「目標達成」考察ノート

「目標達成」考察ノート

こんな時代だからこそ自分のやりたいことをやる。それを実現する方法の考察。

 前章までは「目標の設定方法」について見てきました。今回は、同じ目標設定でも、「目標とする”人”を設定する」という観点から見ていきたいと思います。

 

◆ロールモデルを持つ

 「目標を明確に設定したけれども、それでも自分が成功しているイメージがなかなか持てない。」という場合には、周りを見渡してみましょう。いつも成果をあげていて「自分もああなりたいなあ」と思っている人がいないでしょうか?そんなマイ・ヒーローを設定することを「ロールモデルを持つ」と言います。

 

 ロールモデルは何も身近な人である必要はありません。成功している企業家やスポーツ選手などでも構いません。ポイントは、その人物の中に「自分も真似してみたい」と思えるものがあることです。

 

 ちなみに、私のロールモデルはプロ棋士の羽生善治さんです。長年トップに君臨して成果を出し続ける姿はとても格好良く、文字通り私の中のヒーローとなっています。

 

(ポイント1)ロールモデルを探してみよう!

 

◆真似て学ぶ

 「学ぶこと」は「真似ること」という言葉があります。これをロールモデルにあてはめてみると、憧れの人物の行動や考え方をまずは真似てみて、そこから学びを得るという意味になります。

 

 常に成果を出す人はやはり、目標の立て方や行動、考え方に学ぶべきものがあります。例えば、私の場合は、前述した羽生善治さんからは『シンプルに考える』『迷ったら自分の直感に従う』という考え方を学びました。

 

 もちろん、ロールモデルの考え方や行動が全て自分にも有効であるとは限りません。場合によっては、自分には「合わない」というものもあるでしょう。しかし、その点も含めて「まずは真似てみる=試してみる」というのは価値があります。

 

 いろいろ真似た中で1つでも残るものがあれば、それは皆さんにとって血となり肉となるでしょう。

 

(ポイント2)ロールモデルを真似て学ぼう!

 

◆人は周囲から影響を受けている

 「子は親の背中を見て育つ」と言います。私は現在3歳の娘がいますが、日々この言葉を噛み締めています。例えば、「仕草」や「言葉使い」。この点は本当に「親の真似」をします。しかもあっという間に。微笑ましい面もたくさんありますが、一方で「これはまずいな」と思う面もあります。前日も「風呂あがるで〜」と私が言ったら、娘もすぐさま大声で「あがるで〜♫」と。この一件で、娘の前では言葉使いには気をつけようと思いました。

 

 さて、これは「親子」の話でしたが、「他者の影響を受ける」のは何も子供だけではありません。大人も多分に周囲の人間から影響を受けています。

 

 特に、職場で毎日顔を合わせる人からは、まず間違いなく影響を受けています。皆さんの職場にも大抵一人はいないでしょうか?「上司のモノマネ」が得意な方が。もちろん、本人は「反面教師」としてやってるのだと思います。しかし、案外こういう方が上司になると「同じようなこと」をするようになります。これは上司をマネているうちに、皮肉にもそれが板についてしまうからでしょう。

 

 他者からの影響を全てシャットアウトするのは実際は困難です。特に、無意識に受けている影響はどうしようもありません。だからこそ、意識的に「健全なるロールモデル」を持つことが大切です。自分が本当に真似したいと思う人物の影響を意識的に大きくしてみましょう。

 

(ポイント3)健全なるロールモデルを持とう!

 どんなに目標が明確になっても、ある1つのことが欠けていたら達成はできません。それは、そもそも達成したいと思っているか?です。例えば、「今年こそ痩せるぞ!」は、本当に「痩せたい!」と心から思っているのか?特に、目標が大きければ大きいほど、この「気持ち」の部分が達成に大きく影響します。

 

◆自分の目標と与えられた目標

 目標は自分自身で設定するものもあれば、他者から与えられるものもあります。例えば、ダイエットにしても自分で自発的に始めることもあれば、医師等から「痩せさない」と指導されて始めることもあります。

 

 しかし、どちらの方向から始めても、最後は「自分自身の目標」であることに変わりはありません。自分自身の目標というのは、つまりその目標の「オーナー」は「自分だ」ということです。達成力を高めるためには、目標にこの「オーナーシップ」を持つことがとても大切です。

 

(ポイント1)目標にオーナーシップを持とう!

