インターネットで失ったもの | B-Boy Takeo のブログ

インターネットで失ったもの

ネットの普及で世界は狭くなり、情報は確実に流れ(嘘の情報も含めですが)、人々は多くのものを簡単に手に入れられるようになりました。

そして、逆に、多くの物を失ってしまったように思います。

特別だった物に対するありがたさや、探求心なども
その失ったもののうちの1つではないでしょうか。


思えば俺がダンスをはじめた83,4年当時、ダンスの情報ソースは映画のみ。
(一般家庭にはビデオはまだ普及しておりません。CDも存在しておりませんでした)
フラッシュダンスが世界的にヒットし、映画好きだった俺は、他の映画と同じ感覚で、この話題作を見に映画館に行ったわけです。

そこでみた、あのわずか2分程度の、ストリートのダンスシーン。
ROCK STEADY CREW のメンバー達のダンス。


体中に電流が走るような衝撃。


人生で後にも先にもその衝撃感はその時しかなかったと思われます。


そんな凄い衝撃に、いてもたってもいられず始めたストリートダンスでありました。(この話はやたら長くなるからまた今度)

FLASH DANCE で初めてこのダンスを知った俺はその後、映画「WILD STYLE」の存在を知り、同じくこれをチェックしてムーヴをなんとか盗もうと努力します。

そんな映画に出ていた人達は俺にとってはスター!!!
雲の上の人というか、距離的にも、住んでいる環境的にも、人生的にも交わる事があるとはとても思えない人達でした。

先日、そんな遠い存在のうちの1人であった、MR.WIGGLES のHIP-HOPのワークショップを受けに行ってきました。


始めた当時高校生だった俺。
海外に行くなんて夢のまた夢。
そんな人達とまさか会って話したり、一応は知人としての関係になるとは想像だにできなかった。


時代が変わり、
そんな憧れの人達というか、もう俺からいったら映画スター並みの人達にじかに教わることが出来るなんて、なんて素晴らしい環境だろうと思う。

当時はもし自分でNYまで行ったら航空券だけで多分50万ぐらいはかかったな。
それにもし行ったとしても彼らと会うコネクションも無く、どこに行ったら会えるかもわからない状況だった。
今だって滞在費もいれたら20-30万ぐらいはかかるだろうし、それを向こうからやってきてくれるんだからこんなありがたい事はない。


まずはこういう機会を皆さん最大限い活かしてください。
オリジネーターや、このダンスをクリエイトしてきた人達に直接会って話を聞いたり、踊りを教わったりすることの素晴らしさ、大切さは体感しないとわかりません。
YOUTUBEを見て、分かった気になっている人は(今は結構多いですが)生で触れ合って理解する事の大切さを見失っております。


体感することが、あなたのダンス感を確実に変える事は間違えないでしょう。
イベントでもレッスンでも、その目で見る事です。
現場の雰囲気や、言葉に表せないような何とも言えないフィーリングをその目で、その手でつかみましょう!!

これは俺の人生として実証されてきている事だから間違えないです。
保障します!!


去年もあったWIGGLESのHIP-HOP CAMP でしたが、予定があって参加できなかった。
今年はうまく予定を空けられたので参加できてよかったです。




さて、キャンプの内容は、
講義、ダンス(トップロックとPOP)、グラフティの描き方などでした。
HIP-HOP発祥当時のブロンクス、NYの状況や、人々の関わり。
DISCOとHIPHOPの関係、音楽、ブレイクビーツ、それに合わせたダンスのありかた、
黒人とヒスパニックの踊り方の違、誰がこのムーヴが得意だったか、
POPやグラフティがどうやってNYに入ってきたんかなど、講義内容は非常に多岐に渡りました。
改めて知った事、初めて知ったことも沢山ありました。

知りたい事が多すぎて、質問が沢山あったけど、俺だけが質問するわけにはいかないので、ちょっと我慢してました(笑)。
それでも結果、俺ばっかり質問して、参加の皆様すいませんでした。

WIGGLESはとっても真摯に質問に答えてくれました。
特に素晴らしいと思ったのは彼の姿勢です。

・まず知らない事ははっきり知らないと答える。
 もちろん、「多分こうだったのではないかと思う。」という言葉は返してくれますが、でも実際のところはどうかわからないという真面目な答え方。

・知っている事でも専門でない事はあまり答えない
これは、その筋の第一人者に聞いてくれ。俺はその専門家ではないから、彼らが講習で得るべき収入まで俺がとってしまう事が無いようにしたい。

という返答でした。

なんと、素晴らしい回答。

もちろん知っている事は丁寧に答えてくれました。

俺も、知らない事、教わったことは、基本的に
「これは誰々から教わった」と断って教えるように心がけております。
そして、ある程度出来るようになったら、是非その上のレベルの先生に教わってほしいと勧めていきます。

文化も学問も伝承です。
誰かに教わったことを次の世代が誰かに伝えていかなければいけません。
その意味では、人に教わったことを教えるという事自体は悪い事ではないと思います。
でも、もし、その大元の人が教えてくれるなら、その人から教わるという機会はもって損はないのではないでしょうか。
しかもHIPHOPは若い文化だから、まだオリジネイターが多数生存しております。
あと数十年経ったら、他界するオリジネーター達が増えてきてしまいます。

今のうちです。

是非今のうちに、活かせるチャンスは活かして下さい。


毎回こんな素晴らしい機会を作ってくれているRSCのMASAMIさんと、俺の質問にも丁寧に答えてくれたMR.WIGGLESにあらためて感謝いたします!!

WIGGLESのHIP-HOP CMAP やダンスレッスンはまだ続きます。


【Mr Wiggles WORKSHOP TOUR 2016】
3/1 OSAKA
3/2 OSAKA
3/3 OKAYAMA
3/4 YAMAGUCHI
3/5 Kitakyushu(KOKURA) WS
3/6 HipHop Camp vol.2 Shimonoseki @BENCH MARK
3/7 MIYAZAKI
3/8 OITA
3/9 KUMAMOTO
3/10 KAGOSHIMA
3/11 Okinawa
3/13 POWER STATION vol.8 @SHIBUYA HARLEM
3/14 TOKYO Departure to SINGAPORE RF JAM