こんにちは。せいじょう鍼灸院の草野です。

今日は、お金のかからない話です。

健康診断の結果を、どこにしまっているか、という話です。

私は長いあいだ、封筒のまま引き出しに入れていました。

開けてはいます。

いちばん上の総合判定を見て、大きな問題がなければ、それで終わり。

数字の並んだページは、ほとんど見ていませんでした。

先に、数字の話を少しだけさせてください。

働いている人の健康診断で、何かしらの所見がついた人の割合は、いまは6割近くになっています。

つまり、引っかかるほうが普通です。

引っかかった人が、そのあと病院に行ったかどうかを聞いた調査もあります。

今年の春に、全国の2,000人に聞いたものです。

要再検査や要精密検査と言われた人のうち、行っていない人が4割強でした。

私が引っかかったのは、その先です。

行かない理由の1位は、忙しいから、ではありませんでした。

「深刻度が判断できない」が1位。

2位が「急ぐのかどうか分からない」。

3位が「どの病院に行けばいいか分からない」。

つまり、放っておいているというより、どうしていいか分からなくて止まっている。

もう1つ、同じ調査で気になった数字があります。

結果をきちんと読んだ人は、7割近くが病院に行っています。

総合判定だけ見た人は、4割弱。

ほとんど見ていない人は、3割弱でした。

結果を見ていない人ほど、病院に行っていない。

当たり前のようですが、私はここで少し黙りました。

総合判定だけ見て引き出しに入れていた自分は、真ん中の「4割弱」の人でした。

ここで、前々回から先送りにしていた話をします。

50代になって、実際に何を変えたのか、という話です。

大したことではありません。

去年から、健康診断の結果を、前の年のものと並べて見るようにしました。

それだけです。

なぜそうしたかというと、1年分だけ見ても、何も分からなかったからです。

たとえば、ある数字が基準の範囲に入っている。

それは分かる。

でも、去年より上がっているのか、下がっているのかは、1枚では分かりません。

3年分を並べると、基準の中にいながら、少しずつ同じ方向に動いている数字がありました。

私の場合は、血圧でした。

1年ごとに見れば、どの年も「問題なし」の欄に入っています。

それが、3枚並べると、上の数字が毎年少しずつ上がっていた。

まだ「異常」ではない。

でも、去年の自分より確実にそちらに寄っている。

1枚では「今の自分」しか見えない。並べると「向かっている先」が見える。

これは、前回書いた鏡の話と、たぶん同じことです。

昨日の自分と比べているうちは、変わっていないように見える。

去年、一昨年と並べて、初めて分かる。

ここから先は、仕事の話に少し寄ります。

私は訪問先で、健康診断の結果をご家族が持ってくる場面に、ときどき立ち会います。

「これ、どう思います」と聞かれる。

私は医師ではないので、数字の意味を判断する立場にありません。

ただ、話を聞いていると、聞きたいのは数字の意味ではないことが多いと思っています。

聞きたいのは、これは急ぐ話なのか、ということです。

さっきの調査の1位と、同じです。

そういうときは、結果を出した健診機関か、かかりつけの先生に、その紙を持って聞いてください、とお伝えしています。

「深刻度が分からない」で止まっている状態は、聞けば1回で終わります。

自分で判断しようとするから、止まる。

私自身も、並べて気になった血圧のことは、次の健診のときに聞くようにしました。

それで、何かが治ったという話ではありません。

ただ、引き出しに入れて忘れていたときより、自分の体の向かっている方向は、少し分かるようになりました。

お金はかからない。かかるのは、封筒を開けて並べる10分だけです。

前回、介護しているご家族が自分の体を後回しにしている、と書きました。

健康診断の結果を引き出しに入れるのは、その一番小さい形なのだと思います。

また書きます。

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