ビルボードのNo.1ソングを時系列にご紹介しております。前回、ザ・ローリング・ストーンズがディスコ・ナンバーに取り組んだ"Miss You"をご紹介しました。この曲がNo.1を獲得したことは、ディスコ・ミュージックがロックの世界にまで影響を与えたということで、この時代を象徴する出来事であったと思います。そこでここらで一区切りつけたいと、3回目の長期のチャート概観をしてみたいと思います。

これまで、「ロック黎明期」「ビートルズ期」として長期的なチャート動向をとりまとめて来ましたが、今回は3回目、「ディスコ期」と銘打って1970年6月27日~1977年8月5日の期間のチャートを振り返ってみたいと思います。

過去のとりまとめ記事はこちら。
I  ロック黎明期

  → https://ameblo.jp/bbkosi/entry-12471220232.html?frm=theme
II ビートルズ期

  → https://ameblo.jp/bbkosi/entry-12555166874.html?frm=theme


まずは、この期間にNo.1に輝いた211曲のトップ在位週数ランキングを見てみたいと思います。

1位(10週)
 You Light Up My Life / Debby Boone (1977)

2位タイ(8週)
 Tongiht's the Night / Rod Stewart (1976)
 Night Fever / Bee Gees (1978)

4位(7週)
 Shadow Dancing / Andy Gibb (1978)

5位タイ(6週)
 Joy to the World / Three Dog Night (1971)
 The First Time Ever I Saw Your Face / Roberta Flack (1972)
 Alone Again / Gilbert O'Sullivan (1972)

8位タイ(5週)
 I'll Be There / The Jackson 5 (1970)
 One Bad Apple / The Osmonds (1971)
 It's Too Late / Carole King (1971)
 Maggie May / Rod Stewart (1971)
 Killing Me Softly with His Song / Robert Flack (1973)
 Silly Love Songs / Wings (1976)
 Best of My Love / The Emotions (1977)

ということで、デビー・ブーンのデビュー曲"You Light Up My Life"が、エルヴィス・プレスリーの"Don't Be Cruel"の11週に次ぐ10週の首位キープを果たし、この時期最高記録となりました。


続いてアーティスト別データ。まずはNo.1獲得曲数を見てみましょう。

1位タイ(6曲)
 ビージーズ、ポール・マッカートニー(ウィングス含む)
3位タイ(5曲)
 エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダー
5位タイ(4曲)
 ダイアナ・ロス、イーグルス、ジョン・デンヴァー

 KC&ザ・サンシャイン・バンド
9位タイ(3曲)
 アンディ・ギブ、バリー・ホワイト、カーペンターズ、シェール、ヘレン・レディ
 ロバータ・フラック、ザ・ローリング・ストーンズ、スリー・ドッグ・ナイト

さらにトップ在位週を見てみましょう。

1位 ビージーズ(22週)
2位 ポール・マッカートニー(ウィングス含む)(14週)
3位タイ アンディ・ギブ、ロッド・スチュワート(13週)
5位 ロバータ・フラック(12週)
6位 エルトン・ジョン(11週)
7位 デビー・ブーン(10週)
8位 スリー・ドッグ・ナイト(9週)
9位タイ カーペンターズ、ドーン、ダイアナ・ロス、ザ・ジャクソン5
     スティーヴィー・ワンダー(7週)

前回のザ・ビートルズ(20曲、59週)には及びませんが、曲数・在位週でビージーズがこの期間の首位となりました。アンディ・ギブを含めたギブ兄弟では9曲35週ということで、やはりこの時代はビージーズの時代と言えましょう。一方で元ビートルズのポール・マッカートニーがこれに続いてます。他の3人も含めた元ビートルズでは11曲がこの期間首位を獲得しており、ビートルズの勢いはまだまだ衰えてないとも言えますね。

この他、70年代を代表するアーティストが並んでいます。シンガー・ソングライターやニュー・ソウルといった当時のトレンドの威力を感じさせるランキングです。


最後に、これら211曲の属性を分析してみます。
[  ]内は「←II←I」で過去の割合を表しています。

○女性シンガーおよび女性のみのグループによる曲
  33曲(15.6%)[←17.3%←13.4%]
○黒人ソロ・シンガーおよび黒人のみのグループによる曲
  59曲(28.0%)[←22.6%←20.4%]
○2人以上のグループによる曲
  100曲(46.5%)[←76.7%←25.4%]
○アメリカ人以外による曲
  44曲(20.9%)[←33.1%←3.5%]
○ディスコ・ナンバー
  37曲(17.5%)
  
第2期に伸びた女性シンガーはほぼ横ばい、グループは激減、非アメリカ人もブリティッシュ・インヴェイジョンが納まり減少となりました。一方、この時期初めてチャートを賑わしたディスコ・ミュージックは2割弱を占めております。そんなこともあってか、ブラック・ミュージックもさらに割合を高めています。そんなこともあって、この期間を「ディスコ期」と呼ばせていただきました。

それでは最後に、この期間を象徴するナンバーということで、ビージーズの"Night Fever"をお聴き下さい。