月1でお送りするつもりのフライディ・ジャズ・クラブですが、3月はアップなしになってしまいました。今回はアメイジングなピアニスト、バド・パウエルの登場です。

 

The Scene Changes / Bud Pwoell
59年発表

40年代後半から確立されて行ったビバップ・スタイルの隆盛に貢献したパウエル。音楽的全盛期は40年代後半から50年代前半にかけてでした。50年代中頃には薬物やアルコール中毒に苦しみますが、そんな中で発表されたのがこのアルバム。

52年にブルーノートからの初リーダー・アルバムのタイトル"The Amazing Bud Powell"の第5弾との副題がつけられています。初期の演奏に比べると評価は低いようですが、「クレオパトラの夢」のような有名曲を含んでいることや、息子さん(だったと思う)がチラッと覗いてるジャケットで、彼の作品の中では広く知られていると思います。

【パーソネル】
 バド・パウエル:ピアノ
 ポール・チェンバース:ベース
 アート・テイラー:ドラムス


ポール・チェンバースはこの時期のジャズ・アルバムなら、どこにでも顔を出している感のある売れっ子ベーシスト。アート・テイラーは、ジョン・コルトレーンやレッド・ガーランドの多くの作品に参加しているようです。

【収録曲】
 ① Cleopatra's Dream
 ② Duid Deed
 ③ Down with It
 ④ Danceland
 ⑤ Borderick

 ⑥ Crossin' the Channel
 ⑦ Comin' Up
 ⑧ Gettin' There
 ⑨ The Scene Change


オープニングは前述の有名曲、①"Cleopatra's Dream"。パウエルが奏でるテンポの良いキャッチーなメロディが印象的。左手のコードの歯切れの良さも曲にメリハリを与えています。


A面ラストの⑤"Borderick"もスウィング感満載のナンバーで、ピアノが奏でるメロディが美しいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_XTPL1fG9Vo
 

「今日の1曲」のコーナーでアップソング特集をやっているわけではありませんが、⑦"Comin' Up"もご紹介しましょう。変則的なリズムの曲で、アルバムの中では異彩を放っているナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=UgelnipWFoU

ラストはアルバム・タイトル・ナンバーの⑨"The Scene Changes"。パウエルの速弾きやテイラーのドラム・ソロをフィーチャーしています。
https://www.youtube.com/watch?v=ae-LKUc_SjM


60年代になるとフランスへ移住し、活動も低調になり、ニューヨークに戻ってからの66年、41歳で若くして亡くなっています。