LOCKIN'のステップ、「スクービードゥ」 驚きの秘密!! | B-Boy Takeo のブログ

LOCKIN'のステップ、「スクービードゥ」 驚きの秘密!!

本日は縁あって愛知県のスタジオHさんというところで、Lockin'のワークショップをやらせていただきました。

自分がLockin'をきちんと習ったのは恐らく35才ぐらいだと思います。
それまでは友達に習ったり、ビデオを見て独学で練習しておりました。
一応一通りの動きは出来るような状態ではありました。

ある時、俺のチーム「Spartanic Rockres」内では唯一の先輩、佐久間さんに、一緒にバトルに出ようと誘っていただき、それならちゃんとやらないとという事で、自分のスタジオ、フェイスの佐久間さんクラスを受講したのがきちんと習ったという意味では最初でした。


初めてのクラス、LOCKに限らずほとんどレッスンというものを受けたことない俺。
やっている事がチンプンカンプン過ぎて、なにからどうしていいかも分からない状況。
コテンパンにやられた後に、
「そうだ、ステップを一つづつ教えてもらって直していこう」
と思い立ち、佐久間さんにお願いします。


「スクービードゥを教えてください。」


ここで佐久間さんがとんでもないことを言い始めます。
普通の理解では、スクービードゥはトォワル、ロック(ダウン)、キック、踏みかえ、ストンプ(地面を足で踏む)の5つの動作と理解していると思います。
しかし、佐久間さんは後半のキックからの動作、要するに「3つ」の動作の部分が
「7つに分かれている」とおっしゃった。


★俺の心の声★
「え、7つに分かれているって???
絶対に分かれてない!」


・・・心は叫ぶものの(笑) 
聞いた手前その「7つに分かれている」という動作の練習を始めたわけです。
動作の事なので、ここで細かく書くことはしないですが、とにかく驚愕の回答であった。


一応言われた通り練習をするものの、これが難しくてなかなか身につかない!!
恐らく2-3週間毎日何十回かやってようやくそれらしくなってきた。



それから数か月後、イベントで佐久間さんがトニーさんと踊るショーがありました。
トニーさんは言わずと知れたLOCKIN'のオリジネイターグループ、LOCKERSのメンバーでもあり、佐久間さんのLOCKの師匠と言える方です。

俺はその時ショーを後ろから見ていました。
ショーの中で佐久間さんとトニーさんが2人でスクービードゥをやるシーンがありました。


★それを見た時の俺の心の声★

「おぉーーーー、そっくり!

この2人そっくりだ!!

トニーさん、佐久間さんにそっくり!!」



もちろん本当はその逆で、佐久間さんがトニーさんにそっくりなんですが(笑)とっさに俺はそう思ってしまった訳です。

裏を返すと、それだけ2人の踊り方が同じであり、要するに佐久間さんの
「7つに分かれている」という理論は正しかったのです。
失礼ながらその時ようやく確信を持ちました(笑)



ダンスに関する知識や理解が深まってくるにつれ、佐久間さんに教わった理論がだんだんはっきりと分かるようになってきました。
スクービードゥの後半3つの動作は、カウントでいうと「3&4」ですね
佐久間さんはそれを

3-1,3-2,3-3,3-4,4-1,4-2,4-3

と分けて取っていたわけです。

要するに16ビートの流れを追っていたわけです。

注意)よくダンサーが言っている16ビートとは音楽的には8ビートの事です。本来の16ビートは1章節の4分音符を4つに割る音の取り方です。ビート1が4つに分かれます。


トニーさんは恐らくそんな事考えて踊っていないと思われます。単純に16ビートを追って踊っていらっしゃるのだと思います。
それがトニーさんにとって普通の事なんでしょう。

それを、日本人である佐久間さんは、理解できなくて、徹底的に分析したんだと思います。そして体系化し、繰り返し練習することで自分のものにした。
素晴らしい というか、
この秘密を解き明かす恐るべき執念!!


俺も含めて、多くの人は、恐らく
「なんか違うなぁ~ 何が違うんだろう、やっぱり黒人だからフィーリングが違うのかな??」
みたいな曖昧な結論で終わっているかと思います。


あとからジワジワと来る佐久間さんの凄さ!!



さぁ、ここでもう一度想像してみてください。

「ここは7つに分かれている」

と佐久間さんに説明された時の俺の気持ち

「絶対分かれてないよ~!」


から、


トニーさんと踊る佐久間さんを見た時の

「あぁ、トニーさん佐久間さんにそっくりだ!!(本当は逆)」


からの、

「本当だった、7つに分かれてた!!」


の俺の心の流れは結構笑えます(笑)

とにかくそんな衝撃な事件でした。



その後来日したNYのFIRE LOCK と佐久間さんと3人で飲んだ時、俺がFIRE LOCK にこの話をしたら、FIRE LOCKは声に出して感動しておりました。

彼は、実は佐久間さんの踊りを見て、LOCKを始めたのです。
逆輸入(逆輸出?)です。



俺たちはそんな執念の先輩たちの築いてきた礎(いしずえ)の上で踊っております。
習った事を次の世代に教えております。
でも、やっぱり7つに分かれているところまで解析した佐久間さんのような先輩の凄さには、未だに到底及んでおりません。


最近はバトルで活躍しているような若いダンサーに習っている人が多いと思います。
それはもちろん悪い事ではないと思いますが、正直、先輩たちのキャリア、知識と比べたら全くレベルが違います。

先輩達に習った我々や、もっと下の後輩たちは、リスペクトとそれを伝える気持ちを忘れていはいけません。
まるで自分一人で育ってきたみたいな振る舞いをしている人もたまに見かけます。

失礼だし、残念です。

ちゃんと公言しましょう。
「俺はダレダレさんから習ったんだ」と。
習った事を自分なりに落とし込んで今レッスンしてるんだと。
恥ずかし事でも、かっこ悪いことでもないです。


さぁ皆さん、

出来るだけ先輩に習いましょう!!

LOCKで言えば「よし坊」さんや「SEIJI」さんや「佐久間さん」のような先輩に習いましょう。

毎週習える環境がないなら、是非ワークショップなどチャンスがあれば受けてください。若いダンサーが教えてくれない事を山のように教えてくれます。
俺は自分の実体験から言っているので間違いないです。

先日もイベントのジャッジでSEIJIさんとご一緒させていただき、その知識の深さに改めて感心しました。


先輩のいう事、最初、チンプンカンプンで「何言ってるか分からない」と何度も思いましたが、理解が深まるにつれてだんだん分かってきます。
その凄さ、その深さ、そして音楽との融合の素晴らしさが!!!



話が散漫になってきたので、まとめます。


1.オリジネーターも凄いがそれを解析して自分の中に落とし込んできた佐久間さんのような日本のオリジネイターも凄い!!

2.そういう先輩たちに直接習うチャンスがあるのだから、是非チャンスは活かしてください!深みがまったく違います。

3.先輩をリスペクトし、先輩に習ったことを公言しましょう!!


俺は、LOCKで言えばまだ学ぶことの方が多い駆け出し(歳だけはとってきたが)なんで、まだまだ先輩から謙虚に学んでいきたいと思います。
そして学んだことをちゃんと消化したのちに、自分なりに下の世代に伝えられればと思います。


最後に宣伝です。
スタジオフェイス赤阪校でも佐久間さんのレギュラークラスやってます。
毎週水曜日20:30-22:00です。
最近は若い生徒がほとんど来ない状態です。
本当にもったいないと思っています。

皆さん是非おいで下さい!

素晴らしい、深いダンスをたくさん教えていただけます!!

http://www.s-faith.com/akasaka/