ダンスが上手くならない原因 パート1 | B-Boy Takeo のブログ

ダンスが上手くならない原因 パート1

フランスのCHELLESという町で行われる国際的なバトルイベント、CHELLES BATTLE PRO に来ております。
イベント本番は明日なので、その事はまた追って書きたいと思います。

今日は、ダンスがなかなか上手くならない人達と接していて自分が気づいた事を書きたいと思います。
いくつか原因があると思うんですが、そのパート1です。

最近流行っているヒップホップとJAZZの混ざったようなダンスをやっている方、要注意です。
リズム取れない、他の踊り出来な人が沢山おります。
そういうダンスは確かに踊れるような気がするし、振付を覚えればなんとなく恰好はつきます。

でもそれまでです。

ちゃんと踊りの本質をとらえてから、そういうスタイルを学ばないと、結局一人ではまったく踊れない人になってしまいます。

誤解しないでください。
これはそういうスタイルの批判ではないのです。
このスタイルを踊っている人でもかっこいい人、踊れる人は沢山います。

ここで言いたいのは、踊れないのに踊れる気になっている人が沢山いるという事と、
そういう気持ちになり易いスタイルであるという事です。

現にそういう人を腐るほど見てきました。

ヒップホップ(ストリートダンス)とは、
1.にリズム
2.にステップです

これは恐らくストリートダンスで言えばジャンルに関係ない不変の定義だと思います。

さて、ダンスが上手くならない原因の1つとして今日書きたいのは、「ダンスの捉え方の誤り」です。

まず、ステップを例にとって考えてみましょう。
ステップには必ずそのもとになった原形があるはずです。
おおもとは、いたってシンプルなツーステップだったりします。
それが段々変化していき、特徴的なステップになっていくのです。


ある天才ダンサーが、
突然、神の啓示を受けて新たなステップをあみだした!!!

・・・なんて事は無いんです(笑)


もちろん、そのステップに変化させるには天才的なダンサーの働きがあったと思いますが、
それでも、何も無い所から生まれてくるわけではないのです。


どんなステップも、もとはこうだったんだろうなって大体察しがつきます。
シンプルなリズムダンスの発展系なのです。

しかし教える人も教わる人もそれを理解していないケースが多々あります。
そうなると、形だけを追っかけるようになります。
ここで腕が曲がっているとか、ここで足が横を向いているとか、そういう理解の仕方になります。
それは、確かに現象としては間違ってはいないのですが、ダンスとは、あくまで全体の流れからの結果であって、その部分の動きだけがステップやダンスであるわけではないのです。
リズムをとりながら体を上下に動かす、左右に動かす、そういった流れの中に足の動きや手の動きが入ってくるのです。

これが「動き」と「おどり」の違いであり、
「体操」と「ダンス」の違いなのです。

ダンスは上手くなればなるほど、体の流れが、運動的に考えても自然な流れになってきます。

それはあたかも水が低きに流るるがごとく。
あるいは太極拳のような丸みを帯びた円の動きにも近づいてきます。

シンプルなステップを音楽に合わせて踊っている時、
そしてそれがだんだん自分の中で昇華し、音楽と一体になっている自分を感じる時、
それはダンサーにとって至福の瞬間です。
振付ばかり追っかけている人のほとんどは、
その幸福感を味わったことがないと思います。

「あ~、ダンスってこんなに楽しいもんなんだ」

って感覚は、音楽と、リズムと一体化した時に生まれる感覚です。

それを知らないでずっとストリートダンスをやっているというのは、とっても残念な事です。

ステップはパーツパーツの動きではないのです。
全体の流れの中で調和を持った動きなのです。
新たなステップを習得しようと思った時、
自分のステップを見直す時は、是非その事を思い出してください。