さあ、年も押し詰まって参りました。「今日の1曲」での今年の歌特集も完了しました。いよいよ、当ブログ恒例の年末企画のラストを飾る、今年のベスト・アルバムのご紹介。さっそく進めて行きたいと思います。

年々新譜購入枚数が減っておりまして、リイシューや未発表音源を除くと、今年は昨年の26枚からさらに減って18枚となりました。そんなわけで、昨年に続いて、いきなりベスト10から発表したいと思います。

まずは、過去10年のベスト1作品のご紹介です。これまで、このランキングを始めた07年からご紹介しておりましたが、かなり行を食うようになってしまったので、今回から過去10年にいたしました。

2013年 AM / Arctic Monkeys
2014年 Lazaretto / Jack White
2015年 The Magic Whip / Blur
2016年 ★(Blackstar) / David Bowie
2017年 Sounds of Experience / U2
2018年 Resistance Is Futile / Manic Street Preachers
2019年 Help Us Stranger / The Raconteurs
2020年 Letter to You / Bruce Springsteen
2021年 Never the Fountain, More Pure the Stream Flow
      / Damon Albarn
2022年 Fear of the Dawn / Jack White


さて、ここに付け加えられるのは、どんな作品でしょうか。2023年のアルバム・ベスト10、発表させていただきます。

その前に、一応、これまた毎年恒例のお断り。
【ランキング対象】
 ・今年の1月以降発表されたアルバム
 ・私が全体を通して聴いたもの
 ・5年以上前の発掘ライヴやデラックス仕様等による再発は対象外
【ランキングの位置づけ】
 私の好みに加え、シーンでの話題性、同時代的な意義などを適当に気分で勘案して付けた「遊び」みたいなもの。
 決して作品の良し悪しを評価しているものではありません。


それでは発表して参ります。まずは10位から6位の発表です。

 


第10位 Cuts & Bruises / Inhaler
第9位 The Girl Is Crying in Her Latte / Sparks
第8位 Exotico / Temples
第7位 Shadow Kingdom / Bob Dylan
第6位 Pretty Vicious / The Struts


インヘイラーテンプルズザ・ストラッツといった10年代デビューの若手バンドが3組、ベスト10入りしました。いずれも、それぞれの個性を全面に出した作品でした。その中に、個人的には久々に聴いたスパークスのアルバムが9位に滑り込みました。そして、ボブ・ディランのセルフ・カヴァー・アルバムは7位どまりとなりました。いい作品だったのですが、新曲によるアルバムでなかったことから、ベスト5入りを逃しました。

それでは、ここで、ディランに申し訳ないので、彼の曲をピックアップいたします。”I'll Be Your baby Tonight”をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=qW49Gipl9t8

さあ、いよいよベスト5の発表です。

第5位 i/o / Peter Gabriel

今年、21年ぶりの新曲によるアルバムを発表したピーター・ガブリエルの新作がベスト5入りを果たしました。1月から満月の日ごとに1曲ずつ発表して来た曲を集めたアルバムでした。年間を通じて活動してことに加え、その内容も80年代の全盛期を彷彿させる内容でした。ラスト・ナンバーの"Live And Let Live"をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=huUgfDhS6Ko

第4位 Ever Loser / Iggy Pop

4位に入ったのは、ゴッドファーザー・オヴ・パンク、イギー・ポップの4年ぶりのアルバムでした。1月の発表だったので、だいぶ印象が薄れてしまいましたが、最初に聴いた時は、なんでこんなに元気なの!と思う位、怒涛の勢いで迫る作品でした。75歳とは思えないパワーです。オープニング・ナンバーの"Frenzy"をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=GwB2EZS9x9I

第3位 Race the Night / Ash

続いてアッシュがベスト3入りです。こちらは5年ぶりの新作。彼らにしては長めのインターヴァルとなりましたが、ちょっと憂いのあるハード・ポップ・サウンドは健在。彼ららしさを十分に感じさせる作品でした。ハードなサウンドが印象的な"Braindead"をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=QPiDM0u0bfU
 

第2位 Hackney Diamonds / The Rolling Stones

そして、残念ながら2位にとどまった、ザ・ローリング・ストーンズの18年ぶりの新作。こちらも年齢を感じさせない活力にあふれた意欲作。近年と言うか、80年代以降のアルバムは、今一つ弱い感じがしてましたが、今回は十分に満足できる内容でした。ポール・マッカトニーの参加まであり、時代の流れも感じました。シングル・カットされた"Angry"をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=_mEC54eTuGw

第1位 The Ballad of Darren / Blur

そして23年のベスト・アルバムとなったのは、15年の"The Magic Whip"に続いて、2作連続でベスト・アルバムを獲得したブラーでした。デーモン・アルバーンは21年のソロ作も年間ベストを獲得していますので、彼にとっては3作目の年間ベストです。アルバーンのソロ作も含め、彼らのこれまでのサウンドをぶち込んだ素晴らしい作品であったと思います。"St. Charles Square"をお聴き下さい。



今回もたいへん悩みましたが、このような結果となりました。ストーンズにも、ディランにも申し訳ない結果となりましたが、現代ロックという観点から、ブラーに軍配をあげました。さあ、来年はさっそくグリーン・デイの新作も控えています。にぎやかなランキングになることを祈ります。