国立能楽堂で日本語字幕(2006年6月28日 読売新聞)
ビギナーの声に応え 今秋、座席に液晶画面

文楽では昨年から 「今では抵抗なくなった」
謡が聞き取れない。義太夫の文句が分からない……。“伝統芸ビギナー”共通の悩みは、言葉の難しさ。その声に応えるため、国立劇場(東京)や国立文楽劇場(大阪)で、日本語の字幕を付けた公演が目立ってきた。国立能楽堂(東京)では今秋、新しい字幕システムを導入する予定だ。

8、9月に劇場の座席などの改修が行われる国立能楽堂。新字幕システムは、それに併せて導入される。観客席の背もたれ部分の後ろに液晶の画面を取り付け、コンピューター制御で文字を流す。
「全部で4チャンネルの切り替えが可能ですが、当初は日本語と英語の字幕を流します」と能楽堂では言う。日本語では謡の詞章をそのまま流し、英語ではあらすじ、状況説明を含めて解説する。
能楽堂や国立劇場、国立文楽劇場を運営する日本芸術文化振興会が最初に字幕を導入したのは5年前。国立劇場の歌舞伎鑑賞教室での「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき) 引窓」だった。舞台横に電光表示した。その後も、同鑑賞教室で義太夫狂言が出る時に限って字幕を入れている。

国立文楽劇場でも、「4年前に小、中、高校生を対象にした文楽鑑賞教室で字幕を付けたら好評だったので、効果に注目していた。『古典芸能は難解』というイメージを払拭できれば」と話す。
能楽観世流家元の観世清和は「舞台上の演出が変わるわけではないし、字幕で分かりやすくなるのなら、むしろあった方がいいのでは」と言う。
織田芸能部長は「2年前にオープンした国立劇場おきなわで、組踊に字幕を入れたら、大変評判がいい。西洋のオペラハウスでも、字幕を入れるところが増えている。さらに国立劇場でどういうシステムを導入するか、歌舞伎や日本舞踊などの芸能でどこまで字幕を入れるか、改めて検討したい」と話している。
(敬称略)
(サイトから引用)
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キャッシュでしか検索できなくなってきたので、覚え用に保管しときます。
本日たまたまお会いしたのですが、日本芸術文化振興会の中にも、手話の堪能な方がいて驚きました。今度字幕のことなど、お話ししたいと思っております。