発売50周年記念アルバム、今回は、ウェスト・コーストのスーパー・グループ、ザ・サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドのデビュー・アルバムをピックアップしました。
The Souther-Hillman-Furay Band
74年発表
元ザ・バーズのクリス・ヒルマン、バッファロー・スプリングフィールドやポコに在籍したリッチー・フューレイ、そして、イーグルスやジャクソン・ブラウンと交流のあったジョン・デヴィッド・サウザーの3人が集結して結成されたグループ。サウザーは後にソロ・シンガーとして"You're Only Lonely"等のヒットを飛ばしていますね。こうやって経歴を見てると凄いグループだなぁと思いますが、当時は(少なくとも私の周りでは)ウェスト・コーストから出て来た新グループの1つといった紹介のされ方でした。
3人が皆、作曲能力があるため、ヒルマンとフューレイがそれぞれ3曲、サウザーが4曲を提供した10曲が収録されています。ただ、あまり曲調には、極端な変化はなくて、全体的に統一されたウェスト・コースト・サウンドを楽しめる作品です。
バンドとしては、フューレイとサウザーがギターを、ヒルマンが主にベースを担当し、ドラムスでなんとジム・ゴードンがサポートしています。
【収録曲】
① Fallin' in Love
② Heavenly Fire
③ The Heartbreaker
④ Believe Me
⑤ Border Town
⑥ Safe at Home
⑦ Pretty Goodbyes
⑧ Rise And Fall
⑨ The Flight of the Dove
⑩ Deep, Dark And Dreamless
それではこの中から5曲ご紹介していきますが、動画は見つかりませんでした。
オープニングはフューレイ作の①"Fallin' in Love"。バッファロー時代からフューレイの曲には、何か抜けたような明るさがありましたが、この曲はそんな彼の個性が全面に出たナンバー。デビュー・シングルともなった、まさにウェスト・コースト・サウンドを象徴するような曲
サウザー作のミドル・テンポ・ナンバーの③"The Heartbreaker"。既に彼のメロディ・メーカーとしての才能を感じさせる、親しみやすいメロディが印象的です。
https://www.youtube.com/watch?v=YNXCptnLhU8
誰が弾いているのかわからないのですが、ピアノをフィーチャーしたフューレイ作の④"Believe Me"。落ち着いた雰囲気のナンバーです。
https://www.youtube.com/watch?v=zmZGHVdR8_0
アナログではB面トップに収録されたヒルマン作の⑥"Safe at Home"はミデディアム・テノのロック・ナンバー。2ndシングル・カットとなったようです。イーグルスにも引けを取らないノリの良い曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=o4RTw5DXw4M
アルバム・ラストに収録されたサウザー作の⑩"Deep, Dark And Dreamless"は、ゆったりとしたカントリー・バラード。後のサウザーの活躍を予感させる心に沁みる曲。他の2人によるコーラスも美しいです。
https://www.youtube.com/watch?v=KAScBZ5N7kw
いろんな意味で、ウェスト・コースト・サウンドの隆盛を土台で支えて来た3人の実力を余すことなく織り込んだ名盤であると思います。