00年代初頭のガレージロック・リヴァイヴァル・ムーヴメントにおいて、UK出身バンドとして絶大な支持を受けたザ・リバティーンズが、15年のリユニオン以来、9年ぶりとなる4枚目のアルバムを発表しました。久々だったので、あんまり期待しないでゲットしたのですが、思いのほか、いい内容の作品でした。

 

All Quiet on the Eastern Esplanade 

/ The Libertines

24年発表

ヴォーカルのピーター・ドハーティとギター&ヴォーカルのカール・バラーの2人を中心にロンドンで結成された4ピース・バンド。02年に元ザ・クラッシュのミック・ジョーンズのプロデュースでデビュー・アルバムを発表。一躍、大きな支持を得ましたが、ドハーディのドラッグ癖が原因で、メンバー間の関係が悪化。04年に解散。その後、中心人物の2人はソロ活動を行って来ましたが、ドハーティがドラッグ禍から立ち直り、15年にはバンドとしての新作(これは聴いていませんでした)を発表。そして、どんな経緯があったのかは確認できていないのですが、この程、新作が発表されました。

今回の新作ゲットを機に、Spotifyで前作を聴いたのですが、なんとなく重苦しい雰囲気があって、本来の彼らの姿は感じられなかったのですが、今回の新作は、デビュー・アルバムに感じられた、溌溂とした勢いがあって、結構気に入っております。

【収録曲】
 ① Run Run Run
 ② Mustangs
 ③ I Have a Friend
 ④ Merry Old England
 ⑤ Man with the Melody
 ⑥ Oh Shit
 ⑦ Night of the Hunter
 ⑧ Baron's Claw
 ⑨ Shiver
 ⑩ Be Young
 ⑪ Songs They Never Play on the Radio


それではこの中から5曲ご紹介して行きましょう。

まずはオープニング・ナンバーの①"Run Run Run"。先行シングルとして昨年10月に発表されていたようです。リード・ヴォーカルはバラー。テンポの良いナンバーで、彼らのデビュー当時の勢いを彷彿させます。


続く、②"Mustangs"もバラーのヴォーカルによるナンバーで、ミドルテンポのハード・ポップ風のナンバー。これまでの空白はなんだったんだと思う位の名調子。
https://www.youtube.com/watch?v=Fz2LskZX-9o

ドハーティのリード・ヴォーカルによる④"Merry Old England"は、ブリット・ポップやガレージリヴァイヴァルが蘇ったようなタイムスリップ感を感じる曲。ストリングスも導入されており、ドラマティックな雰囲気があります。
https://www.youtube.com/watch?v=cpYB_FxB2MA

またまたバラーのヴォーカルによる⑥"Oh Shit"は、70年代の後半にパンク・ニューウェイヴ・サウンドの雰囲気を感じるテンポの良いナンバー。UKロックの伝統すら感じさせます。
https://www.youtube.com/watch?v=ebUWPhIhnxg

ラス前に配置された⑩"Be Young"もスピード感溢れるナンバーで、ドハーティとバラーの2人でリード・ヴォーカルをとっています。後半途中でレゲエ・リズムを取り入れるところも、ニューウェイヴ時代を思わせます。
https://www.youtube.com/watch?v=wHySpAvZaw8


いろいろお騒がせのバンドでしたが、このアルバムでしっかり立ち直ったような気がします。今後、コンスタントにアルバムを発表してくれることを期待します。