こんにちは。せいじょう鍼灸院の草野です。
前回このブログを更新したのが、去年の6月でした。
それから一年以上、ここを空けたままにしていました。
読んでくださっていた方には申し訳ないです。
理由は単純で、日々の訪問と院のことで手一杯だったから、それだけです。
また書こうと思ったのは、訪問に伺うたびに考えることがあって、
それを一度きちんと言葉にしておきたくなったからです。
施術を受けているご本人ではなく、そのご家族の話です。
訪問に伺うと、施術の前後にご家族と話す時間があります。
娘さん、息子さん、奥さん、旦那さん。
ちょうど私と同じくらいの年代の方が多いです。五十代、六十代。
その方たちと話していて、ほとんど例外なく共通していることがあります。
自分の体のことを、後回しにしている。
こちらから「腰、つらくないですか」と聞くと、
たいてい「痛いですけどね、まあ」で終わります。
「まあ」の先が続かない。続けたところでどうにもならないと、
ご自身がいちばん分かっているからだと思います。
病院に行く時間が取れない。行くとなれば、
待ち時間を含めて半日はつぶれる。
その半日、親を一人にしておけない。
ヘルパーさんの時間を動かすのも簡単ではない。
だから行かない。
「そのうち行きます」
と言ったまま、二年、三年と経っている。
私はこの仕事を二十五年やっていますが、
訪問を専門にしてから、この光景をよく見るようになりました。
そして、はっきり言ってしまうと。
その家の中でいちばん無理をしているのは、施術を受けている方ではなく、
介護しているご家族のほうだった、ということが少なくありません。
私が伺うのは、あくまで施術を受けるご本人のところです。
介護されているご家族は、私の患者さんではありません。
だから私にできることは限られていて、
せいぜい「無理しないでくださいね」と声をかけるくらいです。
でも、その一言でどうにかなる話ではないことも、分かっています。
介助で腰を痛める方は、本当に多いです。
ベッドから車椅子へ移すとき、
体を起こすとき、支えきれずに自分の腰にきてしまう。
ただ、それを口に出す方は、あまりいません。
介助される側が、気を使うからです。
自分を起こしたせいで娘さんが腰を痛めた。
そう分かれば、ご本人が申し訳なく思う。
それが分かっているから、言わない。
コルセットを巻いて、湿布を貼って、そのまま続けている。
こちらから「腰、大丈夫ですか」と声をかけると、
そこで初めて「実は結構痛いんですよね」とおっしゃる。
そういう方が、とても多いです。
聞かなければ、出てこない話です。
先日も、施術に伺った先で、ご家族がそばに座り込んでいらっしゃいました。
何をするでもなく、ただ座っている。疲れ切っている、という様子でした。
体も痛かったのだと思います。ただ、あのとき疲れていたのは、体だけではなかったはずです。
介護は、終わりの見えないものです。
だからこそ、支えている側が先に倒れてしまうと、
そこで全部が止まります。
ご本人のためにも、
支えている方が自分の体を後回しにしない方がいい。
きれいごとではなく、現実的な話としてそう思います。
とはいえ「病院に行ってください」と言うだけでは、
何も変わらない。時間が取れないから行けていないのであって、
行く気がないわけではないからです。
ここが難しいところだと、ずっと感じてきました。
現場を見ていて思うのは、介護で削られているのは体力だけではない、
ということです。
心のほうが、先に疲れている。
そちらは、湿布ではどうにもなりません。
では何ができるのか。
正直なところ、まだ答えは出ていません。
ただ、一つだけ分かったことがあります。
聞かれれば、話してくださる。
「実は結構痛いんですよね」という言葉は、
こちらから声をかけたから出てきたものです。
放っておけば、そのまま出てこなかった。
だから、これからも聞くようにしています。
それで何かが解決するわけではないのですが、
言えないまま抱えている状態からは、一歩だけ動く気がしています。
このブログでは、これから、
訪問の現場で実際に見ていることを書いていこうと思います。
それともう一つ。私自身も五十代で、ご家族の方たちと同じ年代です。
自分の体で考えていること、やってみたことも、あわせて書いていくつもりです。
一般的な健康法の話は、調べればどこにでも出てきます。
私が書く意味があるのは、よそに載っていない、現場で見ていることと、
同じ年代の一人として実際に試していることのほうだと思うので。
また書きます。
せいじょう鍼灸院/世田谷区の訪問鍼灸
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