【ユートピア主張してこそ】
「私が申し上げたいこと。最後に(欧州連合の父と呼ばれるオーストリアの政治思想家)クーデンホーフ・カレルギー、友愛という、私が政治信条として価値観、あるいは生きざま、さまざまありましょう。国としてもありましょう。しかしそういったものを乗り越えて、好き嫌いではなくて、価値観が違っていても、みんながお互いに自分たちが自立していこうと努力をする。そしてその中で、1人だけではやっぱり生きていけない。1つの国だけでは生きていけない。お互いに助け合い、尊敬し合おうじゃないか。それを相互補完して、よりよい人格を形成をしていく人生を歩めるようにお互い助け合っていくと。違う価値観をお互いに認め合うことができる社会というものを作り上げていく友愛という精神。こういった精神を最初に私に、私の祖父・一郎ではありますが、最初に教えてくれたのがクーデンホーフ・カレルギーという偉大な先駆者であったと思っています」
「彼の言葉は『すべての偉大なる歴史的な出来事はユートピアとして始まり、現実として終わった』と。まずは最初はだれもできないだろうなと。彼が発想としたのはいわゆるヨーロッパの共同体という発想でした。当時、もう100年以上前の話ですから、だれもできるとは思わない。しかし、現実に今、通貨の統合という方向までできあがったということでありまして、ユートピアだと思っていたものが、しかし、ユートピアを常に主張し続けることによって最後は現実となるんだ。理想も語らなければ決してそれは現実になっていかないんだということでございます。それを信じる人間の数と、実行力にかかっている。多くの方がそのことを信じてくだされば、必ず実現ができる。そのように感じているところでございます」
「みなさん一人、一人がよりよい社会を築いていくために、いかに貢献しうるか。自分の得意分野でがんばるぞと。その精神をもってがんばることによって、必ず自分自身にとってもハッピーな人生を生み出すことができると信じておりますし、そのことが結果として、この国という、国民のみなさんの、あるいはアジアを中心とした世界のみなさん方の未来にとって必ず大きな魅力のある光となる。そのことを心から信じてがんばっていきたいと思っております。ご静聴ありがとうございました」
<この後、学生からの質疑応答>
--午前中に行われたディスカッションに参加している博士課程の学生からいくつか質問させていただきたいが、よろしいでしょうか
「あーどうぞ。ノーって答えはないでしょ(会場笑い)」
【博士号の意味、難しい】
--博士の学位を取ったことで得られたことは。政治の世界で生かされたことは
「難しいな。実は正直申し上げると私は博士という学位はとっておりません、Ph.D.という、アメリカでの博士に匹敵するものではあると思っておりますが、日本における博士課程ではありません。東工大に行ったときに工学部長から、『君、これではなかなか学問の道では無理だぞ。博士を取れよ』と言われました。『君が出しているPh.D.の論文を日本語に訳したら取れるかもしれんぞ』といわれて(会場笑い)、嫌だそんなことということで、今日まで博士課程でも学んでおりませんでしたので博士号は取得しておりません。ただPh.D.をとったと。それによってとったことは何が意味があったかということは難しい」
<中略>
「科学をもっと積極的に用いていくことが必要だと思っております。それが足りないんじゃないかと。理工系の学生たちが大蔵省、財務省などの行政の分野で必ずしも十分な数いないんじゃないか。そこの力関係の問題があろうかと思っておりますが、ぜひ、自分たちの考え方に基づいて立て直していこうじゃないかというみなさんが行政の分野に、政治の分野に入っていこうとする努力をすることがこの国の将来にとって重要なのではないか。私自身がオペレーション・リサーチの学問が必ずしも、必要だなと思いながら十分に役立たせることができないことが非常に残念に思います。ただ、いろんな、菅(直人)君との議論の中で、そういう話をしていることは、頭の体操の中では役にたつことは時々あることも事実だと思っております」
【なんにも努力しなかった】
--鳩山首相が政治・行政の分野に進出するにあたって努力したことは
「政治、オペレーション・リサーチの学問をしながら政治の中に生かしたいと思ったことは事実ですが、そのことと、しかし、政治の中に入ろうと思って努力をした中身はまるで違う話でございまして、やはり、私は、よく言われておりますが、家族的に『鳩山』という家が政治を志す人間が多かっただけに優位性があったと認めます。まったく友人、知人がいないような北海道で選挙戦を戦ったわけですが、そのときは祖父(鳩山一郎元首相)の名前があったおかげで有利に働いていたことは、それは率直に認めるべきです」
「ただ、政治・行政にみなさん方がもし入られようとしたときに私はぜひ、理系の方々がもっともっとそういった分野に入るべきだと思います。そのためには自分自身を磨いて自分の魅力を積極的にアピールすることだと思っておりますし、人の魅力というものが政治行政の中でまさに魅力を認められれば人が動かされるわけでありますから、自分自身を磨くことが最も求められることではないか。理系の人たちというのは、自分たちがなかなか机上で仕事をするとか、人とのつきあいの中で仕事をする環境ではない。社会科学の分野の人たちの方がはるかに人間的な交流があつかったりする。むしろ人間的なつきあいというものの重要性をみなさんも認められた方がよろしいかと思っております」
「私は政治家になったときに鳩山の家のお坊ちゃんなんだからと。そんな、たとえば田んぼに入って泥の中で握手なんてできるわけねえだろと思われていたと。そういう先入観がもともとあって、理工系の人たちはそういう目で見られているかもしれません。そんなもんじゃ全然ないよと。むしろ、自分というものをありのままに素直に見せきるということがある意味で一番大事な努力なのかなと思っておりまして、あまり自分を偽るような無理なことを行うよりも、むしろ人間臭さというものを丸出しにする努力を、理工系の方たちがした方が政治行政の分野に進むに当たって評価をされるんじゃないか。私としてはそのように思っております。すなわち一言で言えば、なんにも努力しなかったということかもしれません(会場笑い)」
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