先日Facebookの方でこんな記事を書きました。
私は元々20代の頃に断食道場で10年間、丁稚奉公をしていたので、デトックスについては知り尽くしている元プロです。
その元プロだからこそ思うことがたくさんあります。
昔の私もデトックスに夢中だったんですよ。
実際にやると体が本当に変わるから。
そして師匠や私が指導させて頂いた断食道場利用者の方々も、デトックスをするとみんな元気になって帰っていくんです。
当時は、「断食最強」「断食こそ正義」って思ってましたね
でも、そうやって一度は元気になった人たちも、しばらくするとまた道場に戻ってくるんです。
何か変だなってずっと違和感を感じてたんですけどね。
その理由を後々気付くことが出来たんです。
断食においての手段と目的が入れ替わってることが原因だと。
例えば断食においては、固形物を断ってデトックスしてスッキリすることが目的になってる人が多いですが、デトックスというのはただの手段なんです。
目的とは、デトックスして元気になった体で世の中に何を伝えていきたいのか、解毒してパフォーマンスの高い体になったところで、その体を使って何を表現していきたいんですかってことなんです。
この明確な目的がないままデトックスだけしても、数年経てばあっという間に元に戻ります。
何故なら解毒ははただの手段だからです。
体から毒を出す目的は何ですか?
こう聞かれた時に、脳がクリアになって体もスッキリして、味覚もリセットされて、眠気もなくなって、やる気に満ち溢れて・・・云々言い始めたら、デトックスが手段になっている証拠です。
断食の目的が不快な症状を消すことになっているとしたら、目的が根本からズレています。
断食を明確な目的を持ってやっている人は、パフォーマンスの良い体になった後に、その体を使って世の中にどんな価値を与え、どんな活動をしていきたいかをハッキリ答えられます。
ここがない人は、デトックスという手段を使って一時的にスッキリしても、また道場に戻ってくるんです。
何故なら、毒を出すことは本質ではないから。
何のために毒を出すのか?
この明確な目的がないから。
そしてFacebookの記事にも書いたように、食べ物に善悪のジャッジを持っていること自体が非常に良くないんです。
だっておかしくないですか?
世の中には健康に良いとされる本物の食品だけ食べていても病気になる人もいるし、お酒やタバコをやっていて、なおかつ食べ物がジャンクフードばかりでも健康な人もいるんです。
この現象を毒とデトックスだけで説明出来ます?
私は出来なかったんですよ。
でも脳科学に出会って、初めてそれが説明出来るようになったんです。
それはその人が食べ物を食べる時に、その食品にどういう情報をのせて食べているかということ。
つまり脳の動かし方で、体への影響が変わるということだったんです。
だからそもそも毒という概念を自分で勝手に作り出して、自分の価値観の中で毒を存在させているだけなんです。
この話は非常に長くなるので今回は端折りますが、とにかくただ毒を出せばいいという発想がいかに短絡的であるかに気付いて、私も絶望したんです。
だから道場を離れて断食もやめた。
一日一食も少食もやめた。
全部、馬鹿馬鹿しくなった。
だってデトックスのやり方を全て教えて清々しい顔で道場を去っていった人たちが、わずか一年とかでまた体調を崩して戻ってくるなんて、絶対にこれは本質ではないと思ったから。
私は本質が好きなので、10年間断食の世界に真剣に向き合った結果、これは違うなと思ったから離れたんです。
そして多分、多くの人が説明出来ないまでも、何となくそう思っているはずです。
断食に限らず、全ての代替療法はただの手段として横並びで一緒ですから。
私はこれを今は全て言語化して説明出来るまでになりましたが、中でも一番の問題はデトックスさえしていればそれで体の問題が全て解決すると過信して、それ以上自分と向き合わなくなることなんです。
症状ってサインなんですよ。
寝ても寝ても眠いというのは一種のナルコレプシーですが、何で「眠い」というサインを体が発していると思います?
デトックス信者はそれが体内に溜まった毒のせいだと言うわけですが、実はそうではなかったという所に気付いたから、私は今デトックスを勧めていないんです。
そして多くの人がデトックスを始めとした代替療法を渡り歩いた結果、何か違うなと思って、最終的に私と同じところに辿り着く。
別々の登山ルートを登っていた人たちが、結局ここに来たよねと同じ頂上で再会するみたいな。
本質とは、なぜ体が「眠い」というサインを出しているのか、その根本原因を見つけるということです。
根本原因とは揺るがないものなので、結果は一律なんです。
私も初めてデトックスを経験した時は「何だこれ凄い!」と感動し、色々な人に「毒出しやった方がいいよ!」と普及しまくり、断食道場にまで入信し(笑)、日々デトックスをやっているから私の体の中は綺麗なはずなのになぜか病気になり、デトックスのプロだった師匠も癌で亡くし、何かおかしくない?からの今がありますから。
理想はデトックスをやりながら、体の本当のサインを読み解くスキルも身につけていくことです。
まぁデトックスって言っちゃうと毒があることが前提になってしまうので、私は今は毒出しという言葉も好きではないんですが。
今回の記事を読んで、自分も色々やってきたけれど、解毒するだけでは何も解決しなかった、確かに一時的には調子は良くなったけど、これって本質じゃないよね?って思った人はぜひこちら側に来てください。
私はただ自分の体験から得た真実を伝えるだけですから、何も売りませんし、洗脳もしません(笑)
だけど人を本質から救う力は持っています。
正確には生涯をかけて身につけている最中ですが
「You are what you eat」
断食界隈では有名な言葉ですが、良い食事、悪い食事をジャッジしているあなたのその思考はどこから始まっていますか?
毒って本当に存在すると思いますか?
あなたの体に出ているサイン(症状)の本当の意味は何だと思いますか?
仮に毒が存在するとしたら、何故それを自分の体にわざわざ毒だと認識、反応させているのですか?
そしてこれは毒に反応しやすい人の特徴ですが、子供時代の家庭での食卓、食事の時間が苦痛ではなかったですか?
一家団欒の食卓は楽しかったですか?
そもそも何のためにデトックスが必要なんですか?
それを体がスッキリするから以外の理由で答えられますか?
脳科学的に言うと、自分の体に出ている不快な症状を消すことがデトックスの目的になっていると、それは問題回避思考(不快な症状を避けたい)であり、脳の苦痛系が動いてしまうので、目的としては最悪です。
脳の正しい使い方は世の中に自分の使命、天命、価値を発信していくためにエネルギッシュな体が必要だから、そのために断食という手段を使って解毒する!が正解です。
そして食事面で言えば、そもそも苦痛系を動かして食事をしているから食べたものが毒になるのであり、ずっと報酬系を動かして食事をしていたら毒にはならないわけです。
だからそういう意味では毒って言うけど、むしろ自分の思考が一番の毒である説は否めない。
と、かつての断食バカだった私はそう思っています。
最後の方に書いた問いはまともに答えられる人がほぼいないと思いますので、だからこそこれを機に「何のためにデトックスをやるのか」は真剣に考えてみてください。