「いくお~る」No.73特集・映画にももっと字幕を! 補足情報
http://www.bcs33.com/new0706.htm
特集で中西三四郎氏から、映画字幕の歴史的な状況をご教示いただきました。
その後次のような補足情報をいただいてましたが、なかなかお伝えする機会がないので、ここにあげておきます。
昭和6年、はじめて日本語字幕付きの洋画「モロッコ」が登場しました。
福岡市の「映画と映画館100年の歩み・バック・トゥ・ザ・ムービーズ」(1995年9月刊)によれば、外国語映画はトーキー(音声付き)になっても、外国語なので日本人にはわかりません。そこで解説者(弁士)がつきました。
なにしろ出演者の話す外国語のあいまを縫って、翻訳された日本語の台詞をしゃべって解説したので、観客は見づらく聞きづらく、映画鑑賞に集中しにくいという批判の声が聴かれました。
このため当時福岡市内にあった「世界館」では、スクリーンの脇に「邦文サイド・タイトル機」を設置して、観客の便をはかった時期がありました。(※編集部注:特集で紹介した、日本語の抄訳を写した幻灯機や「Xバージョン」というシステムと同じまたは同様のもののようです)
「モロッコ」は東京では2月封切りで、福岡市ではそれから2か月後の、4月28日から世界館で公開されました。画面の隅に字幕を入れた初めての日本語字幕版として話題を呼んだ、とあります。
Xバージョンという字幕システムは、1929年秋から「モロッコ」の字幕スーパーが出るまで、約1年半の短い間だけ使用されたようです
(中西氏コメント・要約文責編集部)
歴史的に、聴者にも優しい方法として洋画字幕が普及したのですね。
もうひとつありました。
昭和21年頃のスクリーン比率4:3の白黒映画時代の字幕は、右に字幕が出ますが、右の画面背景が白い壁や白い雲などで見づらいときは、左に移動しました。全部白い場合は、人物の出るところに横字幕を数回つけることがありました。字幕は白いので、背景が白いと読めなくて大変だったのです。
1950年、ランドルフ・スコット監督の西部劇「西部の裁き」はシネカラーで、緑色字幕スーパーをつけました。映画会社は赤緑黄桃の字幕スーパーをつけました。読みにくく感じられ、白い字幕でないのが不満でした。
フランスの初カラー映画1952年の「青ひげ」は青いスーパー。
1953年のゲーリークーパー「スプリングフィールド銃」は赤字幕スーパーでした。
1953年には立体映画が登場しました。ところが赤字幕だと、偏光眼鏡をつけて見ると字幕が見えなくなってしまう、という問題がありました。
(中西氏コメント・要約文責編集部)
--
映画の字幕を巡る、貴重な視点としてあげておきたいと思います。
中西様、大変ありがとうございました。
http://www.bcs33.com/new0706.htm
特集で中西三四郎氏から、映画字幕の歴史的な状況をご教示いただきました。
その後次のような補足情報をいただいてましたが、なかなかお伝えする機会がないので、ここにあげておきます。
昭和6年、はじめて日本語字幕付きの洋画「モロッコ」が登場しました。
福岡市の「映画と映画館100年の歩み・バック・トゥ・ザ・ムービーズ」(1995年9月刊)によれば、外国語映画はトーキー(音声付き)になっても、外国語なので日本人にはわかりません。そこで解説者(弁士)がつきました。
なにしろ出演者の話す外国語のあいまを縫って、翻訳された日本語の台詞をしゃべって解説したので、観客は見づらく聞きづらく、映画鑑賞に集中しにくいという批判の声が聴かれました。
このため当時福岡市内にあった「世界館」では、スクリーンの脇に「邦文サイド・タイトル機」を設置して、観客の便をはかった時期がありました。(※編集部注:特集で紹介した、日本語の抄訳を写した幻灯機や「Xバージョン」というシステムと同じまたは同様のもののようです)
「モロッコ」は東京では2月封切りで、福岡市ではそれから2か月後の、4月28日から世界館で公開されました。画面の隅に字幕を入れた初めての日本語字幕版として話題を呼んだ、とあります。
Xバージョンという字幕システムは、1929年秋から「モロッコ」の字幕スーパーが出るまで、約1年半の短い間だけ使用されたようです
(中西氏コメント・要約文責編集部)
歴史的に、聴者にも優しい方法として洋画字幕が普及したのですね。
もうひとつありました。
昭和21年頃のスクリーン比率4:3の白黒映画時代の字幕は、右に字幕が出ますが、右の画面背景が白い壁や白い雲などで見づらいときは、左に移動しました。全部白い場合は、人物の出るところに横字幕を数回つけることがありました。字幕は白いので、背景が白いと読めなくて大変だったのです。
1950年、ランドルフ・スコット監督の西部劇「西部の裁き」はシネカラーで、緑色字幕スーパーをつけました。映画会社は赤緑黄桃の字幕スーパーをつけました。読みにくく感じられ、白い字幕でないのが不満でした。
フランスの初カラー映画1952年の「青ひげ」は青いスーパー。
1953年のゲーリークーパー「スプリングフィールド銃」は赤字幕スーパーでした。
1953年には立体映画が登場しました。ところが赤字幕だと、偏光眼鏡をつけて見ると字幕が見えなくなってしまう、という問題がありました。
(中西氏コメント・要約文責編集部)
--
映画の字幕を巡る、貴重な視点としてあげておきたいと思います。
中西様、大変ありがとうございました。