KIK's Review Log -3ページ目

駅馬車

★★★★★

昔からそういう嗜好はあったのだけれど、最近とみに古い時代のものに惹かれる。
音楽も映画も絵画も書物も。
なんだかオリジンというものに反応しやすい。

その時代、その時代に心から何かを叫んでいるとか
全力で「感じた」ものを表現しているものにぐっとくる。


1939年(って昭和14年!親も生まれていない!)のこの作品。
白黒の西部劇。飽きの来ないスピード感(戦いの最中、馬が疾走するシーンは秀逸)と、キャラの立った登場人物、スリル、そしてロマンス。ハリウッド映画の大原点という感じ。

ロードムービーとか西部劇というより、大人数のシチュエーションムービー。
「十二人の怒れる男」や「オリエント急行殺人事件」のように、すべてのキャラクターがそれぞれ抱えたバックグラウンドが見えて、非常におもしろかった。
最初、人数が多すぎて飽和しそうだったけど。


何より、この時代にある、紳士淑女の振る舞い方はとても感じ入るものがあった。

女性の「気高さ」というものは、地位や立場によるものではない。品格は、どんな立場にあっても、たとえ蔑まれていても必ず表れるものだ。
憂いを知り、それを自らに内包しているからこその慈愛。
それが「レディ」というものなのだと。

紳士というのは、どんな立場の女性も分け隔てなくレディとして扱う人のことだし、どんな緊迫した場面でも、常に一拍の余裕を感じる人。ガチャガチャしてないというか、大きく構えているのに情熱的という人。はい、簡単に惚れてしまいそうである。
が、現代の紳士もどき=単なるヤサ男のだめんずという方程式もあったりするので要注意(自分への警鐘)。

そしてこの時代の役者というのは、美しい容姿が大前提であるのが良い。
アメリカ流のイケメンって、「困り眉」が多いよね(笑)
この映画のジョン・ウェインしかり、ロバート・レッドフォードしかり、ジェームス・ディーン、ブラッド・ピットもそうだ。
そして、女性は瞳の強さ。その強さをふんわりと丸く甘くする品の良い口元。
これですよ。

それにしても、駅馬車って言葉は聴いたことあったけど
こういうものだって知らなかった(笑)
本当に移動手段としてあったんだね。


ラストシーンの台詞。
どの時代、もちろん現代でも忘れたくない、静かで強い人間の情熱。
そして、それを見ている人の許容力やセンス。
最高です。

「ああやって文明から脱するのさ」


駅馬車 [DVD]/ジョン・ウェイン,クレア・トレヴァ

¥421
Amazon.co.jp

★KIK's Choice 2011 大賞発表★

本日お仕事を納めまして、残す仕事はこれひとつ!

★★KIK's Choice 2011★★ 大賞発表です!!

前回のノミネート作品から
迷いに迷って選び出した各部門賞。

何度も言いますが、新作旧作を問わず
「KIKが2011年に観た作品の中から独断で選ぶ」賞ですので
ほうほうそうかーくらいに眺めていただければ。

本人はいたって真剣ですし、かなり楽しんでおりますが(笑)

「助演女優賞」「助演男優賞」「長編ドキュメンタリー賞」「編集賞」「脚本賞」
「監督賞」「主演女優賞」「主演男優賞」そして「作品賞」の順番でお送りいたします。

選考委員長(ミー)のコメント付き。

それではレッドカーペットの始まり始まり~☆


まずは、ニクい役者が勢ぞろいする助演賞の発表から参りましょう。
すべての役者に助演賞の資格がありますからね。
それを考えると素晴らしいことですよ。

★助演女優賞
ジーナ・ローランズ「ナイト・オン・ザ・プラネット」

オムニバス映画の助演なんてニクいじゃないですか。
そしてその回の主演女優ウィノナライダーを引き立てているようでいながら
自分の印象をがっちり残すあたりはさすがです。
「ちょっとあなた、たばこ吸いすぎよ」のセリフと
前の席に肘をついてウィノナと会話するシーン
そして何より煙草の吸い方がこの世でいちばんエレガント!



