日本オリンピック委員会(JOC)は18日、ロンドン五輪日本選手団の主将と旗手を発表し、レスリング女子55キロ級で五輪3連覇を狙う吉田沙保里選手(ALSOK)が旗手に、主将には陸上男子やり投げの村上幸史選手(スズキ浜松AC)が選ばれました。3度目の五輪での悲願の大役に、吉田は三重・津市内での壮行会で、ロンドンを最後の五輪と表明し「絶対、勝つ!」と、力強く宣言しました。
世界大会10年無敗、ロンドンで五輪V3が期待される人類最強女子に、日の丸が託されました。
日本が五輪に初参加した1912年ストックホルム大会からロンドンで100年。日本スポーツ界の歴史的節目の大役を受けた吉田沙保里選手は「これが最後のオリンピックになるかもしれない。悔いの残らない、レスリング人生の集大成としてロンドンのマットで大暴れしたい」と“五輪ラス闘”を表明しました。
国旗の重さ自体は7キロ前後ですが、任務の重圧はズシリ。念願の旗手をできるだけあり「光栄に思う。日本選手団の先頭を胸張って正々堂々と歩きたい」と意気込みましたが、これまで17人が旗手を務め、金獲得は4人。女子は5選手が挑んだが、まだありません。それだけに吉田は「金を取れないジンクスを私が破る。大役を果たし、試合でも勝つ!」と宣言しました。
5月のW杯国別対抗戦では無名のロシア選手に、この10年で2度目の黒星を喫しました。その因縁国の旗手は女子テニスのマリア・シャラポワ選手です。妖精との旗手対決になります。
試合は8月9日です。開会式の7月27日に向け、練習相手2人を含む5人の「チーム沙保里」と同25日に現地入り。開会式で世界に向けて振った日の丸は、試合ではセンターポールに立てます。「4年で一番の最高の大会で一番で先頭を歩けることは最高!」。最後の五輪舞台へ行進が始まります。
◆吉田 沙保里(よしだ・さおり)1982年10月5日、三重・津市生まれ。29歳。三重・久居高、中京女子大(現至学館大)卒。ALSOK所属。世界選手権9連覇中、五輪2連覇中。趣味はゴルフ。独身。156センチ。家族は両親、兄2人。父・栄勝さんは女子代表コーチ。