ピーター・ガブリエルが12年ぶりの新作を発表しました。新曲によるスタジオ・アルバムとしては、なんと21年ぶりとなります。86年に発表され大ヒットした"So"にも遜色のない作品を届けてくれました。

 

i/o / Peter Gabriel
23年発表

"So"のヒットの後、92年に"Us"、02年に"Up"を発表していますが、実はフォローしていなくて、聴いておりませんでした。その後、カヴァー・アルバムの"Scratch My Back"を10年に、オーケストラをバックにしたセルフ・カヴァー・アルバム"New Blood"を11年に発表しましたが、新曲の発表は本当に久しぶりでした。

このアルバム、今年1月から、満月の度に発表されて来たシングル12曲を集めたアルバム。さらに、続く新月の日に別ミックスで発表されたヴァージョンをディスク2としてまとめた2枚組CD。前者をブライト・サイド・ミックス、後者をダーク・サイド・ミックスと名付けています。まだ購入したばかりで、そのミックスの違い、良くわかってないのですが、今年もあと2週間となりましたので、今回はブライト・サイド・ミックスを聴いた感想で記事アップさせていただきます。

バックには全編にわたりトニー・レヴィンがベースで、6曲でブライアン・イーノがシンセサイザー等で参加しています。その他、曲によってはスティーヴ・ガッドや、ゴスペル・コーラス・グループがサポートしています。

【収録曲】
 ① Panopticom
 ② The Court
 ③ Playing for Time
 ④ i/o
 ⑤ Four Kinds of Horses
 ⑥ Road to Joy
 ⑦ So Much
 ⑧ Olive Tree
 ⑨ Love Can Heal
 ⑩ This Is Home
 ⑪ And Still
 ⑫ Live And Let Live


まずはオープニング・ナンバーの①"Panopticom"。エレクトロニカ風のサウンドではありますが、ドラマチックな曲調のナンバー。ガブリエルの切々としたヴォーカルに思わず引き入られます。
https://www.youtube.com/watch?v=jfW1GDu7gxw
 

"Playing for Time"は、悲しげなメロディが心に迫ってくるナンバー。ガブリエルのヴォーカルを聴いていると、初期のジェネシスを聴いているような雰囲気になります。(当たり前ですけど。)
https://www.youtube.com/watch?v=tB7zDQ0AAf4
 

アルバム・タイトル曲の④"i/o"は、サビのサウンドとメロディは"So"時代を彷彿とさせます。80年代の懐かしい雰囲気を味わえます。


当アルバムの中では、最もテンポが良くポップな雰囲気の⑧"Olive Tree"。ガブリエルのソングライティング力の健在さを感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=lBUZ1xnkOPo

そして11月末に、このシリーズ最後のシングルとして発表された、当アルバム・ラスト・ナンバー、⑫"Live And Let Live"もドラマチックな美しい曲です。
https://www.youtube.com/watch?v=huUgfDhS6Ko


本当に久々の新作アルバムでしたが、ガブリエルの創造力が全く衰えていないことを感じさせる力作でした。