★助演男優賞
竹原ピストル「さや侍」

この映画観ました?
この人に助演男優賞を贈った理由を語ると
がっちりネタバレになってしまいますので割愛しますが
かなりかなりしびれました。
びりびりしびれました。
いやぁしびれました。



続いては骨太な賞を。

★長編ドキュメンタリー賞
「100,000年後の安全」

地元の小さな映画館で鑑賞した映画。
その回の観客は私ひとりで、ど真ん中の席で
「うーーーん」「うーーーん」とうなりながら観ました。
未だに答えは出ていません。
日本国民が今みるべき映画です。
まずは政治家と電力会社の人たちに。
観るといいよ、じゃなくて「観るべき」です。


そして、映画のテンポを作るもの。
編集賞の発表です。
★編集賞
「ソーシャルネットワーク」

とにかくテンポが良くて
音楽も格好良くて、2時間飽きずに観られる映画です。
主人公のしゃべり方もすごい早口っていうのもあるんだけど(笑)
facebookの誕生物語。ぜひ。




続いては、映画の命。
あれだけの興行成績を残しながら
ジェームスキャメロン監督が「アバター」で作品賞を獲得できなかった理由に
「ストーリーが稚拙」が挙げられていますね。
つまりお話があってこそ映画なんだと思っています。

★脚本賞
「ナイト・オン・ザ・プラネット」

悩みましたねーーー。
物語好きとしては特にね。
しかし、「5つの土地でタクシードライバーとその乗客」をテーマにした
オムニバスってだけで相当ですよね。
5つですよ、短編映画が。
全部イカしたストーリーです。
どれがいちばん好きだった?って会話をしてほしいので
やっぱりデート向きですねー。



そして、映画が好きになっていくと
どんどん気になっていくのが監督。
この映画いいなって思うと、その監督の作品を固めて観たりします。
これは読書と同じですね。
今年は素晴らしい監督たちをがんがん発掘できたことと
その監督の新作が観られたことでは最高の映画年でした。


★監督賞
スティーブン・ソダーバーグ監督「ガールフレンド・エクスペリエンス」「バブル」

これも悩みましたねーー。
映画は監督のモノですからね。
しかしプロモーションの妙というか、この2作品は1枚のDVDに納められているんですね。
いわゆる二本立て。
ソダーバーグ監督の、こっち側とあっち側を両極端に見せつけられるんです。
このひとの振れ幅はハンパないですね。
わたしは「バブル」派です。
最近公開した彼の映画はパンデミックスリラーだそうで。
え!パニック映画っすか?っていうポイントで触手が伸びません(笑)



そして、awardの華と言えばコレ!
主演賞の発表です!
アカデミー賞の主演女優賞のノミネートに
メリルストリープがいないと落ち着かない私ですが
今回は自分セレクトですからね。
楽しみましたよー。


★主演女優賞
ナスターシャ・キンスキー「パリ、テキサス」

最後の最後まで、シャーリーズ・セロンとデットヒートを繰り広げました。
二人にしようかなと思ったくらいです。
しかしね、スローテンポな前半を抜けて
彼女が8mmビデオで登場したシーンからぐぐぐっっと引き込まれたんですよ、映画に。
素晴らしい女優さんです。
ものすごく美しくてセクシー。
マジックミラー越しに話すシーンなんて、映画史に残る秀逸さです。



★主演男優賞
ハリーディーンスタントン「パリ、テキサス」

やーーーー
9割方、「奇跡」のまえだまえだで決まっていたんですよ。
でもそれぞれの映画を思い出したときの印象の残り方が違った。
「パリ、テキサス」における冒頭のシーンと
そこから1時間くらいのザ・もぬけの殻!とでも呼べる表情やしぐさ、
これがずーっと頭を離れないんです。
前述したように、ナスターシャとマジックミラー越しに話すシーン…(以下同文)

主演賞は同作品のアベック受賞となりました☆



そして

そして

2011年を飾るKIKチョイスの「ベスト映画」の発表です★★


どごどごどごどご・・・・

ざんっ!!


