思いがけない人と、偶然に再会する事があります。
でも、その再会が偶然とは思えないほど衝撃的だったとしたら・・・。
30数年ぶりに思い出の地を訪れた自分。
ふと思い立って、絵美のお墓参りに行ってみようと思いました。
「何よ
今更
30数年もほっといて
」なんて、絵美の怒りの声が聞こえるかも
しれないな
と、思いながら花を持ってお墓に向かいました。
「確かこの辺だと思ったんだけど・・・」
久しぶりに来たものだから、お墓の場所も半分忘れかけていましたが
何とか思い出しながら、歩くこと数分。
「あ~、確か、あそこだったな~」
そう思い、お墓に近づいた所、一人の女性らしき方がお墓の周りを
清掃していました。
「誰だろう
身内の人かな
」
そう思いながら近づいて、その女性に声を掛けてみました
「あの~、お墓参りに来たんですけど、よろしいでしょうか
」
「あっ、どうぞ、ご遠慮なく。今どきますね」
と、その女性が立ち上がってこちらを見た瞬間、私は思わず目を疑いました。
「あっ
えっ
もっ、もしかして・・・、ゆっ、由美さん
」
女性の方も、私を見て一瞬驚いた後
「まっ、まさか
まさか、いけべえさん
」
そう、そこにいたのは紛れもなく由美でした。
「どうして
どうしていけべえさんがここに
」
由美は、とても信じられない
と言う顔をしていました。
「由美さんこそ、何故ここに
」
私もとても信じられませんでした。まさかここで由美と再会するなんて・・・・。
こんな偶然があるんだろうか
驚かずにはいられない自分がそこにいました。
「こんな事って・・・、こんな事てあるの
こんな偶然なんてあるの
」
由美も驚かずにはいられなかった様でした。
「30数年ぶり・・・だね。まさか・・・、まさか会えるなんて夢にも思ってなかったよ・・・」
「もう・・・、そんなに時がたってるんだね・・・。あなたが故郷に帰ってから・・・、
もう二度と会う事もないと思ってたわ・・・」
「私もそう思っていたよ、もう二度会う事もないかと・・・。でも、今、確かに由美さんが
私の目の前にいる・・・。とても信じられない」
「そう・・・、私も信じられない・・・、いけべえさんが目の前にいるなんて・・・。
でもね、 私、昨日夢をみたの。姉の夢を。それで今日ここに・・・」
「えっ
どう言う事
絵美の夢を見たって・・・」
「いけべえさん、時間ある
お話がしたいの。もしかしたら偶然じゃないのかも・・・」
由美は何か心当たりがあるのでしょうか![]()
正直私も偶然とは思えない節があったので、
「大丈夫
今日は泊まりで来ているから、時間はあるよ
由美さんは大丈夫なの
」
「私は大丈夫
今日は誰もいないから」
由美はにっこり笑ってそう言いました。
私は絵美のお墓参りを済ませると、由美と一緒に歩き出しました。
とても信じられないような由美との再会。本当に偶然なんだろうか・・・。
~ひさしぶりだったね 元気だったのかい
もし時間があるなら 話がしたいな
少しやせたみたいだな
今は 何をしてるの
僕のほうは何とかやっているよ~
Bell 「コーヒー一杯の幸福」 より