山根です。
今回のテーマは
「痛みの引き金、トリガーポイント」です。
あなたは「トリガーポイント」を聞いたことがありますか？
よく、筋膜リリースの文脈で語られがちですが、
端的に言えば「筋肉のコリ」です。
ただし、トリガーポイントはただこってるわけではなく
組織の変性を起こした複雑化した状態を指します。
・痛いところを揉んだら腰が楽になった！
・首のコリが増したら頭痛が悪化した
これらは、もしかしたら
トリガーポイントが原因かもしれません。
そこで今回は、トリガーポイントについて、
そして痛みの機序についてまとめています。
今現在、長く続いている腰痛、肩こりなどに
お困りの方はぜひ最後までご覧ください。
本日の内容はこちらの動画にまとめてあります⇧
コリ、ツボと認識しているものは、もしかしたらトリガーポイントかも
肩こりや腰痛に悩む女性の多くが経験する
「なぜかここが痛い」という謎の痛み。
その正体は、筋膜内に潜む
小さな結節点「トリガーポイント」かもしれません。
トリガーポイントとは、
筋肉がうまく収縮できず絡まってしまった部分のこと。
触れると硬い筋硬結として感じられ、
圧迫すると局所的な痛みだけでなく、
離れた部位にまで関連痛を引き起こします。
まるで「飛び火」するように痛みが別の場所に現れるのが特徴的です。
厄介なのは、この症状が単純な筋肉の緊張とは全く異なる
複雑な病態だということ。関連する筋肉の筋力低下や
関節可動域の制限も併発し、体全体のバランスを崩してしまいます。
首から腕へ、腰から脚へと広がる痛みのパターンは、
実は体が発するSOSサイン。
トリガーポイントを理解することで
長年の不調の根本原因が見えてくるのです。
痛みが痛みを呼び「負のスパイラル」のメカニズム
なぜトリガーポイントによる痛みは、
時間とともに悪化し続けるのでしょうか？
その答えは、脊髄レベルで起こる「中枢性感作理論」にあります。
持続的な侵害刺激により、脊髄後角の神経細胞が
過敏状態になると、本来なら痛みを感じない程度の
軽い刺激でも強い痛みとして認識されるようになります。
これは体の防御システムが暴走している状態といえるでしょう。
さらに組織レベルでは、ATP、ブラジキニン、
プロスタグランジンE2といった発痛物質が局所に蓄積
侵害受容器の感度を高めていきます。
この痛みの悪循環は5つの段階を経て進行します。
最初の「痛みを感じる」段階から始まり、
「運動が収縮する」「過敏になる」
「痛みが慢性化する」「廃用」へと発展し、
最終的に組織が十分な栄養を受け取れない状態に陥ります。
一度始まった痛みの負のループは、
放置すれば自然と拡大していく性質があるのです。
慢性痛の黒幕「中枢性感作」の深刻な影響
長引く痛みの背後には、脳と脊髄で起こる
「中枢性感作」という現象が隠れています。
これは痛みの慢性化を引き起こす重要なメカニズムで、
体の痛み制御システムが根本的に変化してしまう状態です。
中枢性感作では、痛みの情報処理が二段階で変化します。
まず二次侵害受容ニューロンレベルでは、
本来備わっている「下降性疼痛抑制系」が活性化され、
リラクゼーション効果や内因性オピオイド
（エンドルフィンなど）の分泌が促進されます。
これは体の中の自然な痛み緩和システムです。
しかし一次侵害受容ニューロンレベルでは、
筋肉の緊張緩和により機械的受容器への圧迫が軽減され、
血流改善によって炎症性物質の除去が促進されます。
関節可動域の改善や筋膜リリースによる癒着の軽減も、
異常な刺激を減らす重要な要素です。
つまり、慢性痛の解決には、
この複層的な神経システムの正常化が不可欠なのです。
痛みのメカニズムは複雑なので、
少し難しいと感じられたかもしれません。
なので、
「痛みは放っておくと増強する」
「自律神経が安定していれば増強は抑えられる」
この２点だけ頭の中に留めておいてください。
そして、今現在肩や腰に痛みがあるのであれば
ぜひ、早めに当店にご来店ください。
より詳細な内容は、ぜひYouTubeをご視聴ください。
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