 

◆どうやって目標にオーナーシップを持つか?

 そうはいっても目標にオーナーシップを持つことはなかなか大変です。特に、仕事の場面においては目標は「ノルマ」という形で上から与えられるのが通常です。この時、「やらされている」と感じてしまえば、やはりどこかで手を抜き、結果辻褄合わせで終わってしまうことが多いでしょう。

 

 では、どうやってオーナーシップを持てばよいでしょうか?こんな時は「置き換えのテクニック」を使うのが効果的です。これは、他者から与えられた目標を、あたかも自分自身で設定したかのように「意識の中で置き換えていく」ものです。

 

 この時のポイントは「メリット」を「書き出して」「具体的にイメージ」すること。例えば、あるノルマも「それを達成することで、どんな具体的なメリットが自分にあるのか?」それを具体的に書き出します。そして、そのメリットを享受したいから頑張ろう!と自分の意識を換えていく。ここで大切なのは他者ではなく「自分自身の喜び」を見出すことです。

 

(ポイント2)置き換えのテクニックを使ってみよう!

 

◆目標宣言でオーナーシップを強化する

 置き換えのテクニックで自発的な目標に切り替わりました。しかし、もっとオーナーシップを強化したいという場合は、「周りの人」を巻き込んでみましょう。具体的には目標を周囲に「宣言」することです。目標を宣言して、周囲の力も借りることを「社会的強化」と言ったりします。

 

 現代は、この社会的強化の力をとても簡単に利用できます。例えば、SNSの活用。Facebook上で目標を宣言すれば、「いいね!」という形で周囲が目標を「承認」してくれます。また、途中経過も随時アップずれば、その都度、モチベーションを引き上げる原動力となってくれます。さらに、コメントという形で有用なアドバイスを受けられる可能性もあります。

 

 もちろん、過大な目標宣言は自己に過度なプレッシャーとして跳ね返ってくるので注意が必要です。しかし、使い方を誤らなければ、無償の応援者が皆さんの目標達成の強力な後押しとなってくれるでしょう。

 

・(ポイント4)目標を周囲に宣言してみましょう!

 目標に「数値」と「期限」が入り「宣言」もできました。ここからはもう少しこまかく「目標設定」について考えてみたいと思います。

 

 さて、質問です。皆さんの立てた目標には「現実感」があるでしょうか?別の言い方をしてみましょう。その目標は自己の「成功イメージ」が鮮明に浮かぶでしょうか?例えば、「1ヶ月後に10kg痩せる!」という目標を立てたとします。そこにはきちんと「数値」も「期限」も入っています。しかし、そこに現実感があるか?と言われるとどうでしょうか?1ヶ月で10kgダイエットというのは、不可能でないにしても、達成はかなり大変です。すると、どうなるか?せっかく立てた目標が「放置」という結果になってしまうでしょう。

 

 ただし、「大きな目標」を立てるのが一概に良くないというわけではありません。ポイントは大きな目標を立てたら、その中を「小さく分解すること」です。

 

◆スモールステップの原則

 

 目標を小さくこまかくわけること、これを「スモールステップの原則」と言います。階段をイメージしてみましょう。1段がとても高い階段があるとします。すると、たった一段上るだけでも大変です。場合によっては、たった一段も上がることができない人もいるでしょう。しかし、1段の高さを低くするとどうでしょうか?今度はどんな人でも上がることができるようになります。

 

 目標設定でも同じです。例えば、10kgという目標を1kgもしくは500gという小さな目標に分けてみましょう。こうすることで、目標に「現実感」が生まれ、行動する意欲も生まれてきます。

 

(ポイント1)目標をこまかく分けてみよう!