★★作品賞★★
「ソウルキッチン」


わーーーー!!!!
パチパチパチ
文句なしにおもしろくて、そしてさすがはファティアキン監督。
めちゃくちゃ格好良い映画です。
監督賞にももちろんノミネートしていましたが
みんなに観て欲しい映画という観点から言うと
これですねー。
個人的に思い出の映画でもあります。

ホンジュラスの木はぜひゲットしたい★

観終わった後に役者の顔も覚えていないような感覚で楽しめる、そんな映画。
昨今の「良質のコメディ映画飢饉」に豊かな笑いを届けてくれましたことを
ここに賞します。




大賞になった作品たちだけでなく
前回のノミネート作品も合わせて、
みなさん観てみてくださいね★

来年は、週一ペースで観られたらいいなって思ってます。
そしてレビューの質もあげていきますね(笑)

ではみなさん良いお年を!

★KIK's Choice 2011 ノミネート作品★

皆さまこんにちは!
今年も年末恒例のKIK's Choice 2011を開催いたします!

今年はレビューを書いていないモノも含め45作品を鑑賞。前年の1/3というていたらくですが、
まあ、お察しの通り今年はいろいろ大変でしたのでそこはご勘弁を。

KIK's Choiceとは、新作・旧作を問わず「わたしが今年観た映画」から、
超個人的な嗜好でセレクトしたおすすめ映画を発表するという企画です。
まったく権威のない賞ではございますが、
正月休みにTSUTAYAにでも行こうかな、という方への私からのリコメンド作品となれば幸いです。

また、今回はノミネート作品発表でありますが、
KIKオリジナルのジャンル分けで作品を並べてみましたので、それぞれ気になった作品があればぜひ鑑賞してみて下さい。KIKレビューのURLつきです。

あと、今年からは部門賞も設けました☆
最優秀賞は部門別に発表しまーす!
発表は年内に!できれば(笑)
ではどうぞ~★


【KIKオリジナルジャンル別ノミネート作品】

★★デート向きの作品たち★★
「ナイト・オン・ザ・プラネット」
「ソウルキッチン」
「英国王のスピーチ」
「シュガー&スパイス風味絶佳」
「さや侍」


★★体力要りますが観るべき実話ベースの重ーい作品たち★★
「100,000年後の安全」
「ホテル・ルワンダ」
「モンスター」


★★編集や音楽がかっこよすぎ!の作品たち★★
「ガールフレンド・エクスペリエンス」
「ブラック・スワン」
「ソーシャルネットワーク」
「バーレスク」


★★映画ファンを気取るなら!通好みの作品たち★★
「ひかりのまち」
「パリ、テキサス」
「奇跡」
「潮風のいたずら」
「バブル」


【部門賞ノミネート】

◆◆作品賞◆◆
「ソウルキッチン」
「ナイト・オン・ザ・プラネット」
「ひかりのまち」
「パリ、テキサス」
「奇跡」


◆◆監督賞◆◆
ファティ・アキン監督「ソウルキッチン」
是枝裕和監督「奇跡」
スティーブン・ソダーバーグ監督「ガールフレンド・エクスペリエンス」「バブル」


◆◆脚本賞◆◆
「ナイト・オン・ザ・プラネット」
「パリ、テキサス」
「ソウルキッチン」
「バブル」


◆◆編集賞◆◆
「ソーシャルネットワーク」
「ブラック・スワン」
「ガールフレンド・エクスペリエンス」


◆◆長編ドキュメンタリー賞◆◆
「100,000年後の安全」


◆◆主演女優賞◆◆
シャーリーズ・セロン「モンスター」
ナスターシャ・キンスキー「パリ、テキサス」
沢尻エリカ「シュガー&スパイス風味絶佳」
サーシャ・グレイ「ガールフレンド・エクスペリエンス」
クリスティーナ・アギレラ「バーレスク」

◆◆助演女優賞◆◆
シェール「バーレスク」
ジーナ・ローランズ「ナイト・オン・ザ・プラネット」
ベアトリス・ダル「ナイト・オン・ザ・プラネット」


◆◆主演男優賞◆◆
ハリー・ディーン・スタントン「パリ、テキサス」
まえだまえだ「奇跡」
ジェシー・アイゼンバーグ「ソーシャルネットワーク」
ダスティン・アシュリー「バブル」
ディーン・ストックウェル「ソウルキッチン」


◆◆助演男優賞◆◆
アーミー・ハマー「ソーシャルネットワーク(双子役)」
竹原ピストル「さや侍」
ディーン・ストックウェル「パリ、テキサス」



さあ最優秀賞は誰の手に!?