偶然の出来事とかはよくあるものです。
でもそれは偶然ではなく、何かに導かれた結果かも知れません
30数年ぶりに絵美のお墓参りに行った私。
そのお墓の周りを清掃していた人、それは何と、由美でした。
30数年ぶりの再会。とても偶然とは思えない出来事でした。
お墓参りを済ませた後、由美と一緒に歩き始めた自分。
「不思議だな。君とこうして歩いているなんて。夢でも見てるようだよ」
「それは私も同じだわ。まさかこんな所で会えるなんて。ホント、信じられない」
久しぶりの為か、お互い少し緊張気味。しばらく無言で歩きます。
「本当はマスターのいるお店に行きたかったけど、もうないものね。
私の知っているカフェでもいいかしら
」
由美はそう言うと、少し残念そうに笑いました。
正直、私もマスターのお店があれば行きたかった。あの懐かしいお店へ・・・。
「いいよ
由美さんにお任せするよ
私はもう、ここら辺はわかんないから」
「じゃ、行きましょう。もうすぐだから」
私と由美はカフェに向かったのです。
カフェに着き、中に入った私たちは奥の席へ。
「あれ
ここ、マスターのお店と雰囲気似てるよね
」
「フフッ、わかった
いけべえさん覚えていたのね」
「忘れる訳ないよ
私の恩人だもの。マスターは」
この店の雰囲気、あの頃を思い出します。辛くも、楽しかったあの頃を・・・。
「由美さんは変わってないな~。お墓で見た時、すぐに分かったよ。
私はもうすっかりオジサンになってしまったけどね」
「あら
それを言ったら私だってもうすっかりオバサンよ
もう30数年の
年月が過ぎているんだから。お互い年を取った、って事よ
」
彼女は笑いながらそう言いました。
「でも不思議・・・。いけべえさん、あなたに会えるなんて・・・。
そう、そう、私がお墓で偶然じゃないかも
って言ったでしょ
実は・・・」
由美は昨日の出来事を話始めました。
「昨日ねっ、姉が夢に出て来たの
夢に姉が出て来るなんて今まで無かったから
どうしたのかな
って。そうしたらこう言うの。
”由美、明日私のお墓参りに来てちょうだい
”
”えっ
なんで
お姉ちゃんの命日でもないのに
”
”来ればわかるよ
”
そこで目が覚めて。姉が何か伝えたかったのかな
って。
それで今日来てみたの。そうしたらあなたが現れて・・・」
「ええっ
それって、まさか・・・」
私は驚きを隠せませんでした。まるで絵美が、私がここに来る事を分かっていて
由美に夢の中で知らせたとしか思えませんでした。
「そうか・・・、そうだったのか・・・。実はね、由美さん、私がここに来たのはね・・・」
私は、Sさんの事を由美に話しました。
Sさんと一緒にいると、あの頃の様なやさしさに包まれてとても心地がよく
次第に封印していた記憶が鮮やかに蘇って来た事。
Sさんに絵美の話をした後、辛くて悲しいはずだった思いが、
不思議と楽しい思いだけに変わった事。
「そう、それで30数年ぶりにここを訪れてみようと思ったんだ。
そうしたら君がここにいた・・・」
絵美が二人を導いたとしか思えない出来事。もうこれは偶然とは思えない・・・。
~あの頃なら話せなくて ただなんとなく意識していた
でも今ならテレもせずに こんな距離で笑いあえてる
閉ざされていた心の扉 叩くような音が聞こえた
時が紡いだ 偶然の再会~
スターダスト☆レビュー 「偶然の再会」 より