相手にとって嫌な存在は、味方を勇気づけるヒーローになります。花巻東の2番千葉選手は、投手にダメージを与えることに小さな体の活路を見いだしました。
1メートル56センチの体をさらに小さく折りたたみました。鳴門のエース板東投手に追い込まれながらも、そこから7球続け執拗にカット。13球目の高めのボールを見送りました。次打者への投球が甘くなることを狙った作戦です。
小さな体でチームに貢献する方法として、三塁側にカットする技術を磨き上げました。5打席で1安打4四球と全打席出塁。板東投手が投げた163球のうち、1人で約4分の1にあたる41球を費やしました。
今大会の出塁率は8割。小さな出塁王が花巻東を東北勢初の全国制覇へと導きます。