我々に出来ること!! | B-Boy Takeo のブログ

我々に出来ること!!

遅くなりましたが、フランス滞在の報告でございます。

今回パリで行われているダンスディライトにジャッジとして呼んでいただきました。
いろいろと予定が立て込んでいる最中だったので、行くべきか悩みましたが、周囲の皆さんのご協力のおかげで行く事が出来ました。
皆さん、ありがとうございました。

書きたいことはいろいろとありますが、まずは、一番俺が感じた事を書きたいと思います。

それは、日本人である、黄色人種である俺が、
海外で、黒人や、ヒスパニックの人達にダンスを教えたり、ジャッジをしたりする事の、ある種「違和感」というか、「そういう時代になったんだな」と言う実感です。


何度も海外でBREAKIN' BATTLE のジャッジをしてきたけれど、何故か今まではあまり感じませんでした。
多分それは、今回ヒップホップやポップなど、BREAKIN'以外のジャンルのジャッジもして、日本人を見るときと同じようにダンスに関する理屈と言うか、ダンスに関する真理は常に一緒だという事を実感したからのような気がします。

外国人でも、黒人でも、音をはずしている人は外してるし、
リズムをとってない人はとってない。
もし10年前の自分だったら、その踊り方に対して「そういうものなのか」と思ったのかもしれない。

音楽があって ビートがあって それに合わせて踊る。

何度も書いておりますが、それがストリートダンスの定義だと思っています。
だとすれば、それは黄色人種であろうが、ヒスパニックであろうが、黒人であろうが同じ事です。

リズム感の良いとは言えない自分だから、この事についてずっと考え続けてきました。
それが故に、今ようやく、そういう事を判断できるようになったのかなと思います。
ストリートダンスという事を考えると、人種的なコンプレックスはこれからも持ち続けると思います。
それは特に俺たちの世代の人間だったら当たり前かも知れない。

しかしながら、それを踏まえても、例え黒人に対してでも
「音をはずしているよ!」
とちゃんと言えるレベルにようやく自分が来たのだと思いました。

これは、決して自分がダンスが上手くなったという話ではなく(もちろん昔よりは多少うまくなっているとは思いますが)、しっかりとした真理に根ざした見る目が確立したという事だと思います。
同時に、音を大事にしている日本人のダンサーが、これからもっともっと海外で活躍できるという確信を持てました。


実際今回一緒に行った子供達、IBUKI、KYOUKA、SHIGEKIX。いずれも現場で高い評価を得ていたし、彼らのスキル、ダンスは素晴らしいものです。
日本人ダンサーの未来は本当に明るいものだなという気持ちになりました。



滞在中はオーガナイザーのブルースのやっているダンスの専門学校でもBREAKIN'を教えさせてもらいました。
教える生徒は、ヒスパニックや黒人、白人です。
BREAKIN'の成り立ちや、ラテンカルチャーからの影響について、ラティーノに説明している違和感が、皆さんに伝わるでしょうか?
例えるなら、日本人が黒人から盆踊りを習っているようなものです。

前にNY出身のダンサーにヒップホップの成り立ちについて質問されたことがあります。

歴史の伝承については結局世界的に同じことになっているようですね。
文化の継承は我々のカルチャーにとってある意味「生命線」だと思っています。
世界中どこでも、新しい世代に文化を伝承する役割を、それを知る世代はになっている訳です。
これはもちろんダンスに限った話ではありません。

「文化」を、
ただの「流行」にしないように、
知識としての伝承も忘れず行っていきたいものです。