今年2回目のフライデイ・ジャズ・クラブ。今回は初のベーシストのリーダー・アルバムをピックアップしました。チャールズ・ミンガスの登場です。
Pithechanthropus Erectus / Charles Mingus
56年発表
22年アリゾナ州生まれのミンガスは40年代以降、ルイ・アームストロングやチャーリー・パーカー、バド・パウエルら、ジャズの巨人と言われる人たちと共演をして来ました。そんな彼がアトランティック・レコードと契約し、最初に発表したリーダー・アルバムがこの作品。
マイルス・デイヴィスから紹介されたジャッキー・マクリーン等のメンバーを集め、かなりフリーキーなスタイルで、緊張感溢れる演奏を聞かせ、そのタイトルも相まって、実に印象的な作品であると思います。
【パーソネル】
チャールズ・ミンガス:ベース
ジャッキー・マクリーン:アルト・サクソフォーン
J.R.モンテローズ:テナー・サクソフォーン
マル・ウォルドロン:ピアノ
ウィリー・ジョーンズ:ドラムス
この中では、マクリーンとウォルドロンが、その後もリーダー・アルバムを発表するなどの活躍をしていたようです。
【収録曲】
① Pithechanthropus Erectus
② A Foggy Day
③ Profile of Jackie
④ Love Chant
アルバム・タイトルにもなっているオープニング・ナンバーの①"Pithechanthropus Erectus"(邦題:直立猿人)では、"Immigrant Song"や"Birdland"にも影響を与えているのではないかと思わせるフレーズが出て来ます。スリリングな10分を超える演奏は飽きを感じさせません。アルバムとメンバーは違いますが、70年の映像をご覧下さい。
続く②"A Foggy Day"は、ジョージ・ガーシュイン作で、フレッド・アステアが37年に発表した曲。かなりアヴァンギャルド風にアレンジされてます。こちらも緊張感に溢れる演奏が刺激的です。
https://www.youtube.com/watch?v=bpcp2R3GLw0
アルバム・ラストに収録された④"Love Chant"は、約15分にわたる、A面の2曲に比べると、オーソドックスな作品。5人の白熱する演奏が楽しめます。
https://www.youtube.com/watch?v=bpcp2R3GLw0
ジョニ・ミッチェルが"Mingus"というアルバムを発表するなど、多方面から評価されたミュージシャンの代表作。聴き応えありますね。