バリアフリー資料の定義
・読者一人一人が感じている「バリアを知る」ための資料であること。
・読者一人一人の特性にあわせ、自分にとっての「読みやすさ」「わかりやすさ」を実現することができる資料であること。

拡大教科書。会場には通常版を拡大した教科書が3パターン用意されていた。
3)異文化への理解
横浜のいちょう団地の小学校、生徒200人のうち150人が外国籍。
「ごんぎつね」を話すのに、日本の文化から教えなければならない。
ある立場の人にわかりやすい図書
4)読者の特徴やニーズを知ることが大事。
・「読める」ことを求める読者
・「読みやすさ」を求める読者
・「言語」を求める読者(※ここはオガワのメモ間違いかも…)
・「わかりやすさ」を求める読者
・マイノリティ(タニマー)としての情報を求める読者
■4 グループワーク「図書館を多様性に出会える場にするには?」
オガワのところだけ聴覚障害者2人、聴者3人。ループ、PC要約筆記、筆談(ホワイトボード)の情報保障の用意があった。
・聴覚障害者だと音が気になり、図書館が利用しにくい。
・利用しにくいイメージを図書館に伝えて。点字などを用意しているところもある。PR不足と思う。
・リラックスして使える図書館に。諸外国では楽しめる場。オランダにはピアノがある。アムステルダムの図書館は、レストランがあり1日楽しめる場だった。リンゴマークのあるところは、わかりやすい本がある印。小さなことから大きなことにつなげたい。
・ハード面だけでなく、いろいろな本というソフトが不十分なのではないかと感じる。財政問題があるが、補うのはやっぱり「人」だ。
・取手図書館にはカウンターに磁気ループがある。24時間テレビの寄付でついた。
…などの話があった。
(講師まとめ)ハード、ソフトの話があったが、ハードは予算に関係する。改修や新設時がチャンス。タイミングを逃さないよう用意したい。
各地で市民を交えてどんな図書館にするか、ワークショップや委員会を作る動きがある。鳥取県立図書館の小林さんのように、広報担当として、全国動く人もいる。
PRの問題、誰がやるのか。
携帯電話で視覚障害者も使えるよいものがある。富士通のらくらくホンなど。製品の使い勝手を視覚障害者と検討している。改良を続けている。
らくらくスマホが出た。1号機は評判がよくないが、改良品はよくなってきた。
最近電子図書館などのバーチャルな情報がいろいろ出て来たが、今日のように同じ場で共有しての体験は、デジタルネットワーク上ではできないこと。
以上
(文責オガワ)