 

◆ちょい上乗せルール

 

 私は普段、子供たちにプログラミングを教える教室を運営しています。そこではどんな子にもまず「タイピング」の練習をさせるようにしています。その際、ゲーム感覚で学べるソフトを使っているのですが、最初は「100点」とか「200点」という得点しかとれません。目標は「3000点」ですので、かなり「大きな目標」です。この時、私は子供たちに「目標は3000点」という言い方はしません。その代わり子供たち一人一人を見て、100点とれた子には「次は150点」、200点とれた子には「次は250点」と伝えています。

 

 すなわち、「少しだけ上乗せした目標」をその都度伝えています。1つ1つの目標は小さいですが、それが積み重なると最後は大きな結果につながっていきます。これはどんな目標にも言えることです。

 

(ポイント2)達成できたら少しだけ目標を上乗せする!

 

◆成功体験と自己肯定感

 小さな目標をたくさん立てるというのは別の見方をするとどういうことでしょうか?それは「成功体験」をたくさん味わえるということです。この「成功体験」というのは「モチベーション」の観点から見ても、とても重要なものです。

 

 心理学に「自己肯定感」というものがあります。これは「自分には成し遂げる力がある」と「自分を信じる力」のことですが、この自己肯定感には「成功体験」が欠かせません。特に、自分の気持ちが弱っている時には、この「成功体験」が自分の助けになってくれるでしょう。

 

(ポイント3)成功体験をたくさん味わおう!

 

◆成長は直線的ではなく階段的

 先ほど、子供たちのタイピングの話をしました。これまで数多くの子供達の成長を見てきましたが、そこで体験的に気付いたことがあります。それは、学習の成長は「直線的」ではなく「階段的」だということです。縦軸に「成長度」、横軸に「時間」をとったとします。すると、時間に応じて「直線的に」スキルが伸びるわけではありません。そうではなくて、「階段的に」成長していきます。

 

 タイピングだと、どこかで必ず「踊り場」になって、時間をかけて練習しても得点が伸びなくなります。しかし、それでも練習を続けていると、ある時、ポンっと得点が伸びます。それこそ、一段階段を上がるように。

 

 人間の成長が階段的なら、目標の設定もそれに合わせるのが自然です。つまり、階段を上がるごとに「成功体験」を味わえるようにしておくのがミソということです。

 

(ポイント4)人間の成長に合わせて成功体験を用意しよう!

 新年の目標で一番多いものの1つが「ダイエット」と言われています。皆さんの中にも「今年こそ痩せるぞ!」と誓った方はいらっしゃるのではないでしょうか?でも、「今年こそ」という言葉があるように、未達成率がとても高いのもダイエットの特徴だと思います。

 

 では、なぜダイエットは未達成に終わることが多いのでしょうか?その原因の1つは「目標自体が不明確」だからです。逆に言えば、目標を明確に設定することで、達成率を高めることができるようになります。

 

目標は頭の外に出す

 頭の「中」だけで思いついた目標はぜひ「書き出して」、頭の「外」に出すようにしましょう。これが1つめのポイントです。頭の「外」に出すためには当然「言葉」にしなければなりません。例えば、「今年こそ痩せるぞ!」という目標も、頭の中だけに留めておくのではなく、紙などに書いて言葉(文字)にすることが大切です。

 

 では、これがなぜ重要なのでしょうか?それは「思考」は常に「流れていて」、思いついたものもあっという間に「消えてしまう」からです。これを避けるためには、思考を文字という形で留めておく必要があります。

 

 (ポイント1)目標を書き出してみましょう!

 

目標に数値をいれる

 目標を書き出したら、次にそれを眺めて「足りない情報」を加えていきましょう。例えば、「今年こそ痩せるぞ!」という目標には何が足りないでしょうか?達成率を高めるためにはどんな情報が必要でしょうか?

 

 この点、加えるべき1つめの情報は「数値」となります。「痩せる」というはとても「抽象的な言葉」です。これを数値に置き換えることで「具体的な言葉」にしてみましょう。例えば、ダイエットなら「今年こそ体重を5kg落とす!」とか「現在70kgの体重を65kgにする!」といったものです。

 

 数値を入れることのメリットは、目標を達成するための「難易度もイメーシしやすくなる」点です。例えば、同じ痩せるにしても「1kg」と「10kg」では、その難易度が全く異なることをイメージできるでしょう。

 

 (ポイント2)目標に数値を入れてみましょう!

