今年も残すところ1週間。年々、1年の過ぎるスピードが速くなっております。もうこんな時期が来たのかって感じです。今年はなんと言っても、新型コロナウィルスが5類に格下げされ、日常が帰って来たのが大きかったですね。月に1~2回、東京出張してるのですが、あれは何だったんだ?と思うくらい、人が多くて、田舎モンは疲れてしまいます。また、個人的には獣王無敵阪神タイガースが、18年ぶりのセリーグ優勝、そして38年ぶりの日本一となったことが大きなトピック。生きてまたこの感動を味わえたことに感謝しております。

 さて音楽シーンの方は、ザ・ビートルズザ・ローリング・ストーンズがチャートの首位を獲得するという、21世紀も1/4を終えようする中、凄い現象起きたことが大きなトピックでした。また、ベテランがこぞってセルフ・カヴァー・アルバムを発表したことも、今年の特徴だったと思います。一方、今年も新人発掘は皆無。今年ゲットしたアルバムは、若手もベテランも含めて、全て、既に保有しているアーティストでした。ロックも、いよいよ、ジャズやクラシックの領域に足を突っ込んで来たんでしょうか。

 そんな2023年を振り返る年末恒例企画、今年もやらせていただきます。



【若手・中堅】
 中堅と言っても、当ブログでは90年代以降デビュー組をくくっていますので、既にベテランの域に達しているアーティストも多くいます。デビュー30周年ってバンドも出て来ますので、そろそろこの定義考えなければなりませんね。まず21世紀組としては、ザ・ストラッツテンプルズインヘイラーといったところが、彼らの魅力を存分に詰め込んだ作品を発表してくれました。90年代組では、ブラーアッシュがこれまた彼ららしい作品を発表。ウィーザーも昨年から続く4部作の最終作を発表しています。

 それではこの中から、ザ・ストラッツの"Rock Star"をお聴き下さい、アメリカのテレビのモーニング・ショー出演時の映像がありました。
https://www.youtube.com/watch?v=V3pdmggiMMU

【ソウル、ジャズ】
 ソウルの新譜もめっきり減っております。東京を離れタワーレコードの店頭発掘ができなくなったことが大きいと思います。オリジナル新作は、UKの黒人女性シンガー、コリーヌ・ベイリー・レイや、ジャズ系のレイチェル&ヴィルレイの2枚だけでした。また、未発表音源ですが、ニーナ・シモンの66年のニューポート・ジャズ・フェスティバルのライヴも良かったです。

この中からはニーナ・シモンの"Mississippi Goddam"をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=LGgAVleI32Q

【リイシュー・未発表音源】
 このような状況ですが、未発表曲や未発表ライヴ音源を収録したリイシューの方は、充実していました。なんと言ってもザ・フー"Who's Next"が、そのベースとなったお蔵入りアルバム"Life House"の音源も含めて、なんとCD10枚組の超豪華盤でリリースされています。また、ザ・ビートルズの73年のベスト・アルバムも、収録曲を増やして再発されております。しかも「新曲」入りということで、大きな話題となりました。この他、エルヴィス・コステロバート・バカラックの98年のコラボ・アルバムや、リトル・フィートの名作、"Sailin' Shoes""Dixie Chicken"の再発も嬉しかったですね。ニール・ヤングのお蔵入りアルバム"Chrome Dream"の初蔵出しも痺れました。未発表ライヴ音源としては、キャロル・キングの73年のセントラルパークや、ドクター・ジョンのモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ音源も素晴らしかったです。

 それではこの中から、映像とセットでリリースされたキャロル・キングの"Home Again"のトレイラー映像をご覧下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=hQHR1J9i8tI

【ベテラン】
 最後に、ベテランの作品を振り返ります。冒頭触れたように、ボブ・ディランニール・ヤングU2がセルフ・カヴァー・アルバムを発表。ヤングはクレイジー・ホースのメンバー各々のソロ作を集めた作品を発表。ヤングはこれを含めると今年3作を発表しています。ヴァン・モリソンはスキッフル・アルバムとロックン・ロール・アルバム(未購入)を発表しています。この他、スパークスイギー・ポップピーター・ガブリエルも、ピーク時に勝るとも劣らない作品を披露してくれました。そして、なんと言ってもストーンズのタイガーズの優勝と同じインターバルで新曲による新作を発表し、アルバムはUKチャートの1位を獲得しました。

 それではこの中からは、ポール・マッカートニーも参加したストーンズの"Bite My Head Off"をご覧下さい。ポールもちょこっとだけ映ってます。


【墓碑銘】
 そして、ラストは今年亡くなった主なミュージシャン。思い入れの深い方が増えており、寂しい限りです。特に1月の訃報ラッシュは本当に辛かったです。こうやって並べてみると享年が70代という方が多く、だんだん他人事ではなくなって来てる感じがしています。

ジェフ・ベック(1月10日、享年78歳)
高橋ユキヒロ<YMO他>(1月11日、享年70歳)
デヴィッド・クロスビー<ザ・バーズ、CSNY>(1月18日、享年81歳)
トム・ヴァーレイン<テレヴィジョン>(1月28日、享年73歳)
鮎川誠<シーナ&ザ・ロケッツ>(1月29日、享年74歳)
バート・バカラック(2月8日、享年94歳)
ウェイン・ショーター(3月2日、享年89歳)
デヴィッド・リンドレー(3月3日、享年78歳)
ボビー・コールドウェル(3月14日、享年71歳)
坂本龍一<YMO他>(3月28日、享年71歳)
ハリー・ベラフォンテ(4月25日、享年96歳)
ピート・ブラウン<クリームの作詞他>(5月19日、82歳)
ティナ・ターナー(5月24日、享年83歳)
PANTA<頭脳警察他>(7月7日、享年73歳)
トニー・ベネット(7月21日、享年96歳)
ランディ・マイズナー<イーグルス>(7月26日、享年77歳)
シネイド・オコナー(7月26日、享年56歳)
ロビー・ロバートソン<ザ・バンド>(8月9日、享年80歳)
シェイン・マガウアン<ザ・ポーグス>(11月30日、享年65歳)
デニー・レイン<ウィングス他>(12月5日、享年79歳)

 それでは、この中で個人的に一番ショックだった、ロビー・ロバートソン氏を偲んで、ライヴ・アルバム"The Last Waltz"の冒頭に収録された"Theme from The Last Waltz"をお聴き下さい。
https://www.youtube.com/watch?v=DGDFvxalpjk

来年、2024年は、訃報が少なく、いい作品にたくさん出会える年となることを祈ります。