民事訴訟での障害者の裁判を受ける権利の保障について
http://www2.inoue-satoshi.com/kokkai/2013_183/houmu_130509-2.html
井上哲士議員が5/9の183通常国会で質問。民事訴訟での障害者の裁判を受ける権利の保障について質問。障害者に対する配慮をすすめるための研修の拡充、視覚障害者への点字文書の送付の拡充、手話通訳者の費用を裁判所が負担することなどを求めた。

井上/障害者基本法の制定を受けて、どのような配慮、施策が行われてきて、かつ、現状についてはどのように認識されているでしょうか。

最高裁判所長官代理者(永野厚郎君)
最高裁判所としましては、障害者基本法の改正を受けて、裁判所職員に対して法改正の趣旨及び内容を周知するとともに、各種研修において法改正について触れるなどして、裁判所職員の意識の向上を図っているところでございます。
各裁判所においては、個々の障害者の特性に応じた意思疎通の手段を確保するよう配慮するという法改正の趣旨を踏まえて、事案に応じた適切な配慮が行われつつあるものというふうに認識しております。

国務大臣(谷垣禎一君)
 今、最高裁の方でやっておられることは御答弁がございました。そういう形で障害者基本法を周知徹底させるということをやっていただいているわけですが、それに加えまして現行の民事訴訟法におきましては、当事者あるいは証人等々、口頭弁論に関与する者が、耳が聞こえない方とかあるいは口が利けない、そういうことで口頭弁論において陳述していくのに支障が、差し障りがある場合、これは裁判所のお仕事なんですが、裁判所は通訳人を立ち会わせて口頭弁論を行わなければならないというふうになっております。
それから、当事者が難聴であるとか言語障害、あるいはもう御高齢である、それから知能が十分ではない、こういうような十分な訴訟行為をなし得ないような場合に、これも裁判所の許可を得て、補佐人と一緒に出頭することができるというふうになっておりまして、こういうものを適宜適切に、個々の障害者の訴訟行為ができるように適切に配慮していくということを更に努めていただいていると考えております。

井上/聴覚障害者への配慮ですけれども、先ほどいろんな通訳の配置はできるということでありますが、この費用負担ですね。まず、手話通訳や要約筆記の扱い及びその費用負担、これはどうなっているでしょうか。

最高裁判所長官代理者(永野厚郎君)
一般的に手話通訳は、民事訴訟法百五十四条一項本文の通訳人に該当するというふうに解釈をされておりまして、通訳人の通訳料は民事訴訟費用等に関する法律によって当事者が負担すべき費用とされております。そして、この民事訴訟費用等に関する法律は強行法規というふうに解釈されておりますので、裁判所でその支払を任意に免除することはできないと、そういうことでございますので、当事者が一旦その費用を予納された上で、その上で、最終的には、費用の負担は原則として敗訴した当事者が負担するという扱いになっております。

国務大臣(谷垣禎一君)
今、最高裁から御答弁がありましたように、手話通訳は当事者負担で、敗訴者が負担するのが原則だと。ただ、今委員のお問いかけは、事前に納付したりいろいろ負担もあるんじゃないかということだと思いますね。
それでもう一つ、要約筆記というのがございまして、やっぱり普通の筆記なんかではよく、うまくいかない場合には、口頭弁論における口頭のやり取りを要約筆記者がパソコン等で分かるようにしていくと、これは訴訟費用には当たらないと、これは国が負担するということになって、そういう扱いになっていると思います。
そこでさらに、今の御趣旨は国が国費で負担する制度をもっと拡充すべきではないかという、そういう御趣旨だと思うんですが、障害者が訴訟上もその権利を行使できるようにそれぞれに応じてどうしていくかということは、相当これから考えていかなきゃならない面が一つはございます。
(サイトから引用)
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5/9の183通常国会での質疑。
障害者制度改革が進められる中で、聴覚障害者の情報保障についての考え方も伺えます。