 

目標に期限をいれる

 目標に「数値」をいれました。次に加えるべき情報は何でしょうか?それは「期限」です。例えば、ダイエットなら「いつまでに」という部分になります。

 

 ではなぜ期限が必要なのでしょうか?それは、人は「先送りする癖」があるからです。「少し先の話は、少し先にやればいいや。」というのが人の常。これは何もダイエットに限りません。仕事でも特段期限が決まっていないものは後回しにされる。そして、忘れてしまう。というのはよくあることです。だからこそ、最初に目標を設定する段階で「期限」も組み込んでおきましょう。

 

 例えば、ダイエットなら「今年の健康診断実施日である4月10日までに体重を5kg落とす!」といったものです。この時、期限に「具体性」があるとより達成率は高くなります。

 

(ポイント3)目標に期限を入れてみましょう! 

 

目標宣言で社会的強化を狙う

 目標に「数値」と「期限」が入りました。でも、やっぱり「自分一人」だと途中で忘れてしまうという人は、「周り」を巻き込んでみましょう。

 

 具体的には目標を周囲に「宣言」することです。目標を宣言して、周囲の力も借りることを「社会的強化」と言ったりします。現代は、この社会的強化の力をとても簡単に利用できます。例えば、SNSの活用。Facebook上で目標を宣言すれば、「いいね!」という形で周囲が目標を「承認」してくれます。

 

 もちろん、過大な目標宣言は自己に過度なプレッシャーとして跳ね返ってくるので注意が必要です。しかし、使い方を誤らなければ、無償の応援者が皆さんの目標達成の後押しとなってくれるでしょう。

 

(ポイント4)目標を周囲に宣言してみましょう! 

 目標を達成できる人とそうではない人の「差」は何でしょうか?それは「才能」でしょうか?それとも「意志の強さ」でしょうか?この点について、私は「技術」の差だと考えています。目標を達成できる人は、目標達成率を高める「技術」を持っていて、そしてそれを常に磨いている人だと考えています。つまり、スポーツと同じようなものです。スポーツは効果的なトレーニングによって「競技力」を向上させることができます。これと同じように「目標達成力」もトレーニングによって向上させることができる。これが今回のメインテーマです。 

 

◆目標達成力を高める3つの技術

 今回は目標達成力を高めるための3つの技術とそのポイントについてご紹介します。

 

 目標を設定する技術

 行動をマネジメントする技術

 ツールを使いこなす技術

 

◆目標を設定する技術

 目標達成というからには、まずは当然「目標」が必要です。一見当たり前のことですが、実は「目標になっていない」ということは多分にあります。つまり、そもそも「目標」が設定されていないから達成もありえないというパターンです。目標は「願望」とも「ノルマ」とも似て非なるものです。まずは目標を設定する技術を学びましょう。ここでのポイントは下記の4つです。

 

 ①明確性(数値と期限)

 ②スモールステップとマイルストーン

 ③オーナーシップ

 ④ロールモデルと関心アンテナ

 

◆行動をマネジメントする技術

 「行動なくして達成なし」

 目標を達成するためには当然のことながら「行動」する必要があります。しかもただ漫然と動くのではなく効果的に行動する必要があります。ここではまず「集中力」がポイントになります。次に、目標を達成するためには「ある一定期間」行動を「継続」しなければなりません。この点で、「継続力」もポイントになります。さらに、人は感情を持っている生き物です。モチベーションの高低は目標達成に大きく影響します。自己の感情をいかにコントロールするか、ここでは「プラス思考」がポイントになります。

 

 ①行動を目標達成にフォーカスする(集中力)

 ②行動を継続する(継続力)

 ③自己の感情をコントロールする(プラス思考)

 

◆ツールを使いこなす技術

 現代は様々な電子デバイスツールに囲まれて生活しています。また、数多くの便利なアプリケーションが揃っています。これらを有効に活用すれば目標達成力を高めることができます。しかし一方で、一歩間違えると「目的」「手段」が簡単に逆転してしまいます。ツールを上手に使いこなすためのポイント、ここでは2つのことに留意してみましょう。

 

 ①「ツール」ではなく「目標」が先にある

 ②「ツール」ではなく「自己の感覚」が先にある