【記事】議会のインターネット配信
先行する都道府県と市・遅れている町村
■議会映像公開の主役はインターネット
後藤秀樹 (株)エーディエス代表取締役
近年議会の情報公開の促進のため、インターネットで議会映像を配信する議会が増えてきている。議会映像のインターネット配信は、10年近く前に起こったADSLによるインターネットのブロードバンド化から始まっている。以前は地方ケーブルテレビ局による映像公開以外に映像としての公開方法がなかったが、インターネットが議会映像の公開の主役となっている。現在日本全体で1800弱の議会があるが、何らかの方法で議会映像インターネットのライブ配信を行っている議会は約300にのぼる(録画配信は400自治体を超えている)。そしてこの数は、今後も続々と増えていく見込みである。
県議会レベルではすでに46都道府県で(ライブ・録画とも)実施されているが、市町村議会に関しては地域差が大きい。(809市のうちライブ実施が236市29.1%、録画実施が320市39.5%。933町村のうちライブ実施が40町村4.2%、録画実施が50町村5.3%)
ネット配信の特徴の一つがオンデマンド性である。録画配信は視聴者が見たい時間、見たい場所で見ることができる。
■ブロードバンド環境下の議会会議録作成と検索・配信サービスー加速する「議会の見える化」
小池好子 (株)会議録研究所代表取締役
—いま、日本には議会の会議録作成会社はどのくらいあるのでしょうか。
小池/速記者一人の個人から大手会社まで形態は様々です。都道府県、市町村の自治体数は現在、合計で179あります。会社数は不明です。弊社では約600自治体の会議録配信システム、約400異常の自治体の会議録作成を請け負っています。
大手では弊社の他に会議録センター、早稲田速記、議事録発行センターなどがあります。
ー会議録というのは何冊くらい印刷するのですか。
小池/以前はかなりの部数を印刷していましたが、会議録データベースができてからは、印刷製本は少部数になってしまっています。たとえば関西の大都市の議会でも、たったの10冊というところもあります。
ー会議録研究所としては、印刷製本からどんなソリューションを提供しているのですか。
小池/ほとんどの自治体が会議録検索システムにシフトしてきて、すでに775議会が会議録検索システムを採用しています。しかもネットのライブ配信、つまり議会映像の配信は322議会、録画配信では416議会が採用しています。
-最後にご意見を。
小池/速記者の養成機関もなくなり、議会に録音士を派遣するものの、テープ起こしなどの教育には相当に力を入れていますし、長続きできるように、事情によっては在宅、契約社員でできるような仕組み作りをしております。
またIP配信が進む中、デジタル録音と同時に、音声データの送信、映像の配信により、即文字化する仕組み、まさに「開かれた議会」ではないですが、IPの進歩とともに、われわれの業務も時代に対応したやり方をしていかなければなりません。
音声認識システムの活用もありますが、最後はわれわれの手で完璧なものに仕上げる専門職の育成が必須です。プロの教育を充実し、即文字化、字幕ではないですが、音声、文字、映像と結びつけられる幅の広い業務ができるようになることが、これから要求されてくることだろうと思います。そのような業界になりたいと願うものです。
(月刊ニューメディア 2012年1月号より引用 引用文責小川)
--
議会映像のネット配信にも字幕や手話が求められるのですが、当事者から言い続けないとなかなか変わらないところだと思います。
ニューメディアさんはこうした視点、問題意識を持って取材されているのがすばらしいです!
先行する都道府県と市・遅れている町村
■議会映像公開の主役はインターネット
後藤秀樹 (株)エーディエス代表取締役
近年議会の情報公開の促進のため、インターネットで議会映像を配信する議会が増えてきている。議会映像のインターネット配信は、10年近く前に起こったADSLによるインターネットのブロードバンド化から始まっている。以前は地方ケーブルテレビ局による映像公開以外に映像としての公開方法がなかったが、インターネットが議会映像の公開の主役となっている。現在日本全体で1800弱の議会があるが、何らかの方法で議会映像インターネットのライブ配信を行っている議会は約300にのぼる(録画配信は400自治体を超えている)。そしてこの数は、今後も続々と増えていく見込みである。
県議会レベルではすでに46都道府県で(ライブ・録画とも)実施されているが、市町村議会に関しては地域差が大きい。(809市のうちライブ実施が236市29.1%、録画実施が320市39.5%。933町村のうちライブ実施が40町村4.2%、録画実施が50町村5.3%)
ネット配信の特徴の一つがオンデマンド性である。録画配信は視聴者が見たい時間、見たい場所で見ることができる。
■ブロードバンド環境下の議会会議録作成と検索・配信サービスー加速する「議会の見える化」
小池好子 (株)会議録研究所代表取締役
—いま、日本には議会の会議録作成会社はどのくらいあるのでしょうか。
小池/速記者一人の個人から大手会社まで形態は様々です。都道府県、市町村の自治体数は現在、合計で179あります。会社数は不明です。弊社では約600自治体の会議録配信システム、約400異常の自治体の会議録作成を請け負っています。
大手では弊社の他に会議録センター、早稲田速記、議事録発行センターなどがあります。
ー会議録というのは何冊くらい印刷するのですか。
小池/以前はかなりの部数を印刷していましたが、会議録データベースができてからは、印刷製本は少部数になってしまっています。たとえば関西の大都市の議会でも、たったの10冊というところもあります。
ー会議録研究所としては、印刷製本からどんなソリューションを提供しているのですか。
小池/ほとんどの自治体が会議録検索システムにシフトしてきて、すでに775議会が会議録検索システムを採用しています。しかもネットのライブ配信、つまり議会映像の配信は322議会、録画配信では416議会が採用しています。
-最後にご意見を。
小池/速記者の養成機関もなくなり、議会に録音士を派遣するものの、テープ起こしなどの教育には相当に力を入れていますし、長続きできるように、事情によっては在宅、契約社員でできるような仕組み作りをしております。
またIP配信が進む中、デジタル録音と同時に、音声データの送信、映像の配信により、即文字化する仕組み、まさに「開かれた議会」ではないですが、IPの進歩とともに、われわれの業務も時代に対応したやり方をしていかなければなりません。
音声認識システムの活用もありますが、最後はわれわれの手で完璧なものに仕上げる専門職の育成が必須です。プロの教育を充実し、即文字化、字幕ではないですが、音声、文字、映像と結びつけられる幅の広い業務ができるようになることが、これから要求されてくることだろうと思います。そのような業界になりたいと願うものです。
(月刊ニューメディア 2012年1月号より引用 引用文責小川)
--
議会映像のネット配信にも字幕や手話が求められるのですが、当事者から言い続けないとなかなか変わらないところだと思います。
ニューメディアさんはこうした視点、問題意識を持って取材されているのがすばらしいです!