西暦下1ケタが4の年は何かが起こります。

64年:ザ・ビートルズがUSデビュー
74年:クイーンが"Killer Queen"を発表
84年:プリンスが"Purple Rain"で大ブレイク
94年:オアシスがデビュー
04年:グリーン・デイが"American Idiot"を発表
14年:ロイヤル・ブラッドがデビュー

最後のはあんまりインパクトがありませんが、そのディケイドを代表するアーティストや作品にスポットが当たったことが起こって来ました。そんなわけで、このところ青森に引っ込んだこともあって、新人発掘が疎かになっておりましたが、今年は、少し気合を入れて新人にも目を向けて行こうと思っていた矢先に、タワーレコードで紹介されていたこのバンドのPVを見て、お、いいじゃないかと思ってデビュー・アルバムを購入しました。そのバンドはフリコ

 

Where We've Been, Where We Go from Here / Friko
24年発表

【収録曲】
 ① Where We've Been
 ② Crimson to Chrome
 ③ Crashing Through
 ④ For Ella
 ⑤ Chemical
 ⑥ Statues
 ⑦ Until I'm with You Again
 ⑧ Get Numb to It!
 ⑨ Cardinal


19年にシカゴで結成されたギター&ヴォーカルとドラムスのデュオ・ユニット。20年と22年に自主制作のEPを発表しているようですが、この度、インディ・レーベルのATOレコードからデビュー・アルバムが発表されました。

ヨ・ラ・テンゴ、ウィルコ、アーケイド・ファイアーなんかを思わせる、いかにもインディといったサウンドで、パンク・ニューウェイヴ、グランジ、ガレージ・ロック・リヴァイヴァルなんかを好んで来た者にとっては、大好物のサウンドでした。

ニコ・カペトン(g, vo)とベイリー・ミンゼンバーガー(dr)の2人が中軸のようですが、ルーク・スタモス(b)やバックグラウンド・ヴォーカルとして2人のメンバーがクレジットされています。ローリング・ストーン誌の日本盤ネット記事によると、PVやライヴでベースを演奏しているのはデヴィッド・フラーという人だそうです。

同記事によると、カペトンが最も影響を受けたアーティストはデヴィッド・ボウイだそうで、10代前半に"Ziggy Stardust"を聴いて大感動し、ベルリン三部作がお気に入りとのことで、そういったこともシンパシーを感じるのかも知れません。また、日本のアップル・ミュージックのアルバム・チャートで10位に入るほと、支持されているようです。

このアルバムから何曲かご紹介して行きましょう。

記念すべきデビュー・アルバムの1曲目、①"Where We've Been"。アルバム・タイトルの前半分が曲のタイトルになっています。エレクトリック・ギターのアルペジオをバックに抑制的に歌うヴォーカルから、どんどん音の厚みが増して行き、カオティックに盛り上がり、ラストにはまた静寂を取り戻す曲。レイディオヘッドの"Creep"を思い出しました。


ウィキペディアにはまだディスコグラフィーが乗ってないのでシングル・カットされたのかどうかわかりませんが、PVも作られている③"Crashing Through"は、スピード感のある歯切れの良いリズムが印象的なナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=cD8qDl3x9Bo

静かな電子音が20秒程続いた後、いきなりパンキンシュなギターが静寂を打ち破る高速ナンバー、⑤"Chemical"。この勢いには圧倒されます。
https://www.youtube.com/watch?v=6rApILpiK7c

"Statues"はミドルテンポのハード・ポップ・ナンバー。この曲はカート・コバーンも好きだったピクシーズの影が感じられます。
https://www.youtube.com/watch?v=FhWKrP_ayuY

ラス前の⑧"Get Numb to It!"も激しくカオティックな、これぞアメリカン・インディといった雰囲気を感じるナンバー。
https://www.youtube.com/watch?v=UVCLNOcEWnc

はて、このバンド(ユニット?)、今後どこまで行くのか、楽しみです。